都道府県CIOフォーラム第19回春季会合冒頭で、参加者に一斉に画面に登場してもらった。熊本市の「ホテル日航熊本」で開催し、オンラインで全国に配信した。
都道府県CIOフォーラム第19回春季会合冒頭で、参加者に一斉に画面に登場してもらった。熊本市の「ホテル日航熊本」で開催し、オンラインで全国に配信した。
(写真はZoom画面のキャプチャー、以下同じ)

都道府県CIOフォーラムは、第19回春季会合を2022年2月8日・9日の2日間、熊本市で開催した。コロナ禍が続く中、会長(熊本県)だけを会場に迎え、講演や報告などはオンラインで配信する形式を、前回に引き続き採用した。2日間を通じて47都道府県の89人が参加した。次期セキュリティクラウドの整備やIT人材育成、行政手続きのオンライン化について議論した。会合冒頭に行われた議事で、22年度の会長団体として青森県を選出した。

都道府県CIOフォーラムとは

都道府県および関係団体のCIO(情報化統括責任者)または情報化推進担当責任者で構成する任意団体。相互の情報共有や民間IT企業も含めた意見交換を通じて、IT施策の推進に寄与することを目的に2003年8月26日に設立された。基礎自治体にもオブザーバー参加を呼びかけており、今回は仙台市、さいたま市、横浜市、相模原市、名古屋市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市の計9市が参加した。「日経BPガバメントテクノロジー」が事務局を務めている。

ディスカッション1 セキクラとガバクラの関係性に関心

 まず青森県(7県共同、対象は7県258市町村)と鳥取県(岡山県と共同、対象は2県46市町村)から、自治体情報セキュリティクラウド注1)(セキクラ)事業の報告があった。

注1)自治体情報セキュリティクラウド
自治体のサイバーセキュリティ対策を都道府県単位で集約し、一元化したクラウドサービス。

 質疑応答では、青森県に対して島根県からネットワークに関する質問があった。「データセンターから離れると回線料金の負担が大きくなると思うが、データセンターの場所はどう決めたのか。また、自治体からデータセンターまでの足回りにインターネットVPN注2)を利用するようだが、セキュリティ面はどう考えているのか」(地域振興部情報政策課の山口悟CIO補佐官)。「データセンターの場所は東京に集約しているが、遠い自治体には我慢してもらっている。インターネットVPNについて議論があるのは承知しているが、現在問題なく接続している」(武田氏)。

注2)インターネットVPN
暗号通信などを用いてインターネット上に構築したVPN(仮想閉域網)。
山口 悟氏
山口 悟氏
島根県 地域振興部 情報政策課 CIO補佐官

 長野県からはコストに関する質問が寄せられた。「市町村をまとめたうえで他県とも調整すると事務コストが掛かると想定されるが、青森県が負担したのか。入札は複数企業から採択してコストダウンできたのか。ガバメントクラウド注3)(ガバクラ)の先行事業に選択されたが、これによるコスト削減効果はどの程度あったか」(企画振興部の大江朋久デジタル化推進担当参事兼DX推進課長)。武田氏は「各県単位で市町村の合意をまず得て、その後は7県でコストをどう下げるか話し合った。担当者は苦労したが、コストダウンが実現できそうだったので話はスムーズに進んだと思っている。入札では2社の競争になったので、予想以上に調達価格が下がった。ガバクラの先行事業に採択されなくても、コストは変わらなかったと思う」と回答した。

注3)ガバメントクラウド
政府が構築するクラウドサービスの利用環境・プラットフォーム。自治体の活用メリットはコスト削減、迅速なシステム構築、庁内外のデータ連携、セキュリティ対策の一元化。

 佐賀県からは「SOC(Security Operation Center)の機能、運営形態について知りたい」(総務部情報課の北岡勝也情報監)との要望が出た。武田氏は「受注したSBテクノロジーに依頼している。SOCはガバクラ経由で提供してほしいと国に要求したが、そういう仕組みがないと回答を受けた」とした。

北岡 勝也氏
北岡 勝也氏
佐賀県 総務部 情報課 情報監

 鳥取県に対しては栃木県から教育系ネットワークに関する質問があった。「教員系だけではなく生徒系ネットワークもセキクラ傘下にあるのか」(経営管理部行政改革ICT推進課の高橋孝司副主幹)。下田氏は「教員系と生徒系の2系統があり、セキクラは両方に対応している。速度遅延などは起こっていない」と回答した。