自動運転技術の開発競争は、コネクテッドカー(つながる車)開発とオンデマンド配車ビジネスを巻き込んで、新しいモビリティービジネスの構築を目指すステージに進みつつある。特に目立つのは、オンデマンド配車サービスでの活用を前提とする完全自動運転車「ロボタクシー」の実用化と、自動車と各種サービスを組み合わせた「モビリティー・アズ・ア・サービス(MaaS)」時代に向けた先端技術の開発である。ロボタクシーの実用化については、2018年になっていくつもの具体的な活動が本格化しており、「ロボタクシー元年」といえる状況にある。日経BP総研クリーンテックラボが18年6月に発行した「世界自動運転・コネクテッドカー開発総覧(増補改訂版)」の調査データから、最新の自動運転技術の開発状況を報告する。

米ウェイモがけん引 ロボタクシー開発

18年になって、ロボタクシーの実用化に関して2つの動きが生まれた。1つはロボタクシー開発の具体化。もう1つはロボタクシーを用いたオンデマンド配車サービスである「ロボタクシーサービス」の試験サービスの提供である。

クライスラーパシフィカハイブリッドベースのロボタクシーの製造現場(出所:ウェイモ)

ロボタクシーの開発とロボタクシーサービスの実用化の両面で先頭を走るのは、自動運転開発で豊富な実績を持つ米ウェイモだ。これまで自動運転車の開発で提携関係にある欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)からハイブリッドミニバン「クライスラーパシフィカハイブリッド」を600台調達し、共同で自動運転車を開発して公道テストを実施してきた。

ウェイモはここに新しいパートナーとして英ジャガー・ランドローバー(JLR)を追加した。18年3月、JLRとの間で長期にわたる戦略的パートナーシップを締結し、オンデマンド配車サービスのための自動運転電気自動車(EV)を共同開発することを発表した。

ウェイモとジャガー・ランドローバーが共同開発するI-PACEベースのロボタクシー(出所:ウェイモ)

ベース車両はJLR初のEV「I-PACE(アイペース)」。今後2年間で2万台の自動運転I-PACEを製造する。続く18年5月には、FCAとの提携を拡大することを発表。18年後半から、最大6万2000台のクライスラーパシフィカハイブリッドを自動運転車のベース車両として調達する。

ウェイモは17年11月から米アリゾナ州で自動運転車の運転席にバックアップドライバーを乗せない形でのオンデマンド配車サービスの実証テストを続けており、このロボタクシーの実験サービスを18年後半から拡大する計画を持っている。クライスラーパシフィカハイブリッドベースとI-PACEベースのロボタクシーをうまく使い分けながら、ロボタクシーサービスの事業展開を進めることになりそうだ。