2019年 3月発刊

テクノロジー・ロードマップ 2019-2028 医療・健康・食農編

オンラインサービス体験できます!

「生活の質の向上」「社会的課題の解決」「ビジネス機会の拡大」
三つの視点で、今後10年の技術進化を予測する。

本レポートは、世界的な高齢化や食料需給の問題解決に向けた
医療、健康、食料・農業に関する80テーマについて分析を深めました。

IoT、クラウド、人工知能、ビッグデータなどの進化は、
医療・健康・食農の分野に大きな変化をもたらし続けています。
本レポートでは 「生活の質の向上」「社会的課題の解決」「ビジネス機会の拡大」という
三つの視点を設定、既得権益で守られた現状にとらわれない、
市場ニーズ・ベースで進化する今後10年の技術の変遷を予測しています。

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テクノロジー・
ロードマップ

まず未来の「市場ニーズ」を予測し、それを満たす「商品機能」を定義、さらにその機能を実現するための「技術」を提示するというアプローチで、技術の進化を予測します。

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《特別編集版》「テクノロジー・
ロードマップ」
の考え方と活用法

本レポートの考え方と活用法を解説しています。20ページ以上のボリュームがありますが、ご一読ください。「テクノロジー・ロードマップ」のコンセプトがご理解いただけると思います。

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テクノロジー・ロードマップ2019-2028 医療・健康・食農編の3つのメリット

  • 01
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    企画書
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短時間でわかる

1つの技術テーマに関して
「2ページのレポート」と「1枚のロードマップ」で
簡潔明瞭に今後10年の流れを予測します。

企画書作成に便利

付属のCD-ROMにはロードマップをPDFで収録しています。
また、オンラインサービスを利用すると、ロードマップや解説記事を
ボタン一つでパワーポイントにダウンロードできます。

幅広く網羅

ライフ・イノベーションを起こす80テーマを選定し、
技術の進化を予測します。

ライフ・イノベーション

「テクノロジー・ロードマップ2019-2028 医療・健康・食農編」目次

序章

総論:「テクノロジー・ロードマップ」の考え方と活用法
サマリー

第1章 健康

健康分野は、病気前の人が対象となることから潜在的な市場規模が大きく、規制の枠組みから外れることから、企業にとって魅力度が高い。また、IoT(Internet of Things)、ビッグデータなどICTの活用によって付加価値が高まることから、新たなビジネス展開も期待できる。高齢者の社会活躍を支える健康長寿、科学的な健康指標を把握する手段となる毛髪診断、口腔ケア、腸内デザインなど、健康で注目されるテーマを採り上げた。

1-1.生活の質の向上

個人の生活の質の向上に関わる健康分野の重要テーマを採り上げた。生活習慣病の自己管理、予防とそれに見合った保険料減免管理ができるウエラブル端末の開発が進む。低侵襲で効率的に機能回復を可能にするデジタル歯科医療、ロボット医療技術、再生医療が融合した医療技術の開発などが重要になる。

  • 予防医療

    <市場トレンド>
    医療費・社会保障費の確保。日本の医療費は年々増加、地域包括ケアの推進、予防医療、健康づくり分野の市場拡大。Society 5.0の到来、IoT/AIの活用、情報・知識の共有化、生体情報、健診結果、室内外の環境情報などデータの質、客観的評価手法。

    <商品トレンド>
    分野横断的連携による技術融合、異分野間連携によるエコシステム、IoTを活用した環境情報との組み合わせ、解析精度の向上。運動、食事、ストレス、睡眠などライフスタイルにフォーカスしたコンテンツや運動教室を含む教育事業の需要増。

    <技術トレンド>
    データ管理、個人情報保護法改正への対応、分散型PDSによるデータ管理、センサーの小型化、軽量化。バイタルサインの日常的計測、データ管理の開始、各種測定値から個別ニーズに合わせ、状態を可視化、医療サービスとの連携。

  • 見守り

    <市場トレンド>
    増加する社会保障費、独居高齢者、不足する介護者。見守りを必要とする高齢者増により日本の寝たきり、介護問題は深刻化。センサー、ネットワークの活用による機械見守り、緊急通報、安否確認、駆け付け、看取り、高齢者向けサービスの拡大。

    <商品トレンド>
    緊急時見守りへの需要増、緊急時連絡体制と24時間対応可能なコールセンターの整備拡充、本格的見守りサービスの実現。機器のコモディティー化、自宅、施設における見守りサービスの強化、センサーを組み合わせたエコシステムの統一化。

    <技術トレンド>
    ノンウエアラブルセンサーや心拍センサー、ウォッチ型センサーなど、個の要望に対応可能な見守りシステム。気象情報、生体情報など各種情報を統合・解析、客観的評価による状態の可視化およびリスク予測、個別適合型リコメンド提供。

  • 生活習慣病対策

    <市場トレンド>
    メタボリックシンドロームは超高齢社会におけるフレイルなどとも関わる重要病態である。遺伝子診断やウエアラブル技術の日常生活への落とし込みが普及する。

    <商品トレンド>
    個人や居住空間、職場など生活総体を対象にしたデバイス開発が広がる。医療-健康施設における情報管理システムの統一と個人へのフィードバックが重要。

    <技術トレンド>
    従来の体重、体脂肪、バイタルサイン以外のビタミンや各種生体関連因子の経皮測定技術の進歩が望まれる。IoB(Internet on Body)の発達による精密医療がさらに進展する。

  • サーカディアンリズム

    <市場トレンド>
    高齢化、24時間社会、介護、引きこもりなどがもたらす社会負担の増大をサーカディアンリズムの適正化が軽減。人工的環境下における世界的な食料増産の要請、時計遺伝子組み換え食品を大幅に増産する必要がある。

    <商品トレンド>
    サーカディアンリズムの位相を簡便に決定し、適正位相に修正するための機器が必要、小型化を進め家庭内で計測、治療を可能に。人工的環境下におけるサーカディアンリズム最適化、光環境、光周性の操作が必要に。遺伝子組み換え食品の一般化。

    <技術トレンド>
    携帯可能なサーカディアンリズム計測器、ウエアラブルな高照度光発生機器、体内時計正常化に十分な照度を達成できる屋内空間。光周性分子機構を用いた植物生育、魚類養殖、繁殖、光周性関連遺伝子改変動植物の開発と増産。

  • 健康長寿

    <市場トレンド>
    高齢者が、地域の社会的役割を分担し、存在感の高い高齢者が地域コミュニティの中心にいる社会創成が求められる。科学的研究と企業活動、行政施策が一体となる必要がある。

    <商品トレンド>
    生活習慣病の自己管理、予防とそれに見合った保険料減免管理ができるウエアラブル端末の開発を要する。一生涯にわたり、感動や期待感を持ち、生き甲斐を感じられる各年齢層向けの学習、観光商品などが望まれる。

    <技術トレンド>
    がん予防や早期発見により、医療費の高度救急疾患への集中的利用が可能になる。再生医療、抗体医薬、細胞治療による消耗性疾患の克服とウエアラブル端末による運動健康管理で、高齢者の社会活躍が可能になる。

  • 毛髪診断

    <市場トレンド>
    健康から疾患に至るヘルスケア全般のシームレスな分析手法の確立と、その取得データ利活用の促進。生活者における科学的検証結果に裏付けられた効果や効能があるヘルスケア関連製品に対する強い関心。

    <商品トレンド>
    非侵襲、非接触、無意識など、生活への自然な取り込みによる生体情報の取得・分析をする機能ニーズ。個人情報を意識的に必要な相手に対し提供することで情報が資産化していく。

    <技術トレンド>
    毛髪診断による、日常生活における美容、食事、健康データなどの科学的な健康指標が期待されている。毛髪診断による日常生活での疾患の発症前予測など、早期診断の実現が期待されている。

  • 口腔ケア

    <市場トレンド>
    高齢者、有病者の健康増進を目的に口腔ケアを軸とした健康管理システムの開発を官民一体で推進する。歯科領域において再生医療の普及化と関連機器の開発を産官学連携で推進する。

    <商品トレンド>
    IoTを応用した口腔ケア機器、マルチ機能を有するスマート歯ブラシ、口腔内細菌叢の解明が重要になる。低侵襲で効率的に機能回復を可能にするデジタル歯科医療、ロボット医療技術、再生医療が融合した医療技術の開発が重要になる。

    <技術トレンド>
    口腔内から全身の健康管理および疾患予測を可能にするスマート口腔ケアシステムの開発が見込まれる。咀嚼(そしゃく)機能を回復する再生医療を提供することで、口を介した健康増進の適応範囲拡大が期待される。

  • 腸内デザイン

    <市場トレンド>
    人口増加や高齢化の進展、食生活の変化などに起因し、各種疾患における患者数の大幅な増加が見込まれる。疾患を未然に防ぐ予防医療の推進や、急増する各種疾患の早期発見、診断技術、適切な治療法の確立が求められる。

