トップは首相、民間人材200人を採用

 デジタル庁の体制はトップに内閣総理大臣を据え、その直下にデジタル大臣・副大臣・政務官を、事務方のトップには内閣が指名する特別職の公務員としてデジタル監を設置しています(図4)。さらに、デジタル監を支えるデジタル審議官、デジタル政策やBPR(業務プロセス改革)・システム調達を担当する顧問・参与や、各デジタル技術の専門家であるCxO職として、CA(Chief Architect)、CDO(Chief Design Officer)、CISO(Chief Information Security Officer)、CPO(Chief Product Officer)、CTO(Chief Technology Officer)が設置されました。

図4●デジタル庁の組織体制
図4●デジタル庁の組織体制
出所:デジタル庁「デジタル庁の組織体制」(2021年9月)(https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/digital/20211011_org_structure_01.pdf)
[画像のクリックで拡大表示]

 実務組織は、戦略チームと総務チームで編成されている「戦略・組織グループ」、アーキテクチャやデータ、クラウド等のデジタル化の中核となる技術を担うCoE(Center of Excellence)チーム等から構成される「デジタル社会共通機能グループ」、健康・医療・介護分野や教育分野などの開発・運用を担当する「国民向けサービスグループ」、各府庁システムや独立行政法人システム等の開発・運用を担当する「省庁業務サービスグループ」の4グループで構成されます。

 ほかの行政機関で一般的な「局」「課」などの固定的な部署はなく、各グループ(戦略・組織グループを除く)ではメンバー各自の専門性・スキルを考慮してプロジェクトチームを組成して業務に当たります。組織の規模は約600人で、そのうち民間人材を約200人採用しています。

 政府は、デジタル社会を形成するための施策の新たな推進体制として、「デジタル社会推進会議」と「デジタル社会構想会議」、および関連する幹事会と各種WG(ワーキンググループ)を設置しました(図5)。デジタル庁は、各会議の事務局機能を担います。これまでIT関連施策の推進や関連する事務局機能を担ってきた内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室(室長:政府CIO)は、デジタル庁の設置にともない廃止されました。

図5●デジタル庁の新たな推進体制
図5●デジタル庁の新たな推進体制
出所:第1回デジタル社会推進会議「新たな推進体制について」(2021年9月)(https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/digital/20210906_meeting_promoting_02.pdf)
[画像のクリックで拡大表示]

 デジタル社会構想会議は、デジタル社会の形成に向けた施策の内容と実行スケジュールを定めた「重点計画」などを総合的に検討するための会議です。メンバーは学術領域や民間領域、自治体領域などの様々な有識者で構成されます。

 一方、デジタル庁設置法に基づくデジタル社会推進会議は、主に重点計画などの施策の実施の推進と必要な関係行政機関相互の調整をすることを目的とし、従来の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)の廃止にともない設置されました。内閣総理大臣を議長とし、内閣官房長官とデジタル大臣を副議長に、各府省の大臣等を構成員とする体制です。IT総合戦略本部では全国務大臣に加えて民間有識者もメンバーでしたが、新しい体制では政府側と有識者の会議が分離された形です。