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医療分野でクラウドの利用が主流に(前)

2015/10/27

Clint Boulton CIO

 ボストンの病院Beth Israel Deaconess Medical Center(BIDMC)のCIO、John Halamka氏は、自らの経験を振り返ってこう話す。「Amazonは、2012年の時点ではBAAを締結したがらなかった。しかし現在では、BAAの締結はもはや問題ではない。医療分野でも安心してAmazonを利用できる」。同氏は、物理サーバーからAWSのクラウドサービスに移行する作業に取りかかっている。AWSからは、同病院として十分なレベルの物理セキュリティと論理セキュリティ、そしてHIPAAの規定に従って文書化したプロセスを提供するとの同意が得られている。米国では、医療がGDPの約17%を占めているだけに、AWSや競合他社が医療分野の支持を得ようとするのは理にかなっていると同氏は言う。

 また、患者への成果向上とコスト削減の圧力にさらされている病院側にとっても、目標達成の後押しとなる最新技術を導入することは理にかなっている。AWSで医療とライフサイエンス担当のディレクターを務めるSteve Halliwell氏は次のように言う。「医療機関は、医療ビジネスとその成果に目を向け、俊敏性を高める手段となるテクノロジーに注目している。各機関はビジネスの変革のペースを早めることを目指しており、クラウドがその機会を与えつつある」

自前のデータセンターが不要に?

 CIOは、自前でのデータセンター運用やソフトウエアの導入/アップグレードに代わって、クラウドのインフラ、ストレージ、アプリケーションサービスを次第に採用しつつある。BIDMCの場合、現時点では、ソフトウエアの開発/テスト環境としてAWSの仮想マシン30台を運用しているが、いずれは自前のデータセンターを完全に停止し、200台のサーバーをAWSの仮想マシンに移行できるとHalamka氏は見込んでいる。また同病院では、職員が学習管理や電子医療記録にクラウドアプリケーションを利用しているほか、1対1やグループでのコミュニケーション用として、SlackやHipChatなどのツールを試している。職員の生産性が向上するツールを見つけ出すことは、現在のCIOにとって欠かせない責務だ。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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