    <商品トレンド>
    個々人の腸内環境情報に基づいた層別化の診断、予防/治療法を提供する商品/サービス。健康状態の評価やモニタリング、疾患の超早期診断や最適な改善・治療法の提案、治療薬の選択を行う機能が求められる。

    <技術トレンド>
    腸内細菌叢の可視化、腸内細菌叢の機能理解、腸内細菌叢の制御を行うための技術がそれぞれ求められる。生命科学と情報科学の両学問分野における技術を基盤とし、腸内環境制御のための最適化技術が求められる。

  • 見た目の科学

    <市場トレンド>
    皮膚、容貌、体型を見た目のアンチエイジングとして捉えることができる。見た目のアンチエイジングは、富裕層の定年後の市場としてますます伸びる。

    <商品トレンド>
    遺伝子関連のテストやウエアラブル、クラウドといったソリューション機器、AIを用いることで個別対応が可能となる商品。運動、食事、精神、環境のすべてが関連する。鏡やスピーカーなどを介した誘導システムが重要。

    <技術トレンド>
    スマーフォンなどでAIでのインタラクションが可能となった。個人のデータとビッグデータから出た予測への個別対応法を紹介することが可能となりつつある。

  • アンチエイジング/からだ年齢診断

    <市場トレンド>
    アンチエイジングの広告使用が制限され、科学的根拠の乏しい医療行為や機能性食品は市場からの退場が余儀なくされる。「老化の弱点と危険因子を見つけバランスを整えれば健康長寿を目指せる」ことへの科学的根拠を、からだ年齢診断で積み上げる。

    <商品トレンド>
    東京オリンピックを控えスポーツ関連製品の投入が活発化。食品、化粧品とのコラボレーションが盛んになる。「睡眠の質」の向上を目的とした機能性食品、寝具、調音壁材、調光照明、アロマ/香料、睡眠時無呼吸予防の製品開発が活発化する。

    <技術トレンド>
    からだ年齢診断システムは技術的問題を克服しつつ、国内では大学や地域医療に、国外では上海、モスクワ、スイスで広がりを見せる。糖化ストレスに関して血糖スパイクがアルデヒドスパークを惹起し組織障害に至る機序が判明、新規機能性成分開発に弾みがかかる。

  • 環境と体調変化

    <市場トレンド>
    気候変動が進み、食の資源に変化が生じる上に、難民の増加や労働力不足を補う目的の民族的国際間移動で消費ニーズが多様化。生活者個人の生活の質向上の欲求が高まり、ICT、AI技術で個別管理された新しい個別対応型サービスのビジネスが生まれる。

    <商品トレンド>
    クラウド型ビッグデータは個人の環境や生活特性に応じて多機能化されたデバイスにより収集され、個別に解析、管理される。個別ニーズ対応の生活サービス型ネット産業が消費の大部分をカバーし、ネット通販事業はその傘下に入るか衰退を余儀なくされる。

    <技術トレンド>
    気象/気候を含めた生活環境が個人の健康に及ぼす影響とその変化の状態を知ることにより、自分の健康を保つようになる。気象予報を基に、医師による医療データ、個人データ、体調データなどの変化に応じて食や運動の管理を自ら行うようになる。

  • 日常身体活動

    <市場トレンド>
    日常の身体活動量に着目した健康づくりが広まる。身体活動量を計測・集計する時代から評価する時代へ。健康志向の高まりにより市場が拡大、従来の中高年層のみならず、若年層市場も標的に。

    <商品トレンド>
    身体活動計はポケットイン・バッグイン型からスマートフォン・ウエアラブル型へ移行、通信手段と測定精度が課題。セルフメディケーションを可能にする身体活動評価機能に加え、生体情報や環境情報を統合したシステムが主流に。

    <技術トレンド>
    身体活動計の精度基準や精度を保証する製作基準(使用すべきアルゴリズムや精度を確認する試験基準)の設定。生体インプラント型身体活動計の開発に向けた倫理的課題の解決。

  • ITスポーツ

    <市場トレンド>
    2020年の東京オリンピックという一大イベントを控え、国もITスポーツ分野の産業育成を掲げている。高齢化社会による医療費増大、介護費増大を抑制するためにITスポーツのアセットの応用が期待されている。

    <商品トレンド>
    各種センシングデバイスの低価格化、高性能化、軽量化が進み、一つのデバイスで複数の測定項目を測定できるようになる。リカバリーレベル、睡眠の質、ストレスレベルなど、これまでは高精度でのセンシングが困難だった領域も測定できるように。

    <技術トレンド>
    データを正確、安価、低ストレスに測定し蓄積するための「入口」の技術としてのセンシング、動作解析、通信技術。蓄積されたデータを分析しフィードバック、リコメンドする「出口」の技術としてのデータサイエンス、AI、VR。

  • 健康寿命

    <市場トレンド>
    平均寿命の延伸による平均寿命と健康寿命の差(不健康な期間)の拡大リスクが高まり、それに対応する技術開発が活発化。コラボヘルスや健康をインセンティブにした保険など、現役世代を対象とした健康改善の早期対策に向けた取り組みの推進。

    <商品トレンド>
    セルフメディケーションを促すアプリが、ビッグデータ、パーソナルデータ、センサーデータとAIを活用して高度化。健康情報が生涯にわたって活用されることから、データの継続性や活用を想定したID管理やデータ管理方式が策定・普及。

    <技術トレンド>
    ヘルスケアを対象とした各種フレームワークによってアプリ開発コストが低減され、健康関連アプリやAI活用の開発が活発化。第5世代移動通信システム(5G)とエッジコンピューティングによって、映像・音声のリアルタイム処理の利用シーンが拡大。

  • 睡眠

    <市場トレンド>
    都市部の24時間化、情報過多による交感神経過緊張、高齢化に伴う睡眠障害、睡眠呼吸障害の相対的増加。ウエアラブル型センサー、非接触型センサーによる睡眠情報が生体情報、環境情報と統合され、集計、解析、介入される。

    <商品トレンド>
    睡眠障害、睡眠呼吸障害による過剰な眠気、集中力低下による、生活の質や仕事効率の低下、労働災害や交通事故の増加。睡眠情報、心身情報の把握から、自動改善を行う商品の研究開発が進む。

    <技術トレンド>
    低接触型から非接触型、無意識計測型センサーへの技術革新が進み、効率的な睡眠障害、睡眠呼吸障害の検診が可能になる。睡眠時のいびき音を感知するセンサーの開発や、睡眠呼吸障害の治療に用いられるCPAPの小型化、高性能化が進む。

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1-2.社会的課題の解決

高齢化に伴う労働人口の低下、労働効率の向上や健康状態の評価に対する需要が増加する。治療や薬の効果の最大化と個人や病体の状況による副作用を最小とする個別医療がトレンドとなる。多職種連携支援、遠隔介護の流れの中で医療と介護が融合し、予防から医療まで切れ目ないサービスの提供が図られる。

  • 精密医療

    <市場トレンド>
    治療や薬の効果の最大化と個人や病体の状況による副作用を最小とする個別医療がトレンドとなる。ピンポイント治療創薬、治療遺伝子検査や分子イメージングによる解析手法と作用機序の解明が精密医療のイノベーションを推進。

    <商品トレンド>
    疾患の早期検出・検知のための検査薬と治療方法、患者の負担を最小とし即効性のある治療方法や新薬が期待されている。遺伝子検査、免疫力検査、健康度を解析するQOLサービスや先制医療、予防医療としての健康度を上げるサービスが注目される。

    <技術トレンド>
    インターネットによる簡易血液検査、遺伝子検査、個人の臍帯/歯髄細胞などの保存と培養技術が進展。免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤など)、がん細胞への特異的結合抗体と破壊、がんや疾患の直接的治療へ。

  • 認知症対策

    <市場トレンド>
    世界で認知症の人は現在の4700万人から2025年には3倍と予測され、医療給付の拡大など具体的行動が要請される。日本では2060年には24兆2630億円の社会的コストに至ると予測されている。

    <商品トレンド>
    医学的対応とともに、認知症になりにくい生活習慣を推進するための予防プログラム事業を加速する必要がある。ICTの活用が期待され、徘徊防止、見守り、独居老人の会話支援をするインタフェース、ロボットの実用化が期待される。

    <技術トレンド>
    医学的な認知症治療への取り組みに加え、高血圧、糖尿病などの健康情報の管理、生活へのフィードバックが重要。個人の医療を横断的に管理するために欧州で取り組み始めているe-Healthは健康情報へも拡大することが期待される。

  • 疲労科学

    <市場トレンド>
    高齢化に伴う労働人口の低下、労働効率の向上や健康状態の評価に対する需要の増加。ヒューマンエラーによる重篤な事故など、リスクを評価する必要性が高まっている。

    <商品トレンド>
    ビッグデータの集積、データ解析の精度向上により、様々な環境に適した疲労解析システムが構築可能となる。測定機器のIoT化に伴い、どこでも低コストで利用することができる。

    <技術トレンド>
    侵襲性が低い測定に対する技術開発、測定精度の向上。ビッグデータを集積し、個人や環境に適した疲労評価システムの構築。

  • 医学を基礎とするまちづくり(MBT)

