TOPアプリ/OS > ソフトウエア開発者に倫理綱領は必要か(中)

アプリ/OS

ソフトウエア開発者に倫理綱領は必要か(中)

2018/04/25

Sharon Florentine CIO

どんな道具も凶器に

 「どんな道具も使い方次第では凶器になる。特定のテクノロジーの用途を一つ残らず把握することなど、どうしても無理だ。当社で言えば、今や身近にあることから頭に浮かぶAIとオートメーションの利用に関しては、私としては善も悪も見て取ることができ、そのどちらにもすぐに手が届く。当社の用途では、顧客企業が行う多種多様な候補者の選別を支援する。だが一方で、人種、民族、性別が異なる人を排除するのにも使えるということも分かる。当社には、全員が遵守する内部的な行動規範がある。だが、起こり得る結果、意図せぬ結果があることは理解している」

 Boston GlobeのZunger氏の文章には次のような一節がある。「安全第一であれば、Cambridge Analyticaが使用したFacebookのGraph APIは日の目を見なかった可能性が高い。Graph APIは、2010年のリリース直後から、エンジニアたちの間で広く警鐘が鳴らされていた」

 業界規模の倫理綱領がない中、個人のほか、一部の企業も、自らの価値観を押し出して立場を表明しようとしている。米国では2016年12月、「NeverAgain.tech」という運動の誓いの言葉が広がった。その中には次のような文言がある。「憲法で守られている宗教的信条に基づいて人々のデータベースを構築することを我々は拒絶する。政府が好ましくないと考える人々の集団国外追放を手助けすることを我々は拒絶する」。この誓いに賛同の署名をした人は、これまでに2500人以上に及ぶ。

 米GrubHubのCEO、Matt Maloney氏は2016年11月、嫌悪や恥辱、差別を感じさせる言動に反対する立場を表明したが、大きな非難を集めた。米Oracleの幹部だったGeorge Polisner氏は2016年12月、同社の共同CEOがTrump氏の政権移行チームに加わったことに公然と抗議して辞任した。

 こうした状況では、善悪の境界線がどこにあるのか、当人にも簡単には分からないことがある。倫理綱領が標準化されることが解決策となる可能性もあるが、それ以上に重要かもしれないのは、正しい問いの立て方を教えることだとScrum.orgのWest氏は言う。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

↑ページ先頭へ