報告 外部識者の指摘でKPIを全施策に設定
千葉 繁氏
北海道 総合政策部 情報統計局 情報政策課長

 北海道の千葉繁情報政策課長は、2018年3月に策定した「北海道ICT利活用推進計画」について報告した。道の総合計画の特定分野別計画であると同時に、官民データ活用推進基本法に基づく都道府県計画にも位置付けている。「人口が減少しているうえに広域に分散していることに伴う課題の解決に主眼を置いた」(千葉氏)。

 計画は、「道庁限定ではなく、国や市町村、道民、民間団体、学校、研究機関も参画していく方向性を示す内容」(千葉氏)とした。策定に当たり、学識経験者、IT関係団体、市町村代表者など5人で構成する「アドバイザー会議」を設置し、骨子案、素案、原案の各段階で方向性や施策の組み立て、KPIの考え方を議論した。国との意見交換には、道と国の出先機関で構成する既存の会議体を活用。庁内では、各部代表課長で構成する会議を活用して具体策の議論を進めた。

 工夫した点は、(1)国の手引きを基にローカルの課題を落とし込んでいった、(2)4年計画の中で3年で達成する重点施策を設けた、(3)定量的な目標と定性的な目標で2種類のKPIを設けたなど。「国の手引きは非常に参考になった。KPIはアドバイザー会議の指摘で、当初の重点6施策から全施策に設定を拡大した」(千葉氏)。

 重点的な取り組みに、基幹産業である農業分野での自動走行トラクターや農作業アシストスーツの開発などを挙げた。北海道らしい施策として灯油配送の効率化も紹介。「LPWA注11)を使い、家庭用タンクの蓋に付けたセンサーで液面を測り、計画的に配送する。実験成果が上がっており、配送回数を減らし、家庭の灯油切れを防げると期待している」(千葉氏)。

 施策の推進体制については、「4月に課内に設置したIoT注12)推進グループを中心に取り組む」(千葉氏)。既に道庁内にIoTのプロジェクトチームを設けたほか、市町村と共同でオープンデータのポータルサイトを設置すべく、8月に試験運用を始めた。

注11)LPWA
Low Power Wide Areaの略。IoT向けの無線通信サービスの一種。
注12)IoT
Internet of Thingsの略。