    <市場トレンド>
    高齢者医療費、介護費の増大、医療・介護・医師不足の深刻化、空き家の急増、自治体での医学を基礎とするまちづくりが進む。IoTインフラの整備、データサイエンティスト、ICT責任者の需要増、ヒューマン/まちデータの活用、共通プラットフォームの普及。

    <商品トレンド>
    専用ゲートウェイによるデータ管理、個別適合サービスの充実、異業種間連携による新たなツール、サービス、日本版CCRC。セキュリティー/保守、医療/予防、生活サポートによる総合的サービスの提供、警備サービスとの組み合わせ、自治体向けサービス。

    <技術トレンド>
    まち、施設へのIoTの取り込み、サービスのリアルタイム性、センサー、通信、クラウド、セキュリティー、暗号化技術、推論エンジンの進化。センサーの小型軽量・安価化、精度向上、エビデンスベースドヘルスケア、情報を統合解析するグリッドシステム、ナレッジモデルの進化。

  • 健康ステーション

    <市場トレンド>
    コンパクトシティによる中心市街地の活性化、人に便利でやさしい快適環境の提供、健康づくり、健康教室、コンビニや道の駅の活用。地域福祉の分業から公民協働、民民協働の地域福祉の実現、簡易健康測定、健康度の可視化、行動変容を促すサービス。

    <商品トレンド>
    予防から医療まで切れ目ないサービスの提供、システム構築、データ管理体制、IoT活用によるコネクテッドヘルスシステム。エリア情報を加味した健康と環境の大量データ分析による個別適合型健康サービス、健康状態の可視化、リスク予測。

    <技術トレンド>
    個人情報を含む情報の保護・管理、サポート体制、データの移行や機器との連動、計測機器の精度、信頼性・安全性の確保。科学的根拠に基づいたリコメンド、客観的評価手法の確立、人・まちデータの活用、情報の機密性、完全性、可用性の維持。

  • 介護IoT

    <市場トレンド>
    介護人材不足、高離職率が加速し、外国人介護職・高齢者介護職が増加し、2025年以降10人に1人以上がロボット。IoT、ロボット、AIへの需要が必然的に高まり、自立支援介護・科学的介護の開始により介護業務が半自動化。

    <商品トレンド>
    非侵襲センサー、多職種連携支援、遠隔介護の流れの中で医療と介護が融合。複数のセンサー、複数のICTシステムが連動し、それらのデータを統合してAIが意思決定を支援。

    <技術トレンド>
    非侵襲による測定技術が劇的に進歩し、血液検査の多くが不要になる。画像認識・自然言語解析から表情解析、脳波解析を経て、感情を理解する感性AIが認知症のケアにも対応。

  • 健康経営

    <市場トレンド>
    価値観の変化と就労者人口の減少による働き方改革圧力の増大、医療費増大と就労者人口の減少による医療費抑制ニーズの増大。医療費自己負担の引き上げ、予防医療の進展、都道府県の役割の増大、非公的保険制度の模索。

    <商品トレンド>
    従来存在していなかったデータの計測や個別に存在していたデータの統合。エビデンスベースの市場ニーズへの対応。

    <技術トレンド>
    データ獲得チャネルと活用チャネルの連携ニーズから高いセキュリティーが求められ、収集データを意味化するためのAIの活用。計測が生活者周辺にシフトするための技術、健康に投資視点が必要となるため、行動変容技術が求められる。

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1-3.ビジネス機会の拡大

センサー情報は、当初スマートフォン上で統合するが、やがてクラウド上で統合、分析、診断を行うサービスに発展する。各種医療情報と生体情報が連携し、予測・コーチングサービスが立ち上がる。個人の生体情報が健康スコアとして評価付けされ、保険、金融、雇用、教育で利用され、価値を持つようになる。

  • ウエアラブルヘルスケア

    <市場トレンド>
    24時間連続して健康関連のデータ取得が可能なことの価値が認められ、貼付型センサーが一般化する。個々のセンサー情報は、当初スマートフォン上で統合するが、やがてクラウド上で統合、分析、診断を行うサービスに発展する。

    <商品トレンド>
    「スマートフォンの延長」から「新世代の入力装置」へ進化し、行動のログと健康情報を照合して知見を得るようになる。電池寿命を競うのは2023年頃まで、その後は電池交換不要へ進む。衣類側にセンサーを貼るスマート衣料も登場する。

    <技術トレンド>
    センサーの能力拡大、貼り付け型デバイス、エナジーハーベスティングなどの研究開発が必要、分子標的型半導体は最重要。耐タンパ性、ウィルス耐性に力を入れる必要がある。データの捏造を防ぎ、利用者の安全確保に力が割かれる。

  • POCT(Point Of Care Testing)

    <市場トレンド>
    ICT対応型のPOCT機器市場が拡がりつつある。モバイルヘルス市場では年代層や購買層の健康観を反映した市場が拡大中。在宅医療2025年問題を解決するため、POCT市場がモバイルヘルスケア市場と融合、本格的なホームヘルスケア市場が創生。

    <商品トレンド>
    従来のPOCT機器の検査項目の充実、高感度化、複合化、小型化、迅速化、低コスト化、ユビキタス化に対応した高性能商品。軽薄短小、非侵襲・非接触計測、スマートフォン連携などICT利用によるモバイルヘルス関連の新商品。

    <技術トレンド>
    小型化、安価、迅速、高精度、高安定性、ICT機能などを搭載したバイオセンサー、マイクロ分析化学システム(μTAS)技術。高感度、高選択性、高安定性、低侵襲、非侵襲を特長とする生体センサーや生体分子センサーなどの新規生体センシング技術。

  • 非侵襲型生体センサー

    <市場トレンド>
    IoTやAIの発展とともに超高齢化社会、東京オリンピック、高度医療などの社会情勢が牽引役。非侵襲型生体センサーをウエアラブル医療機器として利用する形態が普及、2020年に日本の市場規模が約4倍(400億円)となる。

    <商品トレンド>
    高度な通信技術を搭載し、唾液、涙液、生体ガスといった化学/バイオ情報の計測が可能な非侵襲型生体センサーが成長。医療/福祉/健康の分野における医療ヘルスケア機器、活動支援システムへと発展する。

    <技術トレンド>
    MEMS技術にてデバイスの小型化、低コスト化、集積化を図りながら、身体の体腔に装着して体液成分を連続計測。身体部位に装着した各センサーとの高効率な通信に特化した生体を対象とする通信技術の開発が行われる。

  • スマートウエア

    <市場トレンド>
    社会保障費の増大が続く中、2025年には団塊の世代が後期高齢者へ。各種医療情報と生体情報が連携し、予測・コーチングサービスの立ち上げが進む。

    <商品トレンド>
    ウエアの進化、トランスミッタの超小型化で常時モニタリングの実現と、AIによる自動補正、測定の実現へ。多機能化による各種情報取得、各種予兆把握など医療機器分野への展開の加速。

    <技術トレンド>
    各アルゴリズムの開発とAIの連携による正確な解析とフィードバックが組み込まれていく。通信技術の向上により、ビッグデータ解析のリアルタイム化が実現。

  • スマートコンタクトレンズ

    <市場トレンド>
    個人の生体情報が健康スコアとして評価付けされ、保険、金融、雇用、教育で広く参照利用され、高い価値を持つ時代が訪れる。映像表示装置を搭載したARやMRのニーズに、眼鏡型では難しいサイズや重量、装着性の問題を解決する。

    <商品トレンド>
    目や涙から検知した生体情報、AI技術を用いた分析、アドバイザリーを提供するヘルスケアサービスが登場。ARやMRの常用に耐える、サイズや重量、装着性を解決した製品が求められる。

    <技術トレンド>
    スマートコンタクトレンズ のプラットフォームを標準化し、リファレンスを公開し、エコシステムを構築する。製造技術から派生したワイヤレス給電、異形実装、生体親和技術が他の生体デバイスへ活用されることが期待される。

  • 健康家電

    <市場トレンド>
    安心・安全、健康で豊かな消費者ニーズに加え、低価格家電への差異化志向が健康家電比率を増大させる。電子執事がAIスピーカーなどと共に形成され、健康家電とのサービス連携型市場が拡大する。

    <商品トレンド>
    先進国を中心にネット連携家電の拡大に連動し、Wi-FiやIoT通信機能を備えた商品比率が増大する。複数の商品とサービスをつなぐエコシステムが、健康医療関連サービス産業の新たなジャンルを形成。

    <技術トレンド>
    常時通信と軽量強固なセキュリティーがクラウド上のAI機能と組み合わされ、個人健康ビッグデータを支える。新たなセンシング技術による健康情報獲得と、生活を取り巻く環境の新たな改善作用機能が新ジャンルとなる。

  • 脳関連ビジネス

    <市場トレンド>
    高齢化に伴う認知症対策と、様々なストレスによるメンタルヘルス対策が世界的な課題である。脳機能を正確、客観的に測定すること、「脳の可塑性」を利用したブレインフィットネスでの利用が期待される。

