報告 オープンイノベーションの誕生に期待
福田 次郎氏
横浜市 最高情報統括責任者(CIO)補佐監
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 人口373万人と最大の市である横浜市は、官民データ活用推進基本条例の制定で先陣を切った。福田次郎CIO補佐監は、「本年3月に議員立法で条例が成立。4月には、データ活用や企業との連携を庁内横断で推進する会議体としてオープンイノベーション推進本部を設置した」と説明した。

 現在は、官民データ活用推進計画の策定準備を進めている。「市町村には計画策定の義務はないが、政令市で規模が大きいし、ちょうど市の中期計画が2017年度で終わり次の中期4年計画を策定するタイミングだった」。

 データ活用に関しては、産業活性化に加え、安全・安心な生活環境の実現や行政の効率的な運営にも役立てる。「人口減少で財政収入の減少が予想される状況で、どの予算を削ってどこに資金を投じるか、住民に対してデータに基づいた説明が求められる」。

 オープンイノベーション推進本部のトップは副市長(CIO)が務め、CIO補佐監や各局長が参加。「市は区役所が18、局が20ある大企業に近い縦割り組織。本部の設置により、役所内部でのデータマネジメントプロジェクトや横断的な連携の醸成を狙っている」。

 外部に対しては、社会課題を解決する公民連携プロジェクトの母体となることを目指す。「オープンデータで成果が出ないのは、データを解析してビジネスモデルにつなぐ人材がいないから」と判断。2018年4月に横浜市立大学にデータサイエンティスト養成学部を新設する。

 産業育成の柱としてIoTに着目し、「I・TOP横浜」プロジェクトを立ち上げた。企業150社が参画し、ドローンや自動運転、人材育成などのプロジェクトがスタート。「行政と市民団体、行政と企業だけでなく、企業と市民団体がつながるニーズが生じているので、三者が出会う施設を各地に整備していきたい」という。「データ提供・共有の先に、市が抱える多様な課題を解決できるオープンイノベーションが誕生することを期待している」。