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国を揺るがす脅威になり得るか、ディープフェイクの正体(前)

2018/08/28

J.M. Porup CSO

 ディープフェイクとは、本物の映像や声をそっくりにまねた、偽の動画や音声のことだ。かつては、偽動画というと、米中央情報局(CIA)や英政府通信本部(GCHQ)の脅威研究情報合同部門(JTRIG)など、プロパガンダを展開する諜報機関や、あるいはハリウッドの特殊効果専門スタジオの独壇場だった。しかし現在では、ディープフェイク製作用のソフトウエアを誰でもダウンロードして、本物さながらの偽動画を片手間で作ることができる。

 今のところ、ディープフェイクの例は、芸能人の顔とポルノスターの体を組み合わせた動画や、政治家におかしなことを言わせた動画を、アマチュアの愛好家が手がける域にとどまっている。しかし例えば、攻撃が差し迫っているという虚偽の緊急警報を流したり、偽のポルノ動画で誰かの結婚を破談に追い込んだり、つばぜり合いの選挙戦で波乱を起こすために特定候補者の偽の動画や録音を投票の数日前に投下したりといったことも、ディープフェイクで簡単に実現できてしまう。

 これに不安を感じている人は大勢いる。フロリダ州選出の共和党上院議員で、2016年の大統領選にも出馬したMarco Rubio氏は、ディープフェイクを核兵器になぞらえたほどだ。ワシントンで7月に行った講演で、Rubio氏は次のように述べた。「かつては、米国に脅威を与えたいと思ったら、空母10隻、核兵器、長距離ミサイルが必要だった。現在では、米国のインターネットシステム、金融システム、送配電網や電力インフラに入り込めば事が足りる。そして最近では、本物そっくりの偽動画を製作できれば目的を果たせるようになりつつある。その偽動画が、わが国の選挙を揺るがすことが起こり得る。米国内を重大な危機に陥れ、深刻な弱体化をもたらすことが起こり得る」

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