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国を揺るがす脅威になり得るか、ディープフェイクの正体(後)

2018/08/30

J.M. Porup CSO

 ディープフェイクとは、本物の映像や声をそっくりにまねた、偽の動画や音声のことだ。かつては、偽動画というと、米中央情報局(CIA)や英政府通信本部(GCHQ)の脅威研究情報合同部門(JTRIG)など、プロパガンダを展開する諜報機関や、あるいはハリウッドの特殊効果専門スタジオの独壇場だった。しかし現在では、ディープフェイク製作用のソフトウエアを誰でもダウンロードして、本物さながらの偽動画を片手間で作ることができる。

前回から続く)

 一般的なユーザーでも、FakeAppというソフトをダウンロードすれば、独自のディープフェイクの製作を今すぐ始められる。ごく簡単に使えるソフトというわけではないが、適度にマニアックなユーザーであれば、何ら問題はないはずだ。米New York Timesにも、コラムニストのKevin Roose氏による体験記が3月に掲載された。

 だが、効果的な偽情報の形式がほかにもたくさんある中で、ディープフェイクとの「モグラたたき」にばかり意識を向けるのは間違った戦略だとHwang氏は指摘する。「現時点でも、ディープラーニングや機械学習を使わなくても、世間をだましたり世論を形成したりできる安上がりな方法はたくさんあると思う」と話す。

 例えば、路上で人が殴られている光景を録画し、その動画を巡る偽のストーリーをでっち上げるのはどうだろう。殴っているのは米国にやって来た移民たちの集団だ、という話にするなどだ。これならば、巧妙な機械学習アルゴリズムは必要ない。もっともらしい偽のストーリーと、それに合う動画があればよい。

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