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フェイクニュースで変わりつつあるネットの姿(前)

2019/02/19

Mike Elgan Computerworld

拡散の止め方を探して

 フェイクニュースが拡散する場としては、米Facebook傘下のサービスがかなりの部分を占めている。すなわち、Facebook、Instagram、WhatsApp、Facebook Messengerだ。理由は簡単で、インターネットユーザーの多くがこれらを利用しているからだ。

 世界中で15億人のユーザーがいるWhatsAppは、フェイクニュースで大きな問題を抱えている。例えばインドでは、WhatsAppで広まった子ども誘拐のフェイクニュースを信じた人々が、集団暴行事件を起こした。

 Facebookにとって、WhatsAppでのフェイクニュース拡散を抑えるうえで課題となる点の1つは、このサービスがエンドツーエンドで暗号化されていて、やりとりの内容を把握できないことだ。

 そこでWhatsAppは1月下旬、転送に新たな制限を設けることを発表した。1つのメッセージの転送を最大5回とする制限を、世界中のユーザーに適用する。この制限の狙いは、偽情報が口コミで拡散するスピードを遅らせることにある。

 WhatsAppは既に、転送されてきたメッセージに自動でラベルを表示する機能を導入している。送り手本人の発言だと思い込ませないようにする機能だ。

 またFacebookは1月中旬、ロシアの政府系通信社SputnikとつながりがあるFacebookアカウント、ページ、グループ、Instagramアカウントを削除したことを発表した。これらのアカウントは、正当なニュース記事を投稿して大勢のオーディエンスを集めたうえで、Sputnikが発するロシアの偽情報を織り交ぜていた。

 つまり、Facebookのコミュニティ規定の違反者と「結び付き」があるページやグループというだけでも、それらを削除したり禁じたりする権利がFacebookにはあると同社は言っている。そのページやグループが規則に違反していなかったとしてもだ。

 これとは無関係らしい動きではあるが、米New York Timesの1月25日の報道によると、Facebookは、Messenger、Instagram、WhatsAppの統合を予定しているという。それぞれのユーザーの間で、エンドツーエンドで暗号化したメッセージをやりとりできるようにするとの話だ。

 そうなれば、ユーザーのプライバシー保護の強化にはなるだろうが、フェイクニュースの発信元にとっては、偽情報を秘密裏に拡散するための選択肢が増えることになる。エンドツーエンドですべてのメッセージを暗号化し、数十億のユーザーがつながり合うとなると、フェイクニュースの拡散キャンペーンを見つけ出して対処する手立ては、完全にFacebook頼みになる。

 そのほかのソーシャルメディアやメッセージングプラットフォームも、フェイクニュースを阻止するための対策を急いでいる。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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