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OpenFlow、岐路に立つ?(上)
2016/02/01
OpenFlowは岐路に立っているように思える。見方によっては、そのことを意外に感じる人もいるかもしれない。そして、そこから1つの疑問がわいてくる。果たしてOpenFlowは、長い目で見た時に、SDNの中で果たすべき重要な役割があるのかどうかという疑問だ。

SDN(Software Defined Networking)の黎明期は、可能性に満ちあふれていた。そのアイデアに専門家は興奮し、開発者は垂涎した。そして、初期のSDNで主役になったのがOpenFlowだ。ネットワークをソフトウエアでプログラミングする新しい方法を示した米スタンフォード大学の概念実証である。SDNとOpenFlowが一体であるかのように、両者を混同している人も多くいた。
実際は両者は一体ではないのだが、SDNが大々的に取り上げられ始めた頃は、そうした認識も無理のないことだった。OpenFlowは猛スピードで前進していった。標準化団体のOpen Networking Foundation(ONF)は、OpenFlowの開発を進める中で、新バージョンのOpenFlowの仕様を矢継ぎ早にリリースしていった。
しかし最近では、OpenFlowの前進は止まったように思える。業界のOpenFlow熱は沈静化した。ONFがOpenFlowのメジャーなバージョンをリリースするペースも落ちた。SDNに関連する発表を行うベンダーも、最近はOpenFlowをあまり前面に押し出さなくなった。
SDNはそれ自体が1つの業界を形成し、いくつかの区分の製品があるが、その中にはOpenFlowを一切利用していない製品もある。米Open Networking User Groupが2015年春にニューヨーク市で開催したカンファレンスでは、OpenFlowは主要な議題にはならなかった。ベンダーの中には、自社製品でOpenFlowをサポートすることにほとんど関心を示していない企業や、むしろ反感を示している企業もある。その筆頭は米Cisco Systemsと米Juniper Networksだ。一方で、米HPや米Brocade Communications Systemsのように、OpenFlowを自社のエコシステムの重要な要素として位置づけた企業もある。