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ホログラムだけがARにあらず(後)

2017/02/16

Steven Max Patterson Network World

メタ感覚

 1980年代からウエアラブル技術を手がけてきたウエアラブルの父、Steve Mann氏が使った「Metasensory Augmentation」という言葉は、今後はARに代わって使われる言葉になるかもしれない。Mann氏は、放出エネルギーから視覚的アプリケーションへの変換や、ブレイン・コンピューター・インタフェースなどについて話した。また、ウエアラブル技術の歴史についても力説した。

 中には、カンファレンスの熱気に節度を与える話をした登壇者もいた。例えば、IEEE Global Initiative for Ethical Considerations in Artificial Intelligence and Autonomous SystemsのMixed Reality Committeeで共同委員長を務めるMonique Morrow氏がその1人だ。見て見ぬふりをされる存在と自称する同氏は、ARの可能性について期待を示す一方で、乱用の可能性に対する警戒心も示した。同氏が関心を寄せているのは、ARの世界で必要となる倫理面の考慮だ。インテリジェントなシステムが行動の観察や物理的現象の検知を絶えず行い、それによって各個人に適切なコンテンツを提供するARの世界で、倫理面の考慮をどうするかということである。FacebookやGoogleのように、こうしたデータから利潤を得る独占的企業が出現した場合に、不公平が生じはしないのだろうか。倫理的な監視の考慮事項とは何だろうか。

 Enriquez氏や、イーサネットの発明者であるBob Metcalfe氏は、ARにはキラーアプリがまだ登場していないという話をした。ただし、ARの定義を拡大して「Pokemon Go」も含まれるようにすれば話は別だ。また、IntelのCroteau氏が指摘したのは、軽量で邪魔にならず、機能性に優れ、バッテリー駆動時間も長いARウエアラブルデバイスをシステムデザイナーが開発しようにも、そのためのツールやコンポーネントがまだ出そろっていないという点だ。同氏はその状況を、初期のスマートフォンになぞらえた。だが、緊急対応、アーキテクチャー、IoTなどの分野では、多種多様な問題を解決するARアプリの開発が進んでいる。

 Metcalfe氏は、発明者、起業家、アドバイザーとしての長年の経験を踏まえて、次のように話をまとめた。

 「AR技術は今まさに花開こうとしている。今回のカンファレンスのタイミングは、ARの現在の進展段階にうまく合っている。このような時には、人々が結集し、少なくとも当面のことに関して、業界に針路を与えることになる」

 今回のAR in Actionの様子を収めた50本の動画が、公式サイト「arinaction.org」に近く掲載される予定なので、興味がある人はチェックしてみてほしい。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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