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AppleがCESに合わせて出した広告、その正確性を考える(前)

2019/01/29

Michael Simon Macworld

Apple中心のプライバシー

 Apple自身のハードウエアやサービスは、確かに競合他社より安全かもしれない。しかしiPhoneは、脅威がうごめく世界から切り離されて超然と動いているわけではない。App Storeからサードパーティ製のアプリをダウンロードした途端、プライバシーの統制はたちまち緩む。

 Appleとしては、GoogleのPlay StoreよりApp Storeの方がマルウエアに関して安全だという主張も確かにできよう。しかし、iPhoneユーザーのデータを不正に利用していたiOSアプリが排除されたという話は、今でも時々持ち上がる。また、例えばFacebookやGoogle、Twitterに関して、AndroidスマートフォンよりiPhoneで使う方が魔法のように安全かというと、当然そうではない。

 結局のところ、Apple自身のアプリやサーバーが暗号化されていて守りが万全でも、ユーザーが自発的に利用して個人データを委ねる無数のアプリに関しては、同じく万全とは言えない。Google+の不具合にせよ、Facebookのあからさまな侵害にせよ、iPhoneに入れた各アプリの中で起きたことは、iPhoneの中にはとどまらないと見てまず間違いない。思い返すと、Apple自身も、著名人の写真が大量に流出したという騒動で矛先を向けられたことがある。この時流出したデータは、まさに厳重に守られていてしかるべき類いのものだった。

 Appleが今回の巨大広告で伝えたのは、競合他社よりAppleの方がユーザーのデータを大切に扱う、というメッセージだ。Appleはユーザーのデータを売り飛ばすことは決してないと誓っている(だが、実はGoogleも、世間的な認識とは違って、少なくとも直接的には、ユーザーのデータを売る行為はしていない)。Appleはユーザーが交わしたやりとりを盗み見ることはない。Safariは、Cookieなどのデータを利用しようとするサイトに関して警告を表示する。このように、iPhoneの使い道を純正のアプリと基本機能に限定するのであれば、巨大広告のうたい文句のとおり、「iPhoneで起きたことはiPhoneにとどまる」可能性が高い。しかし、Appleの世界だけで生きるという発想は現実的ではない。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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