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量子コンピューティング、企業のCIOは今から検討を(前)

2018/02/27

Clint Boulton CIO

量子コンピューティングとは

 量子コンピューティングは、量子ビットというものを使ってデータを処理する強力な手法だ。量子ビットは、0か1かのどちらかだけでなく、0でもあり1でもある重ね合わせという状態を取ることができる。したがって、0か1かでデータを表すビットを基盤とした古典的コンピューターをはるかに凌駕する、桁違いの処理速度を実現できる。

量子コンピューティングの仕組み

 多数の量子ビットで計算処理を実行するためには、複数の量子ビットが相関し合った重ね合わせ状態を維持する必要がある。これを量子コヒーレントの状態ともいう。互いに相関している量子ビットには、量子もつれ(エンタングルメント)と呼ばれる性質がある。1つの量子ビットが何らかの作用を受けると、相関しているすべての量子ビットにその影響が及ぶという性質だ。だが、量子ビットの状態は脆い。温度、ノイズ、周波数、動きといった変化によって、デコヒーレンスという現象が起き、エネルギーが失われ、計算処理は行き詰まる。米IBMの研究者によると、現在のところ、量子ビットがデコヒーレンスに至らずに量子状態を維持できる時間は100ミリ秒程度だ。

 量子コンピューティングの運用環境は極端で、0.015K(ケルビン)への冷却が必要だとBrisse氏は説明する。宇宙空間の温度の180分の1にあたる数字だ。そのほか、地磁気の5万分の1まで磁気を抑えることや、大気圧の100億分の1という真空度が必要になるほか、振動の少ない面に設置することが求められる。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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