事業計画は旗振り役の自治体が企画・実行

 スーパーシティ構想の企画・実行主体となるのは、都道府県または市町村です。スーパーシティ法の当初計画では、2020年9月をめどに自治体からの事業計画の応募受け付けを始めることになっていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年12月に公募開始時期が延期される見通しです。スーパーシティ法案の所管大臣だった片山さつき氏の著書「社会課題を克服する未来のまちづくり『スーパーシティ』」(事業構想大学院大学出版部、2020年)では、選定数は事務局の対応能力などを考慮して年間5カ所程度としています。

 スーパーシティ法は、総理大臣に提出する区域計画の策定、事業計画の立案、エリア住民の意向確認を行う主体として、「区域会議」の設置を求めています。「区域会議」の参加者は、選定エリアの自治体と住民の代表、公募により選定された事業者、そして複数の規制所管省に特例措置の検討を要請する内閣府が含まれます。

 「区域会議」に期待される役割は、当該地域の社会課題と解決策を明確化した上で、実装に向けてエリア住民との合意を形成することです。各地域によって抱えている課題・解決の方策は異なるため、技術力を持つ事業者と共同で、実現可能な事業内容・ビジネスモデルを設計することが求められます。

 また、前述のデータ連携基盤を整備する事業者を公募・選定することも「区域会議」の役割です。制度上は実施主体を限定していないため、自治体が実施主体となって技術を持つ事業者が受託事業者となるパターンだけでなく、地域住民組織が実施主体となるパターンも考えられます。システム調達にあたっては、政府機関における基準・ガイドラインに準じた対応が求められるほか、事業者を選定する目利き力が必要となります。

 スーパーシティに関する予算措置として2020年度は3億円が計上されています。データ連携基盤の構築に向けて、基盤の中核要素の調査・設計、システムの構築、運営支援を行う予定です。また、先端的なサービスの構築支援として、各府省の関連事業との連携や、地方創生推進交付金の一部が充当されます。一方で、スーパーシティ完成までに必要な事業費は一定の規模となることが想定されることから、構想を進める自治体は政策投資銀行による投融資や通常の事業ファイナンスも含めた形で原資を調達する必要があります。