    <商品トレンド>
    脳機能を測定するシステム、脳のトレーニングを行うシステム、脳の健康管理を行うシステムが普及する。ブレインフィットネスの市場が拡大する。

    <技術トレンド>
    ユーザーインタフェース、仮想現実(VR)、ビッグデータ解析、モデリング技術。PC/タブレット端末、ウエアラブル機器、センサーに加え、脳波測定機器や脳コンピュータ・インタフェースなど。

  • インシュアテック

    <市場トレンド>
    国内保険市場が将来大幅な成長が見込めない中、技術を活用した新しい価値提供や収益の拡大に各社取り組んでいる。技術進化の加速により、技術を有するスタートアップ企業による新たなビジネスが立ち上がってきている。

    <商品トレンド>
    AIやロボティクスによる保険業務の効率化、代替やプロセス改善による顧客の利便性向上。パーソナライズされた保険料設定に加え、個別化、高度化されたリスクマネジメントプログラムが提供される。

    <技術トレンド>
    センサー技術を通じてより高精度、高頻度にデータが収集され、ビッグデータやAIの活用範囲が広がる。遺伝子解析技術の進展により、個別化した医療が受けられると同時にそれに応じた保障の提供が求められる。

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第2章 医療

医療分野は、地域・組織を超えた情報共有や最先端科学を導入した機器開発など、様々な革新を生む新たなステージに移行する。これは多くの企業にビジネス機会をもたらし、開かれた産業に転換していくことを意味する。人工知能(AI)の医療分野への活用、個人データを統合し医療に生かす医療ビッグデータ、ヒトとモノを見える化しシステムと連携させるスマートホスピタルなど、多様な視点で医療で起こる革新的テーマをカバーした。

2-1.生活の質の向上

デバイス、バイオマーカー、遺伝情報などを応用し、発症自体を予防する先制医療が必要不可欠になる。人工眼、人工内耳、ハイテク義手/義足により人と機械の融合が促進され、人の能力を超えた機能も獲得可能となる。ゲノム医療の普及とともに新しい治療法の開発が進み、患者にとって有効な選択肢が増える。

  • 先制医療

    <市場トレンド>
    最先端のデバイス、バイオマーカー、遺伝情報などを応用し、発症自体を予防する先制医療という考え方が必要不可欠になる。日常の生活行動パターンを把握し、行動を改善することで病気を予防するビヘイビアヘルスに重点を置いた対策が最重要課題。

    <商品トレンド>
    誰もが簡単に使える生活習慣改善可能なデバイス。より精度が高く、正確で、低コストのバイオマーカー、ゲノム解析、画像診断。個人レベルでの先制医療、健康長寿の実現。医学的に信頼度、安全性が高い生体情報が高次元で一元的に統合されていく。

    <技術トレンド>
    環境情報と生体情報を統合解析する新しいサービスの出現。それらの情報に対する大幅なセキュリティー強化。医学的知見、センサー、AI、ビッグデータ関連技術の飛躍的進化、次世代のクラウド、スーパーコンピュータ開発。

  • 再生医療

    <市場トレンド>
    視覚、聴覚、手足の再生はロボット工学とAIの融合によるバイオニック製品が主流となる。内臓系疾患は安全性の高い細胞を用いた簡便な投与方法による再生医療が一般に普及する。

    <商品トレンド>
    人工眼、人工内耳、ハイテク義手/義足により人と機械の融合が促進され、人の能力を超えた機能も獲得可能となる。点滴で再生医療が可能なMuse細胞や保護療法として間葉系幹細胞、エクソゾームなど、安全性の高い製剤が普及する。

    <技術トレンド>
    ロボット工学、AI、微小蓄電池、無線電力送信など多様な技術の統合と規格化、画一化による低価格化が必要とされる。安全性の高い細胞製剤の製造コスト削減につながる開発や増殖促進技術などが必要とされる。

  • ゲノム編集

    <市場トレンド>
    急激な人口増加、地球温暖化に伴い、地球レベルで食料・エネルギー・医療問題が深刻に。生命の設計図である遺伝子を自由に書き換えるゲノム編集技術が食料・エネルギー・医療問題の解決策となる。

    <商品トレンド>
    食料不足を補うため、高栄養価かつ高収量のゲノム編集生物の市場投入。ゲノム編集治療法の開発により、がんや遺伝病の新規治療法の登場が予想される。

    <技術トレンド>
    予期せぬ突然変異を生じさせない技術改良と、変異が生じたとしても影響のない基準を設ける必要がある。科学的根拠を示し、開発者と消費者 双方のコミュニケーションの強化が求められる。

  • がん医療

    <市場トレンド>
    人口減少、超高齢化社会に突入し拡大する医療費に対し、高額な革新的治療の費用のバランスを取ることが難しくなっている。分子標的薬や免疫療法の開発が急速に進み、標準治療の改善が進む一方で、特定のがん種は生存率が低いままである。

    <商品トレンド>
    ゲノム医療の普及が始まり、新しい治療法の開発が急速に進んでいるため、将来的に患者にとっては有効な選択肢が増える。患者起点で収集した情報をAI/機械学習で分析することによって治療効果やQOLを向上させる動きが加速する。

    <技術トレンド>
    リキッドバイオプシーマーカーや新規の技術を活用したがん発症リスク評価やがんの予防、早期発見の応用が進む。ゲノム医療の成功のカギは、臨床で活用できる解析プラットフォームと情報通信、セキュリティー技術の確立と普及である。

  • リハビリテーション

    <市場トレンド>
    寝たきりや認知症に関わるリハビリテーションの需要が高まり、その人材が不足する。2025年には地域包括ケアシステムが導入される。リハビリテーションと新規治療薬、再生医療、ゲノム編集の併用は、単独の治療に比べて障がい者の機能回復をさらに促進する。

    <商品トレンド>
    ロボットリハビリテーションの保険適用疾患が増える。ロボット介護が普及し、介護従事者の身体的負担が軽減する。再生医療やゲノム編集の臨床応用が始まり、これらの領域における新たなリハビリテーションが開発される。

    <技術トレンド>
    リハビリテーションロボット、介護支援ロボット、自立支援ロボットにはAIが搭載され、その安全基準が策定される。再生医療やゲノム編集におけるリハビリテーションの治療指針が決定する。

  • 生体適合性材料

    <市場トレンド>
    超高齢社会、運動器疾患急増、健康寿命延伸による整形外科手術件数の増加、東洋、日本人骨格への対応。再生医学分野での活用、幹細胞、増殖因子、分化誘導因子との組み合わせ、細胞成長を促す足場、担体としての活用。

    <商品トレンド>
    製造技術、加工技術に関する研究が増え、早期上市を目指した機械的特性、固定性、操作性、生体親和性改善商品が増加。メンブレン、ファイバー、スポンジなど目的別商品展開、評価方法の確立、普及に向けた設計・製造方法の低コスト化。

    <技術トレンド>
    目的別生体適合性、薬物徐放性、生分解性、接着性、生物学的特性、物理学的特性、科学的特性。圧縮、弾性、剛性、耐摩耗性の改善、表面改質技術の向上、物理的、化学的処理に関する技術ノウハウの蓄積。

  • ロボットスーツ

    <市場トレンド>
    自立支援、独居支援、就労支援がロボットスーツに期待される。2029年頃に国内で60億円規模、世界では2.3億米ドル規模の市場が見込まれ、魅力的な製品による市場拡大の可能性もある。

    <商品トレンド>
    身体運動補助、移動補助、活動補助などの機能が期待されている。将来的には認知機能補助が期待される。リハビリテーション支援、見守り支援、作業支援などの分野での商品展開が期待されている。

    <技術トレンド>
    装着感や着心地を高めるため、伸縮性や薄さを持った部材の開発が求められる。電源やアクチュエータの小型化、マルチセンサー処理やビッグデータ活用、意図・状況理解のための制御が期待されている。

  • 人工網膜

    <市場トレンド>
    人口高齢化に伴い緑内障や加齢黄斑変性による中途失明者が増加する。生活の質(QOL)を維持するための視覚の質(QOV)が注目される。

    <商品トレンド>
    既存の伝導電流出力の人工網膜から変位電流出力の人工網膜へ(感度と解像度の向上)。視神経変性疾患(緑内障など)に対する人工神経の開発。

    <技術トレンド>
    AIによる光電変換色素分子のスクリーニングや生体内安定設計が進展する。炭素繊維などの導電性ポリマーや通水性絶縁体薄膜などの新規材料開発が進む。

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2-2.社会的課題の解決

ビッグデータを処理することで、従来の医学的な視点では因果関係を確認できない分野にも診断のアプローチの可能性が出て来た。AIによる解析がコモディティ化し、個人レベルにおける活用へと進む。AI技術を利用した創薬・診療プラットフォームや健康・未病判定システムの開発が期待される。

  • AIと医療

    <市場トレンド>
    AI活用推進懇談会ではゲノム医療、画像診断支援、診断・治療支援、医薬品開発、介護・認知症、手術支援が注力分野に。AI開発に当たっては、意味のある分析のためにAI用データ収集基盤をどう設計するかが重要となる。

