TOPセキュリティ > ブロックチェーンが実現する自己証明型身分証明とは(上)

セキュリティ

ブロックチェーンが実現する自己証明型身分証明とは(上)

2018/02/05

Phillip Windley Computerworld

自己証明型身分証明とは

 この発想は、自己証明型身分証明(self-sovereign identity)と呼ばれる。オンラインであれオフラインであれ、自分のIDは自分で用意するというのが、自己証明型身分証明の出発点となる考え方だ。一元的な管理機関の統制に頼る仕組みではないことから、システムは分権化されている。現実社会で身分証明が機能する仕組みと同様だ。

 現実社会では、他者と接触する中で、数々の第三者機関が管理する属性と証明書を利用して、柔軟な対応が行われている。こうした証明書は、いずれも当事者本人が提示する。財布やバッグから取り出した証明書を相手に見せて確認してもらうのが一般的だ。例えば運転免許証は、車を運転する資格があることの証しとして、米国であれば各州の車両管理局(DMV)が発行する。だが、運転免許証は車の運転以外にもさまざまな形で役立つ。例えばバーに行った時に、飲酒可能年齢に達していることの証明を店員に求められたら、運転免許証を見せれば済む。

 しかし、あらためて考えてみると、これはちょっとした奇跡だ。少なくとも、オンラインIDの仕組みに比べれば奇跡である。バーの側は、運転免許証を発行したDMVとの間で、法的契約も、業務提携も、システム間連携も行ってはいないし、誰の承諾も得てはいない。とにかく免許証の提示を求めるようになっただけだ。そして、来店客は店員に免許証を見せる。この仕組みが機能するのは、DMVが本人の誕生日を把握していることを、バーの側が信用しているからだ。しかも、免許証には重要な情報が記載されており、簡単に認証できて偽造が難しい形でパッケージ化されている。

↑ページ先頭へ