(3)前払い・物品等の購入、(4)プレミアム付与
 プレミアム分のポイントが付与されるタイミングは、決済サービスの方式によって異なります。事前に前払い(チャージ)を行う方式では、前払いを行ったタイミングで、チャージ金額の25%がプレミアムとして付与されます。他方、QRコード決済のように、物品購入やサービス利用の支払いの都度、決済を行う方式では、支払いのたびに支払額の25%がプレミアムとして付与されます。

 どちらの方式でも、付与されたマイナポイント(プレミアム分)は、当該決済サービスを利用可能な店舗などで支払いに利用できます。

(5)プレミアム付与分請求、(6)プレミアム付与分支払い
 キャッシュレス決済事業者は、利用者に付与したプレミアム分のポイントに相当する金額を国に請求します。国はその金額をキャッシュレス決済事業者に対して補助します。補助金の交付は、1カ月単位での概算払い請求に応じた交付とし、原則として補助事業の終了後に精算払い請求により総額を確定することになっています。

設定や申し込みの操作を国・自治体・民間が支援

 以上、見てきたように、マイナポイントの利用には、マイナンバーカードの保有を前提として、さらにマイキーIDの設定やマイナポイントの申し込み(ID連携)が必要です。

 これらの設定作業は自宅でも行うことができますが、スマートフォンの設定やアプリのインストールには相応のITリテラシーが求められます。このため、政府は事業予算として、国・自治体・民間事業者による設定・インストール作業の支援の費用も盛り込みました。

国による支援
 国は、マイキーID設定のためのハードウエアおよびソフトウエアの環境整備や、マイナポイント制度の周知・問い合わせ対応などの取り組みを行っています(表2)。

表2●マイキーID設定とマイナポイント申し込みを支援する国の取り組み
取り組み 内容
マイナポイントアプリの簡素化 マイナンバーカードに対応したスマートフォン(iPhoneまたはAndroid)でマイキーIDの設定を行うには、マイナポイントアプリをダウンロードし、操作する必要がある。設定に必要な入力項目を大幅に削減し、マイキーIDは自動生成する仕組みに統一
マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン機種の拡充 従来マイナンバーカードに対応していたAndroid端末に加え、2019年12月にiPhone7以降のiOS端末にも対応。Android端末については、NFC対応機種すべてへの拡充を検討中
電子証明書等の有効期限の到来者に対するマイキーID設定方法の周知 マイナンバーカードを取得済みで公的個人認証機能の利用者に対しては、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から郵送する電子証明書の更新を促す有効期限通知書に、マイナポイント事業の案内を同封し、マイキーIDの設定方法を個別に周知
マイナポイント等に関するコールセンターの設置 マイナンバー総合フリーダイヤルのメニューの一つに、マイナポイントを活用した消費活性化策に関する問い合わせを用意
出所:総務省「マイナポイントによる消費活性化策について」(2019年12月24日)を基に作成(https://www.soumu.go.jp/main_content/000661545.pdf)

市区町村による支援
 マイナンバーカードを市区町村の窓口などで交付する際に、合わせてマイキーIDの設定も行えるよう、市区町村が支援します。具体的には以下の取り組みを行います。

(1)新規に交付するマイナンバーカード数の概ね50%に対応できるように支援体制を整えることを想定した「マイキーID設定支援計画」を策定

(2)同計画に基づき、マイナンバーカード交付からマイキーID設定までを一連の流れで行えるよう支援体制を整備

 マイキーIDの設定支援に必要な経費については、総務省の補助金を活用できます。また、各市区町村のマイキーID設定支援の実施状況は、総務省がマイナポイントのサイトで公表しています。4月23日時点では、全国1741市区町村のうち、1684団体が支援計画を策定済みで、1430団体が支援を開始しています。

民間事業者による支援
 民間でも、決済事業者や携帯キャリア事業者、小売事業者、コンビニエンスストアで以下の取り組みが予定されています(表3)。11事業者の全国約9万拠点に、マイナポイントの予約・申し込み支援用端末を常設する予定です。

表3●マイキーID設定とマイナポイント申し込みを支援する民間の取り組み
取り組みの主体 内容
決済事業者 2020年7月以降、QRコード決済アプリ上でマイナポイントの申し込みまで可能にする
携帯キャリア事業者 店頭において、顧客端末上でのマイキーID設定・マイナポイント申し込みを支援するとともに、マイナンバーカード未取得者には申請方法等を周知・案内
小売事業者(大型店舗など) 市区町村の取り組みに対する場の提供や集客に協力。また、店舗等にPCとマイナンバーカードのリーダーライターを備えたマイキーID設定・マイナポイント申し込み支援窓口を設置するとともに、マイナンバーカード未取得者には申請方法などを周知・案内
コンビニエンスストア ATMやマルチメディア端末でマイキーIDの設定やマイナポイント申し込みを可能にする。また、マイナンバーカードの取得やマイキーIDの設定に関わる広報チラシの配置などに協力
出所:総務省「マイナポイントによる消費活性化策について」(2019年12月24日)を基に作成(https://www.soumu.go.jp/main_content/000661545.pdf)

新型コロナウイルスによる影響

 ただし、20年2月頃から始まった新型コロナウイルスの感染拡大が、こうした取り組みに影響を及ぼしそうです。

 たとえば緊急経済対策の一つである住民1人10万円の特別定額給付金では、オンライン申請に必要なマイナンバーカードを取得するために、市区町村の窓口は非常に混雑し、感染の拡大が懸念されています。

 マイナポイント事業でも、マイキーIDの設定支援やマイナポイントの申し込み支援を実施する市区町村の窓口や、携帯キャリア事業者・小売事業者の店頭が混雑し、感染の拡大が懸念されます。このため、感染を抑制する観点から、支援事業が当初の予定通りには進められない可能性があります。