    <商品トレンド>
    米国の規制当局からは糖尿病性網膜症の診断をするAIが認可され、従来の診断補助から一歩前進。ビッグデータを処理することで、従来の医学的な視点では因果関係を確認できない分野にも診断のアプローチの可能性。

    <技術トレンド>
    AIは今第3次ブームを迎えており、機械学習、ディープラーニングが急速に発展。Grand-ChallengeなどのAI研究者が技術力を競い合うコンテストで最新の技術レベルを確認。

  • 医療ビッグデータ

    <市場トレンド>
    散在するデータを統合、地域医療介護連携システムなどからデータ出力が増し、医療ビッグデータの対象が拡大する。AIによる解析がコモディティー化し、医療・研究機関のみならず個人レベルにおける活用へと進む。

    <商品トレンド>
    医療介護連携を進めるためにコストパフォ—マンスを改善した電子カルテ、地域医療連携システム、PHRが重要に。診療データ、個人ライフログ、環境、ゲノム情報など個人を中心にしたデータ統合へ向かい、管理・運営サービスが躍進。

    <技術トレンド>
    データ統合、匿名化技術、データ分散、クラウド、ネットワーク、解析技術などの技術革新と整備が必要に。生体情報認証によるフェノタイピングとリアルタイム解析技術が発展し、医療関係者と患者の情報格差を軽減する技術へ。

  • スマートホスピタル

    <市場トレンド>
    医療費の削減や担い手の不足により病院機能の分散化が進む。地域医療における役割の明確化と院内業務の標準化が重視。ヒトとモノの見える化がスマートホスピタルを核として地域で展開され、健康情報の利用が広がり、新しいマーケットを作る。

    <商品トレンド>
    AIやRPAの導入には業務フローの標準化が必要、他システムとの連携可能性と併せて今後の基幹システムにおいて活用される。医療情報関連システムはクラウドに移行する流れである。法制度の整備と併せ働き方の変化に与える影響にも注目する必要がある。

    <技術トレンド>
    コア技術の開発速度が増し、ニーズに対するアプローチは多様化する。医療現場の知識を持ち技術に明るい人材の育成が望まれる。ロボティクスや小型医療デバイスを利用しながら、生産性を低下させず将来の疾病リスクに対応する技術開発が必要に。

  • がん早期診断

    <市場トレンド>
    手術可能な段階でのがん診断は、がん患者の生命予後向上に劇的に貢献する。血液など低侵襲で採取可能な体液を用いた分子学的診断(リキッドバイオプシー)の躍進が期待される。

    <商品トレンド>
    開発標的は、体液中の細胞検出、タンパク質検出、核酸(DNA、RNA)検出、揮発性有機化合物などの技術に大別される。血中DNAによる高い精度のがん診断技術の実用化が進んでおり、次世代の標的としてエクソソームも注目される。

    <技術トレンド>
    従来の網羅的解析手法(マイクロアレイ、次世代シーケンサー、プロテオミクスなど)や定量的PCR法が主な技術基盤となる。エクソソーム分離・精製技術の標準化が期待され、ソフトウエア面では機械学習の活用が期待される。

  • スマート治療室

    <市場トレンド>
    IoTが医学に社会実装され手術室/治療室がスマート化、各機器がネットワークで接続される。標準化、オープン化した患者情報により医療がスマート化、最適化された個別医療が行われる。

    <商品トレンド>
    外科医の新しい目(術中画像、センシング)、新しい脳(統合解析ソフト、3D表示や仮想現実)、新しい手(誘導や治療ロボット)が展開。パッケージ化された全機器をネットワークに接続したスマート治療室が実用化、新規治療機器で診断即治療を行うシステムが販売。

    <技術トレンド>
    生体信号を可視化・情報化する技術、位置計測技術、直感的な表示技術が求められ、セキュアなネットワークの国際標準化が進む。ビッグデータを解析する統計や機械学習が進化し、治療を計画・実行し、病変誘導するロボット技術を持つ超低侵襲治療機器が開発。

  • プライマリケアシフト

    <市場トレンド>
    人口構造、疾患環境により慢性疾患医療へシフト、政策変更(予防重視、自己負担増加)と健康観の変化による予防医療へシフト。地域医療構想、地域包括ケアシステムの構築の進捗、医療現場にプライマリケアシフトを引き起こす。プライマリケアのチェーン化も。

    <商品トレンド>
    プライマリケアの経営支援サービス、患者の医療・健康データを統合管理するツールの活用。患者生活圏でヘルスケアサービスを提供する事業者が登場、チェーンオペレーションを支援する商品/サービスが生まれる。

    <技術トレンド>
    ウエアラブルによる健康データの見える化とAI/ディープラーニングにより、診断の決定権が患者サイドへ。医療情報に関するセキュリティー技術のニーズが高まる。

  • 介護ロボット

    <市場トレンド>
    団塊の世代が後期高齢者になる2022〜2025年が介護ロボットのニーズのピーク。その後の労働力不足をロボットが補う。欧州では介護の質の維持、中国では1人っ子政策による急速な高齢化に対処するため、介護ロボットが導入される。

    <商品トレンド>
    介護現場で最初にロボットが用いられるのは極めて強いニーズがある場合か、導入の際の心理的、コスト的ハードルが低いもの。「介護は人が行うもの」との固定観念が強い。介護者を主役に本人の自立を捉すことで介護の在り方を変えるきっかけとなる。

    <技術トレンド>
    コストと安全性の要求が厳しい。人や環境、機能を絞り込んでシンプルにするのが効果的。効果や安全性を確認するための実証試験や安全試験が開発のノウハウとなり、模倣された際の競争力の源泉となる。

  • 在宅医療

    <市場トレンド>
    在宅医療が療養病床削減と看取り場所を補填、地域包括ケアシステムの要として官民一体となって推進。医療と介護サービスはより一体となり、地域資源を活用した「まちづくり」とともに進められる。

    <商品トレンド>
    軽量でポータブルな検査機器/治療機器のニーズが拡大する。限られた医療資源の最適化のため「薬とケアの最適化」「多職種協働」が求められる。

    <技術トレンド>
    認知症者や独居高齢者の安全な生活のため、IoTを用いた見守りサービスが行政と連携して活用されていく。AI技術は「診断支援」「薬剤選択」「介護ロボット」などへ活用されることが期待される。

  • 遠隔医療/オンライン診療

    <市場トレンド>
    規制緩和の大きな流れにより、オンライン診療料などの診療報酬が新設され、遠隔医療の推進力となる。重度疾患を対象に、D to PとD to Dの2形態の遠隔医療を対象に付加価値の高いプロセス診療が発展する。

    <商品トレンド>
    ICT基盤として、オンライン診療の単体クラウドから、電子カルテ、PHR、IoTの機能統合や地域連携により、D to P、D to Dが進化。デバイス治療機器、治療アプリ、在宅向け高度検査機器が発展して、遠隔医療によるプロセス診療が進歩する。

    <技術トレンド>
    慢性疾患管理指導のソフトウエア、各診療現場で高度診断を可能にするAIの開発が進む。情報処理の仮想化技術が、高度にセキュアで多施設を連携できる遠隔医療のICT基盤を実現する。

  • 医療情報連携

    <市場トレンド>
    次世代医療基盤法の施行により医療情報活用の道筋が見え、地域医療連携や医療データ活用のための基盤整備が急務。IT化の推進とクラウド活用により、医療情報連携が加速。業務効率化から医療の質向上、医療費削減へと役割の拡大に期待。

    <商品トレンド>
    IT/クラウド活用により進化した連携ネットワークが生まれ、林立した既存ネットワークの活性化・統合の契機となる。在宅医療が有効に機能するため、診療所向け電子カルテ、オンライン診療、電子処方箋から薬の宅配、モニタリングが進化する。

    <技術トレンド>
    医療ITを誰でも使える身近なものにするために、今の運用をできるだけ変えずに利用できる技術の活用が求められる。医療等IDによる情報統合により、医療情報連携を行いやすくするためのデータ標準化や連携フォーマットの統一が進む。

  • AI創薬

    <市場トレンド>
    オンデマンド創薬、ベッドサイド創薬 やセルフケア、セルフメディケーションへの展開が期待される。計測技術、パーソナルシミュレーション技術の進展により、パーソナルAI創薬・診療といった方向性が期待される。

    <商品トレンド>
    健康、創薬、医療分野のビッグデータ技術、AI技術の導入により、創薬の自動化、多様化、加速化が進展する。AI技術を利用した創薬・診療プラットフォームや健康・未病判定システムの開発が期待される。

    <技術トレンド>
    計測技術、ビッグデータ化技術、AI技術の高度化、汎用化が進む。健康、創薬、医療関連データのビッグデータ化と計算・情報インフラの整備が進む。

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2-3.ビジネス機会の拡大

医療のサービス産業化、高齢化対応、個別医療、メディカルツーリズム、非侵襲計測が進む。AIの利用やクラウドとの連携を前提とした画像診断サービスが商品トレンドになる。データ(駆動型)ヘルス、精密医療(個別化医療)、ラーニングヘルスケアシステム、患者参加型医療の実現に向かう。

