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イヤホンジャック廃止の勇気でAppleがひらいた新境地(後)

2019/05/09

Michael Simon PCWorld

 iPhoneからイヤホンジャックがなくなったことを皆が嘆いていたのは、わずか2年半ほど前の話だ。「iPhone 7」は、高級感のある新色ジェットブラックや、感圧式ホームボタンの採用に加え、3.5mmのイヤホンジャックに代わる変換アダプターが付いていた。米AppleのPhil Schillerバイスプレジデントは、iPhone 7を発表する時、イヤホンジャックを廃止する「勇気」について語っていた。

前回から続く)

ケーブルのない未来へ

Credit: Jason Cross/IDG

 イヤホンジャック廃止のショックから2年ほどがたち、Appleは自らの構想が頭脳的だったことを証明した。実際、2018年秋に登場した「iPad Pro」でイヤホンジャックがなくなった時には、誰も取り乱しはしなかった。いわば、USB端子や光学ドライブがなくなる時と同じだ。Appleは、目的のテクノロジーが広く浸透するまで待つことはせず、リスクをとって成果を上げた。結局他社も追随し、利用者が過去を振り返ることはなかった。

 いつの日か、イヤホンジャックも同じ展開になるはずだ。Android端末でも、イヤホンジャックをなくそうと試みているメーカーはたくさんあるが、Appleのような秩序や粘り強さがない。米Googleは「Pixel 2」でイヤホンジャックをなくしたが、159ドルのワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」は、たとえ翻訳機能を内蔵していようとも、価値ある代替品ではない。Essential Phoneはイヤホンジャックを一切搭載しなかったが、数カ月後に降参し、150ドルのアダプター「Audio Adapter HD」を発売した。Webサイトの説明によると、このアダプターは、「MQAに対応したハイレゾESS Sabre DACを活用して、お使いのデバイスでマスタークオリティのオーセンティックなオーディオをお届けします」とのことだ。Android端末メーカーで唯一、きちんとしたワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」を出してきた韓国Samsung Electronicsだが、同社の最新スマホ「Galaxy S10」は、依然として過去に固執し、イヤホンジャックを備えている。

 この状況は、iPhoneの「ノッチ」にも似ている。iPhone Xが登場した時、Appleの大胆なデザインがネット中で笑いものになった。しかし、1年もたたないうちに、Androidスマホの主なラインナップのほとんどに、ノッチを備えた機種が加わった。じきに、イヤホンジャックも同じことになるはずだ。Appleは、ワイヤレスの毎日がいかに快適かを皆に示した。AirPodsと同じようにシームレスでシンプルな無線イヤホンを作り上げる方法を、メーカー各社が理解した暁には、スマホからケーブルが突き出た状態で一体どのように毎日を過ごしていたのか、我々は不思議に思うようになるはずだ。

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