地域内・周辺には生活のための機能が凝縮、ビジネス機会も多数

こうしたCCRCが注目されるのは、都市部などからの移住を促し、その周辺での雇用を生み出して街の活性化につなげられると考えられているため。CCRCは狭い範囲に機能を凝縮した一つの街であり、居住区域のほか、様々な機能・施設が必要になるからだ。実際には、すべてがCCRC内に設けられるとは限らないが、周辺の地域を含め、各機能をそろえる必要がある(図1)。

(図1)CCRCには居住、食、医療・健康などにかかわる様々な機能が集約される

例えばレストランなどの食事場所、ゴルフ場・フィットネスクラブなどのスポーツ・娯楽施設、農園や集会所といったコミュニティ活動のための施設などが考えられる。南魚沼市は、大学院大学である国際大学の学生と地域居住者の交流を活性化させて、「英語の街(グローバルビレッジ)」の創出を目指している。そのために、様々な国の料理を出すお国自慢レストラン・カフェのほか、英語寺子屋なども検討しているという。

生活の利便性を高め、安全性を確保するも必要になる。CCRC内の安全や衛生を保つための見守り・清掃などの仕組み、景観をよくするための花壇や街路樹、CCRC内の施設を結ぶ道路と移動手段、CCRCから近隣の駅や商用施設までの移動手段などだ。場合によっては、病院や介護施設も含まれる。病院に求められる仕組みを社会全体で実現した形態を「ソーシャルホスピタル」などと呼ぶが、CCRCは、このソーシャルホスピタルを具現化したものの一つと捉えることができる。

当然、それぞれに運営スタッフ、指導者、調理師や医師・看護師などの専門職が必要になるし、備品の納入業者などサプライチェーンも生じる。CCRCを設けることで、他地域からの移住者を増やし、それを支えるビジネスの機会を生み出せば、地域経済の活性化につながるというわけだ。

先端技術のテストベッドに

CCRCは、比較的狭い範囲に限られたコミュニティであること、高齢者向けとして様々な課題解決のニーズがあることから、ICT、IoT(Internet of Things)、人工知能(AI)、自動運転など、先端技術の導入・検証の場所としてもちょうどいい。

例えばICTを活用した居住者の見守りや健康管理、遠隔診療、医薬品の宅配、手軽に取り組めるようにしたICT農業、行動把握などのデータ収集・分析に基づく居住者同士のマッチング、活発かつ安全な行動を促すための利便性の高い移動手段、超小型モビリティやドローンを活用した買い物支援、といった具合である。