複数分野の規制改革を同時・一体的に推進

 スーパーシティ法では、複数分野の革新的サービスを同時に実現するために、特別な規制改革の手続きを認めています。

 スーパーシティ構想を推進する上で、現行の法制度になじまない点については特例を設ける仕組みが必須です。地域限定で規制特例を設ける仕組みとして、以前から国家戦略特区制度がありましたが、先端技術の実証実験等を行うための規制改革は規制を所管する府省と個々に協議が必要であり、実現までに数カ月から数年を要することも少なくありませんでした。複数の生活領域にまたがるスーパーシティ構想を進める上では、複数の規制所管省と整合性をとりながら横断的な調整を行う必要があるため現実的ではありません。

 そこで、スーパーシティ法では自治体からの提案全体をまず特区担当大臣としての総理大臣が受理します。その内容を公表し、提案全体を関連する規制を所管する複数の省庁に対して検討を要請することで、規制の特例措置の検討や自治体での条例制定の検討を一体になって進めます。また、必要に応じて国家戦略特区諮問会議が規制所管省に対して検討状況に関する勧告ができる仕組みになっています(図2)。

図2●スーパーシティ法における規制改革の実現の流れ
図2●スーパーシティ法における規制改革の実現の流れ
出所:首相官邸「スーパーシティ解説」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/supercity/openlabo/supercitykaisetsu.html)
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データ連携基盤を整備しAPIにより連携

 スーパーシティを支える構造としては、物理的なインフラの整備だけでなく、サービス横断的にデータを活用するためのデジタルインフラの整備が重要になります。

 スーパーシティでは、提供されるサービスに関するデータを収集・提供する機能を持つ、データ連携基盤を整備することになっています。ただし、データ連携基盤自体が大量の個人情報を保有することは想定されておらず、必要な時に必要な内容のデータをサービス提供元につなげるブローカー機能を担うことが期待されています。

 データの用途は、区域計画(通称、基本構想)等の計画立案に用いる場合と、実際のサービス提供に用いる場合の2パターンが中心になります。いずれのケースでも、データ連携基盤は国や事業者等の異なる主体から保有データを受け取った後、実際にサービスを提供する事業者にデータを受け渡す必要があります。こうした仕組みを担保するために、他のサービスとのデータ連携・活用に最低限必要となるAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)の公開が義務付けられています。

 APIとは、異なるソフトウエア間で機能を共有するための接続仕様であり、APIを利用することで開発者は公開済みの機能をゼロから開発する必要なく利用できます。スーパーシティ構想では、データ連携基盤が利用するAPIをまとめた「APIカタログ」を政府が作成・公開することで、効率的なシステム開発を可能にします(図3)。

図3●データ連携基盤を核とした「スーパーシティ」の技術的仕様
図3●データ連携基盤を核とした「スーパーシティ」の技術的仕様
出所:首相官邸「スーパーシティ解説」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/supercity/openlabo/supercitykaisetsu.html)
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 データ連携基盤の要件について、言うまでもなく個人情報に関する法令の徹底順守を求めるとともに、データ連携基盤の安全管理については、政府が定めた安全管理基準と同等の対策の実施を義務づけています。