RPAやAIの活用は民間企業だけでなく、自治体にとっても重要なテーマだ。その現状や課題について、日経BP社が開催した会合「都道府県CIOフォーラム(2018年2月6~7日)」での講演や発言から明らかにする。同時に、市区町村の課題になっているマイナンバーカードの普及促進についても議論した。

 都道府県CIOフォーラムの春季会合初日の2018年2月6日午前に、独立したプログラムとして「政令市・中核市CIO分科会」を開催した。2017年8月の北海道に続いて2回目。参加したのは仙台市、東京都豊島区、同港区、同江東区、同武蔵野市、同町田市、千葉市、横浜市、神奈川県藤沢市、甲府市、名古屋市、岐阜市、大津市、大阪市、神戸市、兵庫県姫路市。前回の8団体から16団体に倍増した。

16団体が参加した政令市・中核市CIO分科会の様子
(写真:新関 雅士、以下同じ)
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自動交付機廃しコンビニ交付へ

 初めに、姫路市と港区が講演。姫路市総務局情報政策室の原秀樹情報政策担当課長補佐は、基礎自治体の大きな課題となっているマイナンバーカードの普及促進と利用促進について、取り組みを紹介した。

原 秀樹氏
兵庫県 姫路市 総務局 情報政策室 情報政策担当課長補佐
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 姫路市では、コンビニエンスストアでの証明書交付サービスに加えて、申請書の自動作成サービス、図書館の図書貸し出しサービスにマイナンバーカードを利用している。コンビニでのサービスは、2023年までの試算では「自動交付機とほぼ同じコストで、市内約200カ所のコンビニで住民票の写しや印鑑証明の発行が可能になる」(原氏)。以前運用していた交付機は2016年末に廃止した。

 マイナンバーカードによる図書の貸し出しサービスは、2016年11月に運用を始めた。「カードに標準搭載された公的個人認証の利用者証明用電子証明書を活用したもので、図書館利用者番号の書き込みが不要、カードの独自利用の条例が不要、図書館窓口での利用登録が可能などの特徴がある」と説明した。

区の官民データ活用計画を策定

 港区総務部の若杉健次情報政策課長は、区の情報化計画の見直しと、官民データ活用推進計画の策定について報告した。同区では2015~2020年度を期間とする「港区情報化計画」を策定済みだったが、環境や社会の変化を踏まえ2018~2020年度の3カ年計画として内容を追加・変更した。

若杉 健次氏
東京都 港区 総務部 情報政策課長
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 その一つが官民データおよびオープンデータの活用の推進である。「情報化の取り組みに関して4つの視点を定め、最初に行政・区民・民間・全国のICT先進自治体の4つの力と連携し、先進的なICTを活用した地域共生社会の実現をうたっている」(若杉氏)。そのための手段として、官民データ・オープンデータの活用を推進していく。具体的には、アイデアソンやアプリコンテストなどの実施を検討している。

 また、マイナンバーカードの電子証明書およびICチップ空き領域を活用して、マイナンバーカードを公共施設の利用者カードや商店街のポイントカードとしても利用できるようにする共通情報基盤「マイキープラットフォーム」の活用や、ペーパーレスシステムの導入などによる会議の効率化、セキュリティインシデントに即応するチームCSIRTの運用なども進めていくという。