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セキュリティ

量子暗号は銀の弾丸にあらず(下)

2017/12/01

Doug Drinkwater CSO

暗号化の未来はハイブリッドか

 Woodward氏は、「暗号専門家と物理学者の間でのちょっとした論争」に言及する。特に、いわゆる「絶対的なセキュリティ」は何をもって構成されるかという点についてだ。その結果、さまざまな手法の開発が進められている。今後どのように折り合っていくかは、Woodward氏にも必ずしも分からないという。

 NSAは2015年、耐量子計算機暗号への移行計画に乗り出した。またNISTは、耐量子計算機暗号アルゴリズムの開発を促進するために、アルゴリズムの募集を行っている。欧州連合(EU)でも、耐量子計算機暗号や量子暗号についての取り組みが行われている。Googleは、格子暗号を基盤とする耐量子計算機暗号システム「New Hope」をChromeで試している。

 「今後は(耐量子計算機暗号とQKDの)両方を組み合わせていくことになると思う。インフラに多額の費用を投じることが理にかなっている部分にはQKDを用いるが、あなたや私のようなエンドポイントの部分には数学的手法だ」とWoodward氏は言う。例えば、全行程のうちの一部がQKDという構図を同氏は予想する。送信元である同氏からWhatsAppのサーバーまではQKDで、サーバーから受信者までは耐量子計算機暗号といった形だ。

 QKDが情報セキュリティ業界にとって刺激的なチャンスであるのは間違いないが、メインストリームでの広範囲な導入が現実となるのはまだ少し先だ。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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