LGWAN-ASPへの移行支援は困難

 LGWAN-ASPサービスに関するJ-LISへの要望としては、料金引き下げ、セキュリティと性能の担保、回線の高速化、サービスやプロトコルの拡大などが事前アンケートで挙がった。現行の個別システムから移行する際の支援サービスの提供を望む声もあった。

 伊駒氏は「サービス料金の引き下げは、利用団体が増えれば割り勘効果で可能性はある。セキュリティ対策は、LGWAN-ASPサービス提供者に対し確認作業などを積極的に行っていきたい。回線の高速化は、サービス提供者向けに100メガ、200メガ、300メガ、500メガ、1ギガとメニューをそろえている。サービスの拡大は、アンケートなどを通じて要望を探っていきたい。移行支援に関しては、経験がないのでノウハウがない状況だ」と回答した。

 最後に今後のクラウド化、共同化について意見を交換した。山梨県の横田氏は、「共同化のメリットは2つに大別できる。データのやり取りが楽になるなど付加価値が出るか、同じことをやる費用が下がるか。後者は考えやすいが、前者は意外と簡単ではない。手っ取り早いのは、グループウエアのようなデータ連係している小規模なシステムではないか」と持論を述べた。

横田 富雄氏
山梨県 総務部 情報政策課 情報システム専門監
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 島根県の山口氏は、サービスの細分化とAPI提供を訴えた。「市町村によっては、一部だけASPを使いたいとの要望がある。各システムの更改時にASPに切り替えられるように、ASPサービスの細分化をお願いしたい。データ連携の際にインタフェースを調整するのは手間なので、APIが必要だろう」と述べた。

山口 悟氏
島根県 地域振興部 情報政策課 CIO補佐官
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 京都府の原田氏は、共同化を進めるばかりでなく、仮想化に基づいたシングルテナント方式にもメリットがあると主張した。「府内の共同化は、仮想基盤上に市町村数と同数の仮想サーバーを立てて独立運用している。個人情報保護審議会などでマルチテナントを要求されるが、この方法なら経費はさほど増えないので、柔軟に考えてほしい」。また、各自治体の個人情報保護審議会の見解を全国で統一してほしいと訴えた。「団体によってポリシーの粒度が異なるので、共同化に関して全体計画を策定しても、1団体だけ通らずに計画が進まない事態もあり得る」(原田氏)と懸念を述べた。

原田 智氏
京都府 政策企画部 情報政策統括監