写真満載。日本刀の魅力をすべて見せます。
最も強く、美しい武器、日本刀。その強さと美しさには合理的な理由があり、それを現実のものとするための匠の技がある。平安期にさかのぼる歴史、驚異的な機能の秘密を探り、当代随一の刀匠、河内國平氏によって開示された作刀の全貌を芸術家写真の第一人者である藤森武氏による貴重な画像とともに開示する。作刀プロセスに関しては、通常は「門外不出」として一般にはあまり見せない「土置き」や「焼入れ」の工程を含め、すべての工程を開示する。
目次−INDEX
- 第一話 この上なく強く、美しい武器
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- 1、今も伝説とともに
- 2、折れないのに曲がらない
- 3、刃文には意味がある
- 4、世界に比類なき存在
- 5、使う気にさせないのが名刀
- 6、作ることができる刀は月日本まで
- 7、名工を輩出した鎌倉時代
- 8、真田幸村が佩いた「妖刀村正」
- 9、戦うための武器からシンボルに
- 第ニ話 いまだに解明できない玉鋼の謎
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- 一、「正宗は見るたびに変わる」
- 二、砕き、見極め、選ぶ
- 三、鉄を鋼に変える
- 四、和鉄と洋鉄では雲泥の差
- 五、いまでも謎だらけの玉鋼
- 六、古式そのままに蘇った「たたら製鉄」
- 七、10トンの砂鉄から1トンの玉鋼
- 八、洋鉄とはまず成分が違う
- 九、理論値を超える硬さ
- 第三話 鉄は鍛え抜けば美に至る
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- 一、何万層にも折り重ねる
- 二、ひたすら熱し、叩く
- 三、柔らかい鉄を硬い鉄で包む
- 四、8キロを1キロまで鍛え上げる
- 五、人だから感じられること
- 第四話 秘伝よりも大切なこと
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- 一、土置きで刃文は決まる
- 二、結局、頼れるのは勘
- 三、無作為を作為的に表現する
- 四、真似てみても意味がない
- 五、クライマックスとしての焼入れ
- 六、水温は秘中の秘
- 七、「ちょっとしたこと」の重大さ
- 第五話 頂点の、その先にあるもの
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- 一、心酔に足る師であればこそ
- 二、入門願いを断られ
- 三、前日は緊張で眠れない
- 四、弟子に習字をさせるわけ
- 五、下手になるのは難しい
- 第六話 名刀と対峙し時代の壁に挑む
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- 一、1週間でやめる弟子も
- 二、「親方が下手なら弟子も下手」
- 三、現代だから許されないこと
- 四、技術だけでは到底作れない
- 五、できないし、意味もない
- 六、美術品ではなく武器としての刀
- 七、面白がって作るものではない
- 八、本筋を外して名刀は作れない
- [付録] 名刀50選
書籍情報
日本刀〜神が宿る武器〜
著者:服部夏生、仲森智博
写真:藤森 武、宮田昌彦
判型:B5判、184ページ
発売日:2015年6月30日
定価:本体1,667円+税
ISBN:978-4-8222-2545-2
発行:日経BP 社
発売:日経BPマーケティング

内容紹介−Gallery
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河内國平が製作した短刀。刃長二尺以下の日本刀には、脇差し、短刀がある。短刀は刃長一尺以下と最も小型の刀剣にあたり、女性の護身具、守り刀としても扱われる。(写真:宮田昌彦)
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「獅子造兵庫鎖太刀」。河内國平刀匠、平成3年製作。上野修路拵(こしらえ)。日本刀はその保護と装飾のために、柄や鞘、鍔と言った拵が作られる。贅を凝らされた拵は、日本の工芸文化のひとつの極みと言える壮麗さを持つ。(写真:宮田昌彦)
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(写真:宮田昌彦)
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河内國平作の大小刀と古原秀樹の蒔絵による拵。大小刀には禅語の「百花為誰開」の銘があり、それに呼応するように、拵には花寄せ文が蒔絵で描かれている。(写真:宮田昌彦)
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(写真:宮田昌彦)
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玉鋼の塊。(写真:宮田昌彦)
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(写真:宮田昌彦)
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(写真:宮田昌彦)
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(写真:宮田昌彦)
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伊勢神宮式年遷宮矛。(写真:宮田昌彦)
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(写真:宮田昌彦)
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(写真:宮田昌彦)
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(写真:宮田昌彦)
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鎌倉時代の古刀元重にみられる「映り」。(写真:宮田昌彦)
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河内國平の再現映り。(写真:宮田昌彦)