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注目高まるデジタルツイン、現状と可能性は(上)

2019/02/25

Keith Shaw、Josh Fruhlinger Network World

デジタルツインの仕組み

 デジタルツインを生み出すのは、データサイエンスや応用数学の専門家を中心とするスペシャリストたちだ。再現の対象となる現実のモノやシステムの根底にある物理的性質を調べ、そのデータを基に構築した数学的モデルを使って、現実世界の本物をデジタル世界でシミュレートする。

 デジタルツインは、現実のモノやシステムのデータを収集しているセンサーから入力を受け取るように構築する。現実のモノをリアルタイムでシミュレートする中で、そのパフォーマンスや、起こり得る問題について探っていくことができる。また、物理的なモノのプロトタイプを基にしてデジタルツインを構築することもできる。その場合、デジタルツインから得たフィードバックを現実の製品の改良に生かせる。さらには、物理的なモノが何もない段階で、デジタルツイン自体をプロトタイプとして活用する手もある。

 デジタルツインを構築するプロセスの概略については、フィンランドEniramのブログ記事に説明がある。同社が構築しているのは、世界貿易でかなりの部分を占める巨大コンテナ船のデジタルツインだ。相当に複雑な部類の構築である。しかし、デジタルツインを複雑にするかシンプルにするかは開発者の裁量次第だ。現実のモノをどこまで正確にシミュレートできるかは、デジタルツインの構築と更新に使うデータの量によって決まる。例えば、こちらのページにある自動車のデジタルツイン構築のチュートリアルは、いくつかの入力値だけを使って走行距離を処理するシンプルな例だ。

デジタルツインのユースケース

 上で挙げた自動車と貨物船の例からも、デジタルツインの用途が何となく分かる。飛行機のエンジン、列車、海上プラットフォーム、タービンといったモノを物理的に製造する際に、まずデジタルの世界で設計とテストを行える。また、デジタルツインは保守にも役立つ。例えば、特定の設備に対して提案された修繕方法がうまくいくかどうか、デジタルツインでテストしたうえで、現実のモノに適用できる。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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