  • 先進医療機器

    <市場トレンド>
    在宅医療、オンライン診療の拡充、医療者の高齢化、人手不足が看過できない課題に。先進医療機器は国の成長期待分野に。医療のサービス産業化、高齢化対応、個別医療、メディカルツーリズム、非侵襲計測がキーワード。

    <商品トレンド>
    在宅医療機器、リモートメンテナンスの展開、血圧、血糖の連続モニタリングが登場。カテーテル治療、能動埋込治療機器が進展。AI応用製品は期待先行、画像診断支援などB to Bサービスから浸透、データクレンジング、信頼性担保サービスも考えられる。

    <技術トレンド>
    デバイス技術、GDPRの先のパーソナルデータストア、ブロックチェーン技術の応用、医療ログデータ収集技術などの発達に期待。治療機器の進歩、特に能動埋込治療機器には評価期間の短縮につながるin silico、in vitro技術に期待。

  • 画像診断

    <市場トレンド>
    超高齢化に伴う画像診断機器への需要の高まりと画像診断装置におけるAI技術の急速な普及。ルーチンワークをこなすことのできるAIを搭載した画像診断装置が一般的となる。

    <商品トレンド>
    AIを搭載した画像診断機器が商品トレンドとなる。モノとしての画像診断機器ではなく、AIの利用やクラウドとの連携を前提とした画像診断サービスが商品トレンドになる。

    <技術トレンド>
    AIによる画像診断を行うための種々の技術開発が行われる。個の病態を画像から自動的に診断するための画像認識技術が盛んに開発されるようになる。

  • 内視鏡

    <市場トレンド>
    世界市場は年率6%で成長、単回使用機器の再製造制度では回収流通網が必要、保険ではロボット支援内視鏡手術の適用が拡大。4K内視鏡への買い替えはこれから。内視鏡処置の普及が進む。在宅医療の拡大に伴う院外での内視鏡の利用ニーズが拡大。

    <商品トレンド>
    8K内視鏡の市販が開始、蛍光強調、狭帯域・近赤外画像に対応するシステム、院外使用に適するポータブル内視鏡、LED光源。軟性鏡の洗浄装置と洗剤に注目が集まる。手術ロボットシステムは「da Vinci」競合シスムの発表が続く。

    <技術トレンド>
    4K/8K内視鏡は技術が出揃いつつあり、低価格化、小型化、放熱対策、ネットワーク伝送技術が待たれる。内視鏡映像へのAI応用が急速に発達、実時間処理技術、データベース構築がカギ。基盤技術として撮像素子が小型化、高画質化へ。

  • 手術支援ロボット

    <市場トレンド>
    少子高齢化の中での社会維持には健康寿命の延伸、医療従事者の環境改善、医療費の抑制と成長戦略が不可欠。先進医療機器を用いた患者・医療従事者の健康寿命延伸、安心・安全な医療の実現、世界市場での治療機器シェア拡大の必要性。

    <商品トレンド>
    マスタースレーブ式内視鏡下手術ロボットを中核に高機能ロボットと廉価ロボットに二極化、知的な自動処理も一部に導入。パワーアシストスーツや看護業務支援ロボットなど医療従事者の負担軽減、省力化が第2の矢となる。

    <技術トレンド>
    マスタースレーブ機能は成熟、法規制対応と情報処理技術を応用した知的機能が不可欠、AI技術の得意分野の見極めが重要。手術室、生体内で稼働するアクチュエータやセンサー、手術情報通信プロトコルの整備、医療情報のAI処理が求められる。

  • がん治療薬

    <市場トレンド>
    悪性腫瘍(がん)治療薬に対する医療ニーズは高い。新しいカテゴリーの薬剤の分子標的薬が台頭し、売上高10億米ドル以上の大型品目は18品を数えるまでに拡大した。

    <商品トレンド>
    免疫チェックポイント阻害薬との併用療法の効果に期待が集まる。新しい治療法として、キメラ抗原受容体T細胞(CART)療法やウイルス製剤が注目される。

    <技術トレンド>
    「がんの早期発見するための診断法」「免疫療法の強化」「ビッグデータ連動のAIシステムの開発」が資源を集中させるべき3分野。抗体医薬品に匹敵する低分子化合物(含特殊ペプチド)の開発は医療経済的に有用な創薬手法である。

  • バイオ医薬品

    <市場トレンド>
    バイオ医薬品は、年間売り上げ10億米ドル超である「ブロックバスター」の総計の47.5%を占めるまでに成長した。バイオ医薬品の中で存在感を示している抗体医薬品であるが、次世代の抗体の研究開発が活発化している。

    <商品トレンド>
    核酸医薬品においても脊髄性筋萎縮症治療薬が上市され、新しいモダリティーとして注目されている。新たに開発された薬物送達システム(DDS)によって、より有用なバイオ医薬品が誕生することになる。

    <技術トレンド>
    バイオ医薬品には、注射剤以外の投与方法や組織移行性を改善する技術が求められている。医療経済学の観点から、バイオ医薬品を安価に製造する方法論の確立が重要な課題となっている。

  • DNAチップ/シーケンサー

    <市場トレンド>
    研究用途から医療・健康、産業用途へ、クラウド化とAIを利用した全自動解析システムが実現、2025年以降、家電化し一般に普及。全世界の人が利用。情報サービスの発展とともにグローバル化。試薬や装置、ソフトウエア、検査工程などのISO化が進む。

    <商品トレンド>
    検体採取から測定までの全工程の自動化によりデータが安定化、迅速かつ安価な検査が可能に。ワンコイン遺伝子解析が始まる。超並列型シーケンサーの登場、装置開発や情報解析技術の進歩により、ウエアラブル端末と連動したPOCT用装置が出現。

    <技術トレンド>
    酵素、検出装置などの改良によりさらに精度が向上し、一分子解析技術が発展するとともに絶対量測定が可能に。リアルタイム解析技術が発展。非侵襲型/非接触型の装置開発により、全く別のメカニズムによる遺伝子解析が可能に。

  • 国際医療受診

    <市場トレンド>
    人口増や高齢化の進展、上位中間層の増加などを背景に、先進諸国だけではなくアジア新興国においても市場が拡大。国内では訪日外国人観光客の医療対応に関する関心が高まり、その体制整備に向けた動きが政府主導でしばらく続く。

    <商品トレンド>
    国際医療受診の一連の流れ全体において「高品質性」「安全性」「ケアの継続性」「利便性」が確保されていることが不可欠。国内においては国際医療受診だけではなく、訪日外国人観光客の医療対応に関連するサービスや商品が次々と登場。

    <技術トレンド>
    国境を越えた診療情報ネットワーク技術や遠隔医療システム、安全管理技術とその規制の国際標準化の必要性。国際医療受診を支える医療通訳士の質の確保や海外の医療文化や医療習慣に関する教育プログラムと研修の実施。

  • 医療情報システム/医療ソフトウエア

    <市場トレンド>
    データ(駆動型)ヘルス、精密医療(個別化医療)、ラーニングヘルスケアシステム、患者参加型医療の実現に向かう。医療情報システムの普及に伴い、コモディティー製品と機械学習など新技術を導入した高付加価値・多機能製品に二極化する。

    <商品トレンド>
    クラウドを基盤とする製品やモバイルアプリ製品が一定のシェアを占める。国内・国際の標準規格を採用した製品が展開される。

    <技術トレンド>
    機械学習/AIの基礎技術開発が加速し、医療にも展開される。医療情報システムはAIにより医学知識を生成し、ロボットと共に診療を支援する。

  • 薬局マネジメント

    <市場トレンド>
    高齢者の増加、新規薬剤の開発・普及、地域包括ケアシステムの実現の下、薬局/薬剤師の果たすべき役割が変わる。患者に薬を渡す対物業務から、飲んだ後までをフォローし医師にフィードバックする対人業務へのパラダイムシフトが起こる。

    <商品トレンド>
    医師の処方に基づいて、いかに早く、正しく調剤し、分かりやすい説明とともに渡すという業務の重要性が低下する。チーム医療の一員として患者の状態を薬学的に把握し、医師と協働して薬物治療の質的向上を図る業務の重要性が増大する。

    <技術トレンド>
    薬剤師が患者の状態を把握・考察し、医師にフィードバックするという業務を、AIを活用してサポートするシステム作りが必要。急増が予想される在宅患者の服薬支援を、効率的・効果的に行うための遠隔モニタリングや服薬指導システムが必要。

  • 医療・介護人材教育

    <市場トレンド>
    人口減少と高齢化社会の進行に伴い、医療・介護領域における人材需要は引き続き高い。技術の変革(IoT、ロボット、AI、VRなど)が学修・研修環境を変え、人材教育・確保を支援。

    <商品トレンド>
    医療・介護領域における学修・研修システム・コンテンツに、IoT、ロボット、AI、VRを活用。新技術の活用・連携による、利用者に合わせたテーラーメイド型の学修・研修手法の展開。

