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LGBTフレンドリーな企業ThoughtWorks、その文化は(前)

2019/03/05

George Nott CIO Australia

 「2014年の私は、自分が女子だって知らなかった。でもその頃、インターネットとの出会いがあった」。そう述懐するのは、オーストラリアのメルボルンに住むソフトウエア開発者、Effy Elden氏だ。当時24歳のElden氏は、それまでずっと男子として生きてきた。だが、この頃パースからメルボルンに引っ越し、ある男の子と巡り合い、Twitterと出会った。

Credit: Mark Hachman/IDG

 Twitter上でElden氏は、積極的で誇り高い素敵なクィアの人たちと出会うようになった。多種多様なセクシュアリティ、ジェンダー、アイデンティティーを持つ人々だ。パンセクシャルやポリアモリーの人たち、そして何より重要だったのは、トランスジェンダーの人たちと出会ったことだった。

 それから1年もしないうちに、Elden氏は認識した。「自分は女子だ」と。

 「この認識に至るのは簡単ではなかったし、対処はもっと難しかった」とElden氏は振り返る。「トランスジェンダーの人たちの多くがカミングアウトの後で生涯直面する困難、差別、侮蔑のことは知っていた」

 逆境は紛れもなく存在する。豪Telethon Kids Instituteがオーストラリアの若年層を対象に行ったアンケートによると、トランスジェンダーの若者のうち5人に4人が自傷行為の経験がある(一方、思春期の若者全体では10人に1人だ)。また、自殺未遂は半数近くに上り、不安症と診断された人も約4分の3を占める。

 社会に出る年齢になると、トランスジェンダーの人たちはさらなる苦境を強いられることが多い。豪BeyondBlueの2013年の調査では、仕事探しに苦労しているとの声や、性別移行するつもりだと告げたら会社を首になったとの声、職場の人たちからの扱いに耐えられなくなって退職を余儀なくされたとの声が上がっている。

 だが、職場がそこまで非友好的というのは、あるべき姿ではない。一方で、グローバルなITコンサルティング企業ThoughtWorksのように、インクルーシブな職場環境を維持していくことを強く打ち出している企業もある。Elden氏は現在ThoughtWorksに勤めている。

 ThoughtWorksは、インクルージョンに対する真の意欲があり、安心できる雇用主だとElden氏は言う。同氏が自らの体験や心情を社内ブログで明らかにしていることも、そのあかしだ。

 「本当の私のままで、世界をよりよい場所にするために貢献できると思える会社だ」とElden氏は言う。

 こうなったのは偶然ではない。トップダウンで全社に適用する大胆なポリシーから、会社の制度の細部に至るまで、インクルージョンの文化は意識的にに練り上げられてきた。

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