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量子コンピューティング、企業のCIOは今から検討を(前)

2018/02/27

Clint Boulton CIO

 かつては絵に描いた餅のように思われていた量子コンピューティングだが、古典的なコンピューティングモデルでは手に負えなかった課題や、機械学習、最適化、検索に取り組むための手段として、台頭のきざしを見せつつある。企業の最高情報責任者(CIO)は、量子コンピューティングについて今のうちに検討を始めておかないと、ライバルの後塵を拝する恐れがあると米Gartnerは言う。

 スーパーコンピューターでも年単位の時間がかかるデータ処理を、量子コンピューターは数秒でこなす。コンピューティングの重要な課題を量子コンピューターで解決する方法を見い出した企業は、すべてを一変させることができるかもしれない。そう話すのは、Gartnerのアナリスト、Matthew Brisse氏だ。量子コンピューターで機械学習のアルゴリズムの処理が高速化し、企業の情報処理や洞察獲得が加速するという点で、機械学習はうってつけの用途かもしれないと同氏は言う。「量子コンピューティングに関して、機械学習の面を高速化できれば、AIの導入促進や効率化につながるはずだ」

 Gartnerの予測では、Fortune 500企業の20%は、2021年までに量子コンピューティングプロジェクトの予算を確保する。Brisse氏のもとには、量子コンピューティングとは何なのか、何に使えるのか、量子コンピューティングを担う技術者はどこで見つけられるのか、といった質問や相談が、企業のITリーダーたちから寄せられている。CIOにとって何より重要な疑問は、量子コンピューティングをビジネスで活用する方法や、端的なイノベーションのチャンスを見極める方法だ。

 CIOのこうした疑問は素晴らしいとBrisse氏は言う。かつて機械学習やAIをないがしろにした時と同じ轍を踏むのは得策ではないからだ。機械学習やAIがメインストリームに躍り出た途端、データサイエンティストやエンジニアが十分に見つからないという事態にCIOは直面したとBrisse氏は話す。多くの企業は、現時点でIT部門に量子コンピューターを導入しようとしても困難を極め、実を結ばない可能性が高い。なにしろ、量子物理学の世界は、安定した状態を維持すること自体が難題という分野だからだ。そのあたりを踏まえたうえで、量子コンピューティングについてCIOが知っておくべき基本的な事柄を見ていこう。

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