    <技術トレンド>
    個別技術のさらなる進化と、連携強化技術の充実化。技術開発において、技術要素以外も含め全体をコーディネイトする人材の必要性。

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第3章 食料・農業

食料・農業分野は、食生活や健康への影響など人々の日常に密接に関係するだけでなく、食料の需給やグローバル化、農業の競争力強化など国家間の問題に関わるものまで多岐にわたる。健康やおいしさを個人に合わせた個別化食や、企業の経営活動に大きな影響をもたらす環境農業、持続可能な経済成長戦略の一つであるバイオエコノミー、消費者ニーズに基づく農業・農村のサービス化など、食料と農業の将来像を示した。

3-1.生活の質の向上

健康価値訴求の食市場は「おいしさ」を共通に「栄養」「天然」「機能」の3方向でニーズが高まる。高齢者向けの高付加価値で少容量の栄養成分濃縮型加工食品市場が大きく伸長する。健康診断で簡単に個人の遺伝情報を知ることができ、遺伝子多型や消化吸収特性を考慮したオーダーメイド食品が登場する。

  • 高齢化と食

    <市場トレンド>
    2006年をピークに人口減少が続く中、高齢者と要介護者人口は増え続け、医療・介護用食品市場は拡大する。食に対して年代が上がるほど強まるニーズが安全、健康、簡便。今後の高齢者向けの食はこの3方向で拡大する。

    <商品トレンド>
    食の基本ニーズは高齢者においてもおいしさである。今後は安全、健康、簡便の付加価値をクロスさせた商品が増加する。高齢者向けの健康機能では、ロコモ対策商品、生活習慣病予防・改善商品、ダイエット・スポーツ商品、睡眠改善商品市場が拡大。

    <技術トレンド>
    食産業を構成する「農林水産業」「食品加工業」「流通業」「飲食業」の4分野はすべて技術により大きく進化する。医療・介護用食品市場の拡大を支える技術として、加熱水蒸気、遠心分離加工、過冷却促進素材による冷凍保存が進化する。

  • 健康/運動と食

    <市場トレンド>
    食産業全体では微減だが、健康価値訴求の食市場は「おいしさ」を共通に「栄養」「天然」「機能」の3方向でニーズが高まる。インバウンド需要は、日本製食品が安心・安全であるとの信頼とカプセル技術などの先進イメージでアジア人を中心に拡大する。

    <商品トレンド>
    ダイエットニーズに対応した商品/サービスは、生活習慣病改善の「減量」とスポーツジムニーズの中心の「痩身」で伸長する。疾病予防のための健康食品商品は、低カロリー、低糖質、低脂肪、低塩分、消化・吸収抑制効果のある素材との複合商品が拡大。

    <技術トレンド>
    水分・水分活性制御技術や非加熱殺菌技術の進化、ナノ粉砕やマイクロカプセル化技術により、おいしさが向上。光触媒害虫駆除技術、光センサーによる栄養素測定、LED照明の色の組み合わせ技術により機能性野菜・果物が市場に定着。

  • 加工食品

    <市場トレンド>
    働き方改革や副業可能となる中、有職主婦が増加し、簡便型加工食品の栄養・機能価値が重要になってくる。高齢者向けの高付加価値で少容量の栄養成分濃縮型加工食品市場が大きく伸長する。

    <商品トレンド>
    健康・栄養価値の相乗効果を備える組み合わせ型の加工食品や利便型調理器とのコラボ商品が続伸する。出来立て感、新鮮価値が求められ商品価格は拡販傾向となる。味以上に香りや物性・食感の重要性に応える市場規模が拡大。

    <技術トレンド>
    栄養・健康価値や簡便性の高機能価値を保持する技術とともに多品種を小容量で包装する生産技術。高齢者用のえんげ対応食の物性改良技術、高濃度の栄養機能価値の保持や新鮮香の保持技術が競争優位の源泉となる。

  • 機能性食品

    <市場トレンド>
    機能性食品が乱立し、消費者による淘汰が始まる。天然成分で実感できる機能性食品が残り、食べ合わせや摂取時間も重要視。健康診断で簡単に個人の遺伝情報を知ることができ、遺伝子多型や消化吸収特性を考慮したオーダーメイド食品の先駆けになる。

    <商品トレンド>
    フレイルや抗加齢、生活習慣病対策の医薬品が開発される。その効果を継続維持するための効果サポート機能性食品が注目。細胞修復や遺伝子修復効果を持つ機能性食品の登場が望まれる。抗アレルギーや抗ウイルス効果を示す機能性食品にも注目。

    <技術トレンド>
    バイオマーカーとメタボロームの組み合わせ技術と食品成分の瞬間分析技術により、体成分の経時変化のリアルタイム測定が可能に。非侵襲センサーパッチ技術により体内成分のリアルタイム測定が可能に。腸管刺激による機能性成分神経シグナル伝達説が証明。

  • 個別化食

    <市場トレンド>
    社会や環境の変化、個人の身体や意識の変化によって、健康やおいしさを個人に合わせたテーラーメイド化が進展する。自分の遺伝子型と疾病のリスクの解明、個別化機能性食品の開発、食による自己実現などがテーラーメイド食品開発を後押し。

    <商品トレンド>
    個人のデータを知るための検査サービスとビッグデータやAIの活用商品。より狭いグループ向け、最終的に個人向けの食が、食品工業レベルから発展し最終的には家庭で調理できるレベルになる。

    <技術トレンド>
    個別化にまず必要な「自分を知る」検査技術が、簡便化し普及することでデータが蓄積し、そこから新たなサービスが生まれる。個人に合わせた食品の欲求の高まりとともに、個別化食を作る3Dフードプリンターのような調理器具の技術開発が進む。

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3-2.社会的課題の解決

気候変動への適応策としてフェイクフードや培養肉が普及し、文化や宗教の壁を越える「ミートレス社会」が浸透する。気候変動は食文化へも大きな影響をもたらしており、産地地図の塗り替えや大衆魚の高級魚への転換が始まる。世界的な食料不足を見据え、食品ロスに対する消費者の意識が高まる。

  • 食品トレーサビリティー

    <市場トレンド>
    事業者、自治体、消費者、国家、地方公共団体が一体となった取り組みが始まる。食肉、米以外の対象商品が拡大。米国ではブロックチェーンを活用した動きが出始める。

    <商品トレンド>
    消費者が自身の判断にて意識的に流通履歴を確認するスタイルから、通知を受けるスタイルへ変化。流通事業者の取り組みに対する監査機能の高度化。

    <技術トレンド>
    公的機関向けクラウドサービスの日本導入、通信技術の高度化。個別識別技術のウエアラブル化、インプランタブル化の進行、ブロックチェーンによる追跡技術の発展。

  • フェイクフード

    <市場トレンド>
    環境に優しく健康的な「次世代の食」として、植物性タンパク質を原料に肉やエビを模倣したフェイクフードに対して高い注目。気候変動への適応策としてフェイクフードや培養肉が普及することにより、文化や宗教の壁を越える「ミートレス社会」が浸透。

    <商品トレンド>
    欧米において様々なスタートアップが立ち上がり、フェイクフードビジネスへの投資が加速。バイオテクノロジーを用いた品種改良、遺伝子組み換え、細胞培養などの食料増産により、新分野として「ミートレス社会」が確立。

    <技術トレンド>
    培養技術開発の進展により、培養肉の大量生産が可能となり、低価格化、市場化が実現。3Dフードプリンターの普及により、食のパーソナル化、細分化が進み、個人の身体特性に合わせた最適な食事が簡単に調理可能。

  • 環境農業

    <市場トレンド>
    気候変動による農作物への影響は、企業の経営活動にも大きな影響をもたらしており、環境農業政策の重要性が増している。環境農業の視点を含めたESG投資が普及しており、グローバルな食品企業は、環境保護も含めた原料調達基準を強化している。

    <商品トレンド>
    健康志向の高まりを追い風に、欧米では肉の消費量が減っており、植物肉で代替するなどミートレス社会が到来している。気候変動は食文化へも大きな影響をもたらしており、産地地図の塗り替えや大衆魚の高級魚への転換が始まっている。

    <技術トレンド>
    ゲノム解析技術や編集技術、DNA合成の短時間化、低コスト化、AIなど、注目すべき技術革新と農業分野への適用が進展。農業に技術を導入し、「高度な知識集約・情報産業化」への脱皮を図ることで、気候変動への適応策、緩和策が図られている。

  • 食育/消費者教育/地域活性化

    <市場トレンド>
    生産者から農作物を適正価格で購入する動きが徐々に増える中で、生産者と消費者との交流によって地域活性化が促進。将来の世界的な食料不足を見据え、食品ロスに対する消費者の意識が高まり、新たな市場が創出。

    <商品トレンド>
    これまで食育に直接的な関わりが少なかった業種や職種から付加価値の高い新サービスが提供。膨大なレシピデータを活用した食育に関する新サービスが相次いで開発。

