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大規模開発に適した言語、TypeScriptとは何か(後)

2017/11/30

Jon Udell InfoWorld

 プログラム内での役割を実用的に表せる名前を考え出すだけでも十分難しい。そのうえ、開発が進む中で変化する役割に合わせて名前を調整するとなると、ますます厄介だ。ソフトウエアに限らずどの分野にせよ、何かを命名することには本質的な難しさがある。しかもソフトウエアの場合、複数のコンテキストで登場して別々の物事を表している名前を簡単に識別できないとなると、特別なリスクがある。JavaScriptはそのような状況だった。コードをモジュールに編成する方法について、互換性がない対処法がいくつか存在したが、言語自体はどれもサポートしていなかった。

 ECMAScript 6はこの部分で大きく前進し、モジュールの仕様が標準として定められた。多数のファイルに分散している場合もある複数のプログラムをモジュールに編成できる。TypeScriptも採用しているこの仕組みは、大規模開発では大きなメリットだ。モジュールの依存関係が標準の方法で宣言されていれば、プログラマはその依存関係をすぐに理解でき、ツールはその内容を自動処理に反映でき、リファクタリングのリスクも軽減される。

 例えば、従来のJavaScriptの環境では、変数、関数、クラスの名前を変更する場合、そのスコープがモジュールスコープかクラススコープで、数多くの場所やファイルから参照しているとしたら、その名前を変えることにはリスクがあった。その名前が別のコンテキストで別のものを表すつもりかどうか把握する方法がなかったからだ。TypeScript対応のIDEではその点を把握でき、こうしたリファクタリングに安全に対応できる。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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