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LGBTフレンドリーな企業ThoughtWorks、その文化は(前)

2019/03/05

George Nott CIO Australia

ついに仲間が

 ThoughtWorksは、Roy Singham氏が1990年代初めに設立した。社員は4500人以上で、世界14カ国の41カ所にオフィスを構える。そのミッションステートメントは明確だ。「ソフトウエアを通じた人類の向上と、社会的・経済的に公正な世界を実現するための支援」である。

 「Royの社会実験」とも称された同社は、長期的にはビジネスモデルより文化が勝るという信念のもとに運営されていた。その後Singham氏は、活動家としての取り組みに力を入れるために、2017年に同社を売却した。

 同社の広報担当者は、「個人的境遇にかかわらず、自分は支持されていると誰もが感じられるような職場を確立することに投資している」と説明する。だが、自社の「価値」を高らかに吹聴する多くの企業とは違って、ThoughtWorksは有言実行だ。

 Singham氏はかつて、冗談めかして次のように言っていた。「当社は、多様性というスローガンを軽視しているとの非難も受けている。社会に対して無知な人々を採用しないからだ」

 ThoughtWorksに2017年に入社し、プロジェクトマネージャーやビジネスアナリストを務めているNathan Urquhart氏は次のように話す。「ThoughtWorksは、何でもオープンに話し合う文化そのものであり、排他性のないインクルーシブな文化そのものだ。また、この会社にはフィードバックの文化もある。誰かを不快にさせる発言があった時には、その発言者と話をして、オープンに議論する」

 Urquhart氏は英国で育った。「かなり白人の町」だったという。「多様性を意識することは皆無だった。実際、多様性などなかったからだ」。大学から戻った時に、ゲイであることを母親に告白したところ、家から出ていくよう言われた。「自分はどうあるべきなのか、どうあってはいけないのかについて、いびつな混乱の感覚を抱きながら、必死で人生を送っていた」という同氏だが、その後、得意分野のITに、多少の安定感を見いだした。

 「通りを歩く時に彼氏と手をつなぐのを不安に思ったことはなかったが、業界内では自分のセクシュアリティを決して明かさなかった。当時私は若かった。IT業界には別の世代がいた。恐れがあまりに大きく、私自身でいることはできなかった」

 こうした思いを抱くLGBTの人々は少なくない。英国のLGBT権利擁護団体Stonewallが2018年に発表した調査結果によると、英国で被雇用者として働いているLGBTの人たちの18%は、LGBTであるという理由で過去1年間に職場で否定的な言動を受けたことがあった。また、35%は、差別への恐れから、LGBTであることを勤務先で隠していた。

 Urquhart氏がカミングアウトしたのは、別の会社に勤めていた時だったが、「ThoughtWorksに移ってきて初めて、100%自分自身でいられる、職場で受け入れられていると感じることができた」という。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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