    <技術トレンド>
    レシピのビッグデータを活用するための画像認識技術の高度化、ディープラーニングの時間短縮技術が発展。ICタグの低価格化により、農作物単品でのトレーサビリティーの実施や生産者と消費者との交流など、活用の幅が拡大。

  • 食(穀物)のエネルギー利用

    <市場トレンド>
    地球温暖化による自然災害が世界中で激増、化石燃料全廃のための新エネルギーとして燃料作物産業が注目を集める。燃料作物農業が勃興し、バイオマスエネルギー市場が急速に拡大、バイオガス変換技術が国内燃料市場の成長を推進。

    <商品トレンド>
    脱化石燃料を推進する燃料作物とその量産化設備、ソーラーシェア栽培設備。小型バイオガス高速生産システム、高効率バイオガス発電・給湯システム。

    <技術トレンド>
    甘藷を中心に穀物類の大量栽培技術が燃料市場を開拓。高速メタン発酵技術、廃熱排気エネルギーリサイクル技術、小規模統合システム化技術が産業発展を後押し。

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3-3.ビジネス機会の拡大

バイオテクノロジー、デジタルデータの活用により、個人の健康状態に応じた食の提案など次世代ヘルスケア産業が創出する。生産から消費まで、食農バリューチェーンにおいてデジタル化されたスマートフードチェーンの構築が不可欠となる。地域農業、農村社会の活性化を目的とする6次産業化が進展する。

  • アグロメディカルフーズ

    <市場トレンド>
    疾病予防、健康増進効果のある機能性食品の市場が拡大、うち30%は農林水産物由来のアグロメディカルフーズになる。アグロメディカルフーズの市場規模は世界市場で100億米ドル、日本市場で1兆円規模に拡大する。

    <商品トレンド>
    トクホ食品や機能性表示食品などの生鮮食品に加えて、安全で安定した機能性を持つ農林水産物が市場に供給される。アグロメディカルフーズのコンセプトは地域特産食品や郷土料理にまで拡大、レシピやケアサービスのソフト分野に商品が拡大。

    <技術トレンド>
    ゲノム育種が精密農業に取り込まれ、機能性農産物を安定的に産出できる高度に管理された農業が登場する。関連情報の共通化、標準化、関連分析技術の標準化、個人の健康情報解析、ビッグデータ解析予測法などが重要になる。

  • 食のブランド化

    <市場トレンド>
    食事の摂取量を控えて健康になる従来の姿から、体内への吸収量が少ない食材で健康になる技術に依存した健康志向が現れる。環境への配慮など社会性を帯びた取り組みで育てられた食材のブランド化が促進される。

    <商品トレンド>
    ゼロカロリーに近い食材、アレルギーでも食べられる食材など、健康を前面に押し出した食材が市場で増加する。味や栄養価のほか、食べやすさ、調理しやすさといった効率性の高い食材がブランド化される。

    <技術トレンド>
    摂取してもカロリーや糖質が蓄積されにくい食材の開発が促進される。船便による輸送と保存技術が向上し、日本のブランド農作物が海外に輸出されやすくなる。

  • バイオエコノミー

    <市場トレンド>
    EUでは、持続可能な経済成長戦略の一つとして、バイオテクノロジーが経済に大きく貢献できるバイオエコノミーを位置付け。日本はまだバイオエコノミー戦略を策定できておらず、取り組みが他の先進国よりも10年遅れている状況。

    <商品トレンド>
    EUのプラスチック製レジ袋の使用禁止を背景に、生分解性に優れた海洋分解性バイオプラスチックが世界に普及・展開。バイオテクノロジー、デジタルデータの活用により、個人の健康状態に応じた食の提案・提供など次世代ヘルスケア産業が創出。

    <技術トレンド>
    業界を越えた企業間のデジタルデータやAIの活用により、一つの技術革新が他分野へ応用展開され商品化。バイオエコノミー戦略に10年出遅れた日本は技術革新とルールメイキング戦略の両面から取り組むことが重要。

  • 農泊

    <市場トレンド>
    「観光」は、21世紀の最大の産業になる。2030年までの間に国際観光客到着数は年率平均で3.3%増、2030年には18億人に達するとの予測がある。

    <商品トレンド>
    訪日外国人の和食人気に支えられ、地方の郷土料理体験教室も人気。農家民泊では郷土料理体験できるところが多い。全国的なネットワークが形成され、地域に住む人々との交流体験が大きな魅力となっている。

    <技術トレンド>
    シェアリングエコノミーのコンセプトを持つ企業が急成長。農村体験や地域ガイドのシェアなど様々なサービスが登場。アジアの都市生活者をターゲットにした、農村体験をコーディネートするシェアリングエコノミー企業が誕生する。

  • 食のグローバル化

    <市場トレンド>
    世界各国で食ニーズの高度化、多様化が進行、先進国を中心にスマートなフードチェーン実現への要請が強まる。グローバルに安心・安全への要請が強まり、素材から加工・調理において世界基準レベルの品質管理要求が一般化。

    <商品トレンド>
    鮮度保持の制約、文化の違いから従来は取引困難だった食材が世界を往来、ローカルな業態が新しい装いで各地に出現。消費者ニーズに対応した市場展開戦略が要求され、知財保護や物流システムの高度化が重要になる。

    <技術トレンド>
    素材耐性の改良、鮮度保持、乾燥、包装、輸送保管の分野で、AIやIoTを背景にした低コストでP2P型の環境制御技術が普及。安心・安全を担保し、P2Pレベルで生産から消費までの過程をモニタリングするための安価なトレーサビリティー技術が普及。

  • 植物工場

    <市場トレンド>
    生産から流通まで含めた全体コストの低下、効率化、生産可能な農産物の拡大、高機能化。効率的に高付加価値作物を栽培する仕組みのグローバル展開。

    <商品トレンド>
    食物からサプリメント野菜としての機能拡張、野菜だけでなく、根菜類への適用範囲が拡大。グローバル規格に基づいた全品管理の実施による安心・安全の担保。

    <技術トレンド>
    種まき、育成、収穫、出荷までの作業を自動化。ビッグデータ/IoTの活用による管理作業の完全自動化。

  • 農業用ロボット

    <市場トレンド>
    近年の異常気象や干ばつなどの気候変動は消費者や企業の経営活動だけではなく、世界の食料生産、食文化に対しても影響。「AgriFood Tech」の普及により、気候変動対策だけではなく、新たなビジネスモデルのイノベーションが生まれる。

    <商品トレンド>
    生産から流通、加工、消費まで、食農バリューチェーン全体においてデジタル化されたスマートフードチェーンの構築が不可欠。農業ロボットのインテリジェント化が図られ、作業内容や環境状況を考慮し、農業機器のオペレーションが自動で最適化。

    <技術トレンド>
    AIとコンピュータビジョン技術を応用し、農地の点検観測と分析により、農作物の生育状況、健康状況を管理する技術が進展。コンピュータビジョン技術に機械学習、拡張現実を組み合わせることで、暗黙知の形式知化による生産技術の保存に寄与。

  • 農業の6次産業化

    <市場トレンド>
    農業経営体の成長・発展と、地域農業、農村社会の活性化を目的とする「1次×2次×3次」産業化の進展。自然と調和した生活志向を背景とする農産物の安全性への関心と農業・農村のサービス化への需要の高まり。

    <商品トレンド>
    農産物の高付加価値化としての特産化、差異化、ストーリー化、高品質化、安全性を確保する水準の高度化。消費者ニーズに基づく農業・農村のサービス化、新たなニーズや法制度の変化などに適応した商品/サービスの開発・提供。

    <技術トレンド>
    農産物の高付加価値に必要となる新たな技術の農業経営への導入、他産業企業が有する技術の活用。組織的かつ地域一体的な取り組みによる地域ブランドの確立と事業展開。

  • 食農ICT

    <市場トレンド>
    業務効率化のため上空からの農業(ドローン、小型人工衛星)の市場が拡大する。農業者の高齢化に伴い少ない人手で高い生産性を生み出すICTが求められる。

    <商品トレンド>
    食料の生産が困難な地域に向けて、新たな地面(水上、海底)での農業が行われる。農業機械の自動運転が実用化され、機械のシェアリングも行われるようになる。

    <技術トレンド>
    本来は農業での利用を目的として開発されたものではなく、他の用途で開発を行った技術が応用される。センサー技術が高度化し、小型、高感度、高精度が進むほか、安価な原材料を用いたりして低価格化も進む。

  • 農業経営

    <市場トレンド>
    AIの進化により農家の業務データを活用して未来予測を行い、最適な農業経営が導き出せるようになる。農場の目標から逆算して営農計画の合理的なプラン作りが可能となる。

    <商品トレンド>
    最適なタイミングで最適な数量を最適な市場に出荷する農作物の流通システムが開発される。食品ロス対策は農家にメリットと責任を共有する形で新たなサービスが開発される。

    <技術トレンド>
    ビッグデータを分析するための基盤技術がシステム会社から無償提供されて技術開発が進む。膨大なデータを解析するための高速アルゴリズムなどが開発される。

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