報告 共同調達では山場は3回やって来る
上杉 卓志氏
鳥取県 総務部 情報政策課長
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 鳥取県の上杉卓志情報政策課長は、他団体とのシステム共同化の経緯や知見を披露した。初めに岡山県・広島県と実施した団体内統合宛名システムの3県共同調達と、岡山県との自治体情報セキュリティクラウドの共同調達を取り上げた。前者は、知事同士の話し合いで2014年に合意。3県で共同調達協定を結んで共通仕様の検討・作成を行い、基本設計の共同調達を3県同時に発注した。以降の業者決定、設計構築、運用保守は、3県それぞれで契約。「当県は国の想定額の半分以下(約3200万円)で済んだ」(上杉氏)。

 16年に着手した岡山県とのセキュリティクラウドの共同調達も、知事同士の会談で決まった。「相互に訪問して、綿密な意見交換や仕様書検討を進めた。割り勘効果に加え、運用費の抑制策の知恵を出し合ったことが成果につながった」(上杉氏)。鳥取県だけで5年間の総額で最大7億6000万円(60%減)の削減を見込んでいる。

 県内市町村とのシステム共同化は、県が15年2月に全19市町村に声掛けをし、同年に共同化推進協議会を設立。「人口減少を踏まえた行政体制維持のため、行政の枠組みを超えて集結した」(上杉氏)。

 3年間で全市町村を7回ずつ訪問し、首長・副首長・部長クラスと話をした。16年4月に基本方針や役割分担を定めた連携協約を締結。17年4月には全市町村が事務業務を県に委託する契約を結び、「県の名義で契約事務などが可能になった」(上杉氏)。

 共同調達では山場が3回訪れると言う。「第1の山は共同化に参加するか否かで、一番高い山。負担額で参加を判断する団体が多いが、参加団体数で負担が変わるので、ぐるぐる回ることになりかねない」(上杉氏)。第2の山は仕様などの調達内容の決定、第3の山はトラブル対応など運用開始後のルール策定だが、だんだん低くなるという。市町村の納得を得るには、会議資料の作成力も重要と指摘した。