2日目の午後は、オープンデータやビッグデータの活用促進がテーマ。コード・フォー・ジャパンの関治之代表理事と神戸市情報化推進部の松崎太亮ICT創造担当課長の講演を受け、行政データの活用を促進するための方策や課題を議論した。

 まず、事前のアンケートでオープンデータの推進施策があると答えた13団体から、栃木県が2014年8月に開設したデータカタログサイトについて報告。情報システム課の鈴木浩二主査は、「きっかけは観光関連企業の支援。情報はすべて出すが、個人情報や著作権が関わるものは除く。データの数は増えているが、実績はまだ乏しい」と説明した。

 和歌山県は、プログラマのバーチャル共同作業場「GitHub」上に、自治体で初めてデータを掲載。情報政策課の田中氏は、「どんなデータに需要があるかを見極め、PDCAサイクルを回したい」と狙いを話した。福島県は震災避難者の帰還支援アプリを開発し、2015年11月に提供を始めた。企画調整部の岡部氏は、「医療や学校の情報は市町村、大学、NPO、民間の協力を得て収集し、県サイトにもオープンデータ化して掲載した。大学からはアイデアソンなどのイベント開催の要望がある」という。

どんなデータに需要があるか

鈴木 浩二氏
栃木県 経営管理部 情報システム課 主査
岩下 和裕氏
北海道 総合政策部情報統計局 情報政策課 主幹
上原 孝夫氏
沖縄県 企画部 総合情報政策課長

 北海道は行政データのオープンデータ化を、全庁横断的な政策課題に対する職員提案事業として着手。「農業や水産業向けに位置情報の活用などを考えている」(情報統計局の岩下和裕情報政策課主幹)。沖縄県企画部の上原孝夫総合情報政策課長は、「外国人観光客のさらなる誘致に活用したい。離島も含めて公共Wi-Fiを設置する計画を進めており、将来は利用状況のデータを集めビッグデータ解析して、観光施策に反映したい」と展望を述べた。

 香川県は、統計情報・位置情報のExcel形式での公開を始めたが、活用事例はまだない。情報政策課の松本氏は、「2016年はコード・フォー・ジャパンの協力を得て3月にワークショップを開催し、ゴミ出し日が分かる5374.jpアプリで認知度を高めたい」と話す。

 課題も指摘された。神奈川県の藁科CIOは、「住民と触れ合う部分でITを利活用するスマート神奈川という取り組みの中で、原課に出向きオープン化可能なデータを調査しているが、ニーズが不明。目的を持ってデータを作っていかないと活用できないのでは」と悩む。