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ネット中立性規則の撤廃でセキュリティが弱体化?(前)

2018/02/20

Terena Bell CSO

規制環境は「混迷」

 実のところ、ネット中立性の撤廃がセキュリティ上の脅威にもたらす影響について、セキュリティ業界が現時点で立証できることはほとんどない。今後何が起きるのか、米Secure Channelsの最高イノベーション・売上責任者のHenry Sienkiewicz氏に尋ねてみたところ、「誰にも分からない。規制環境はまだ大いに混迷している」という答えだった。

 混迷という言葉は、ネット中立性のこれまでの歩みを表すのに、ある意味ふさわしい。米連邦通信委員会(FCC)が2015年4月13日に公布したネット中立性の規則は、軌道に乗る時間がほとんどないまま、2017年12月14日のFCCの投票で撤廃が決まった。本記事の執筆時点では、約50人の米上院議員が、この決定の撤回を目指して動いている。

 ネット中立性は世間から有力な支持を得ているが、支持と明瞭さはイコールではない。ネット中立性とは何なのか、その規則が撤廃されることでWebがどのように変わるのか、依然として混乱している人は多い。データセキュリティに関しては特にそうだ。こうした変化は正確に予測できるのだろうか。

 Williams氏にとっては、この議論は、ウイルス対策ソフトがアップデートをどのように受け取るかという話に帰着する。「マルウエア(対策)のベンダーは、我々のスマートフォンを絶えずアップデートしている」と同氏は言い、こうしたアップデートには帯域幅が必要だと指摘する。帯域幅はネット中立性の核心にある問題だ。ネット中立性の規則が導入されたのは、米Comcastや米VerizonのようなISPが、帯域幅を多く使う企業に対して割増料金を課すことがないようにするためだった。

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