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ロック解除を巡るFBIとAppleの対立、1年後の現在地は(中)

2017/02/22

Taylor Armerding CSO

 連邦議会では、FBIがAppleに対する訴訟を取り下げてから1カ月足らずの2016年4月に、米上院情報特別委員会のRichard Burr委員長(共和党、ノースカロライナ州)とDianne Feinstein副委員長(民主党、カリフォルニア州)が、「2016年裁判所命令遵守法(Compliance With Court Orders Act of 2016)」と称する法律の草案を公開した。

 両議員は、草案を発表する時点のプレスリリースで、「米国人を犯罪者やテロリストから守るために、すべての事業体が裁判所命令を遵守する必要がある」と述べ、そのための法律制定を呼びかけていた。結局この草案は、法案としての提出はされなかったものの、内容としては、対象となる事業体が裁判所命令を遵守し、理解可能なフォーマットでデータを引き渡すことを義務づけている。対象となる事業体は、「デバイス製造元、ソフトウエア製造元、電子通信サービス、リモート通信サービス、有線/電子通信サービス事業者、リモート通信サービス事業者、および、通信の円滑化/データの処理/データの格納を行う製品または手段を提供する個人」と定めている。

 Feinstein氏は、この時のプレスリリースで、草案の意図について、プライバシーを損なうことではなく、国民を守るという一点に尽きるとしていた。「個人データを保護するために強力な暗号化が必要だが、テロリストたちが米国人の殺害をたくらんでいる時には、それを把握できる必要がある」と同氏は述べている。

 だが、この草案に対しては、プライバシー擁護団体やテクノロジー専門家など、多方面から激しい非難が集まった。専門家らは、デバイスにバックドアを設けるよう義務づけると、すべてのデバイスのセキュリティが損なわれると指摘した。米国のオンラインフォーラムJust Securityの創設者兼編集者で、米シンクタンクCato InstituteのシニアフェローであるJulian Sanchez氏は、この草案は「異常なまでに見当違いだ」と評した。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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