都道府県CIOフォーラム第19回年次総会の様子。熊本市の「ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ」で開催し、オンラインで全国に配信した。
都道府県CIOフォーラム第19回年次総会の様子。熊本市の「ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ」で開催し、オンラインで全国に配信した。

都道府県CIOフォーラムは、第19回年次総会を2021年8月18日・19日の2日間、熊本市で開催した。前回に引き続き、コロナ禍が続く中、会長(熊本県)だけを会場に迎え、講演や報告などはオンラインで配信する形式を採用した。2日間を通じて47都道府県の91人が参加し、自治体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進や人材育成、政府が整備するガバメントクラウドへの対応について議論した。

(写真:浦川 祐史)
(写真:浦川 祐史)
都道府県CIOフォーラムとは

都道府県および関係団体のCIO(情報化統括責任者)または情報化推進担当責任者で構成する任意団体。相互の情報共有や民間IT企業も含めた意見交換を通じて、IT施策の推進に寄与することを目的に2003年8月26日に設立された。基礎自治体にもオブザーバー参加を呼びかけており、今回は仙台市、新潟市、名古屋市、堺市、神戸市、岡山市の計6市が参加した。「日経BPガバメントテクノロジー」が事務局を務めている。

ディスカッション1 DX推進人材の育成にあの手この手

 1日目は、自治体におけるデジタル人材の確保・育成に関して議論した。都道府県CIOフォーラム会長である熊本県企画振興部の島田政次情報政策審議監が来場し、オンラインで参加団体と意見交換した。

都道府県CIOフォーラム会長を務める熊本県企画振興部の島田政次情報政策審議監(右)。開会時には、熊本県のキャラクターで営業部長兼しあわせ部長のくまモンも登場
都道府県CIOフォーラム会長を務める熊本県企画振興部の島田政次情報政策審議監(右)。開会時には、熊本県のキャラクターで営業部長兼しあわせ部長のくまモンも登場
©2010熊本県くまモン 撮影日:2021年8月18日(写真:浦川 祐史)

 まず、愛知県総務部情報政策課の清田佳治DX推進室長が人材獲得・育成について報告(p.2の別掲記事参照)し、質疑応答が行われた。岐阜県の阿部修二総務部次長(情報化推進担当)の質問は「ICTの試験区分で採用された4人のキャリアパス」。清田氏は「基本的に通常の行政職として採用、当初は情報政策課などシステム関連部署に配属するが、その後のキャリアパスは設定していない。採用時に、退職まで情報政策やDX推進部署に在籍するとは限らないと説明している」とした。

 続けて阿部氏は、愛知県のデジタル人材育成計画で定める、DX推進マネージャー、DX推進リーダーなど5つのデジタル人材像の定義について質問した。清田氏は、育成計画は職員の意識改革が狙いと前置きして「所属長を推進マネージャーに就けて、部署内でICTを活用した業務改革を進めるために部署の職員から指名していく。資格の取得や技術の習得よりも、研修を受けてICTの業務改革に向けての意識を高めてもらうなど、体制を構築する目的で設定している」と説明した。

 島根県地域振興部情報政策課の山口悟CIO補佐官は「研修教材の作り方や講演内容などを教えてほしい」と質問した。清田氏は「J-LIS(地方公共団体情報システム機構)注1)が提供する研修の活用に加え、包括協定を結ぶ民間企業の協力も得る計画。集合研修も実施するが、自席で見られる動画研修を用意する予定」とした。

注1)J-LIS(地方公共団体情報システム機構)
住民基本台帳法やマイナンバー法が規定する自治体の事務を代行し、システムを運用する組織。

 長野県企画振興部の大江朋久参事(デジタル化推進担当)兼DX推進課長は「人事面でデジタル化の推進度合いを評価する制度はあるか」と質問。清田氏は「現段階では、人事面でデジタル化の評価はできていない」と回答した。秋田県企画振興部デジタル政策推進課の本庄克彦ICT戦略推進監からは「2025年度までの計画に対し、当面のゴールはどう考えるか」と質問した。清田氏は「体制を構築し職員の知識を底上げし、ICTで業務改革ができる組織風土を作りたい」と回答した。

大江 朋久氏
大江 朋久氏
長野県 企画振興部 参事(デジタル化推進担当)兼DX推進課長(Zoom画面のキャプチャー、以下同じ)