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SaaS型のTBMがCIOにもたらす価値(前)

2017/12/25

Clint Boulton CIO

見当違いの取り組み

 Imhoff氏がCIOを務めるMaritzは、クレジットカードのポイントなどの顧客ロイヤルティープログラムや各種マーケティングサービスに関する事業を手がけている。今から5年前、Imhoff氏がCIOに就任した頃は、IT部門は業務部門に対して協力的ではなかった。長年にわたって、MaritzのIT部門はシェアードサービス部門として運営されてきた。業務部門の利害関係者に代わってITに関する意思決定を担い、選択の余地をほとんど与えていなかった。これに対し業務部門の側は、IT部門の費用が高いことや、支出と価値との関係が分かるような重要な洞察がほとんど得られないことに不満の声を上げていた。「我々は顧客に対する姿勢が実にひどかった。見当違いの方向に一直線だった」とImhoff氏は振り返る。

 Maritzの創業者で最高経営責任者(CEO)のSteve Maritz氏は、IT部門の一極支配をなくして業務部門がこれまで以上に統制できるようにすることを望んだ。これを受けて、Imhoff氏は軌道修正を行った。ただし、同氏には難題が1つ課せられた。ITコストを35%削減せよとの命令だ。そこで同氏は、コストを抑えて成果を明示しやすくなるよう、Apptioの製品を導入した。結果的にこの導入は、ITコストの40%削減につながった。例えば、新しいサーバーを導入しなくても既存のサーバーで新しいワークロードを処理できると示したり、安価なストレージにデータを移行することで支出を削減できると示したりできた。また、2つの部門がメインフレームの利用をやめてコストを削減した結果、別の部門も、費用のかさむメインフレームからデータを移行することに同意した。

 「Apptioを導入したことで、支出と予算に責任を負う人々が情報を手にできるようになった。業務部門との会話も変わった」とImhoff氏は言う。同氏はIT支出を2000万ドル以上削減し、Maritzはその分の予算を、企業買収の資金やレガシープラットフォームの刷新に回すことができた。その後もImhoff氏は、5%にあたる300万ドルのITコストをさらに削減した。そちらの分はサイバーセキュリティの支出に回した。

 「CEOや最高財務責任者(CFO)のところに行って、『サイバーセキュリティの強化にあと300万ドル必要です』と話さなくて済むのは、実に素晴らしい。『資金は自前で確保します』と言える」

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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