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FacebookのAIアシスタント開発、果たして信用してよいか(前)

2019/05/21

Mike Elgan Computerworld

 Facebookが開発しているのは、Amazon AlexaやGoogleアシスタントのような汎用的なクロスプラットフォームのアシスタントではなく、Facebook自身のハードウエア製品で動くアシスタントかもしれない。Portalや、VRプラットフォーム「Oculus」のほか、まだ言及はないが今後登場するであろうハードウエアプラットフォームなどが考えられる。その中には、企業向けのスマートスピーカーやスマートディスプレイもおそらく含まれることになろう。

 コメンテーターは、Facebookの野心の範囲の狭さに、見当違いな慰めを見いだしている。これは、Facebookが手広く展開するかどうかというリスクではない。Facebookの支配下にあるマイクが部屋の中に置かれることにリスクがある。

Facebookは信用できるか

 Facebookを巡っては、世間の信用を損なう大きなスキャンダルが毎月のように持ち上がっている気がする。中でも、4月に明るみに出たスキャンダルは桁外れだった。Facebookに新規登録するユーザーの一部に対し、メールアカウントのパスワードを入力するよう求めていたというものだ。さらに、そのパスワードを使って、アドレス帳の連絡先情報をユーザーの許可なく収集していた。

 Facebookは、連絡先情報が「意図せずアップロードされた」と主張し、データは削除したとしている。また、入力されたパスワードは保存していないと説明している。同社がユーザーの連絡先情報を盗み出した狙いは、その人のソーシャルなつながりを把握することにあったと見られるが、そうしたつながりの情報を保持しているのかどうかについては説明していない。

 しかもFacebookは、影響をなるべく小さく見せようと、被害者の数は150万人程度だと説明した。だが、盗まれたのは150万人の情報ではない。その数のユーザーから取得した連絡先情報ということは、150万人分よりはるかに多い。平均的なユーザーが登録している連絡先が100件で、重複する連絡先がないと仮定した場合、実際の被害者は1億5000万人近いことになる。

 Facebookは、影響を受けた実人数を明らかにしていない。

 Facebookの狙いは知るよしもないが、悪意による行動であれ不注意であれ、Facebookは信用できないという結論に変わりはない。

 米電子フロンティア財団(EFF)は、最もブラックな解釈を示し、Facebookの振る舞いはサイバー犯罪集団に近いと認識している。この一件への反応としてEFFが掲載した公式ブログ記事には、「事実上これはフィッシング攻撃だ」との言葉がある。

 この上なく寛大に解釈したとしても、メールのパスワードの入力を求めたFacebookは、データを守るための最低限の慣習をうかつにも無視したことになる。

 EFFがブログ記事で述べているように、メールのパスワードはフィッシング攻撃でよく狙われる。メールは、ネット上でのあらゆる行為やあらゆる人間関係につながる鍵になるからだ。だからこそ、とことん無責任な企業であっても、メールのパスワードの入力をユーザーに求めることは決してない。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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