駅名も決まり、2020年暫定開業に向け急ピッチで建設工事が進むJR山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅。その西側に広がる約14.7haの南北に細長い地区では並行して、新しいまちの基盤整備が進む。ここには6つの街区が整備され、東日本旅客鉄道(JR東日本)がすべての街区で施設を整備し、まちの運営にあたる予定。まち開きは2024年を見込む。

品川エリアに新しく、ビジネス・MICE・文化の拠点が誕生する。JR山手線・京浜東北線の新駅である高輪ゲートウェイ(高輪GW)駅西口、品川駅北口、品川駅西口の一帯だ。その開発起点が、JR東日本が高輪GW駅西口で計画する品川開発プロジェクトである

地区に隣接する都営地下鉄泉岳寺駅を利用すれば、羽田空港との間は直通20分台。東海道新幹線品川駅ホームの地下深くでは、東海旅客鉄道(JR東海)が2027年開業を目指し、リニア中央新幹線品川駅の建設工事を進める。

JR東日本事業創造本部品川まちづくり部門副課長の天内義也氏は「この拠点一帯を東京や日本の新しい玄関口にしたい。ビジネスにしても観光にしても、東京や日本を訪れた時にまず降り立ってもらえるまちを目指す」と、拠点開発への意気込みを語る。

品川開発プロジェクトのタネ地は、JR田町駅とJR品川駅の間に南北に広がる車両基地の再編で生み出された跡地約13ha。そこに新しいまちをつくる機運が高まる中、駅間の長さから途中に新駅を設置し、周辺地域の利便性向上を図る計画が浮上した。

現地では目下、JR東日本が2020年暫定開業に向けて新駅である高輪GW駅の建設工事を進める一方で、その西口に南北に広がる車両基地跡地を中心とする一帯約14.7haの地区では独立行政法人都市再生機構が土地区画整理事業を進める(写真1)。

(写真1)建設工事が進む高輪ゲートウェイ(高輪GW)駅を南西方向の上空から見る。駅舎の左手、西口の一帯では土地区画整理事業による基盤整備が進む(画像提供:JR東日本)

地区内には土地区画整理事業によってビル建設用地として6つの街区が生み出される。JR東日本ではⅠ期分として、そのうち北寄り4つの街区に5棟のビルを建設する。延べ床面積の合計は約85万㎡。品川駅東口の旧国鉄跡地に開発された超高層ビル群に匹敵する規模だ。2019年度の着工、2024年度の完成を目指す。

すでに姿を現しつつあるのは、高輪GW駅だ。JR東日本では自ら開発するまちとの一体感を強調する。地上階のホーム上には吹き抜け空間を設け、駅舎の壁面をガラス張りとすることで、内と外の連続感を打ち出す(図1)。

(図1)高輪GW駅の内観イメージ。ガラス張りの大きな吹き抜け空間で、駅とまちの一体感を強める。左手が駅西口のまち側(資料提供:JR東日本)

JR東日本事業創造本部品川まちづくり部門課長の金森勇樹氏は「ホームに降り立つと、まちに降り立ったような感覚を受ける造りを採用した。東西両面をガラス張りにすることで、まちの景色、音、空気感などを感じてもらえるのでは」と話す。

駅とまちをつなぐ約6500㎡の歩行者広場

乗車人員の想定は、品川開発プロジェクトⅠ期分の完成時点で1日13万人。JR恵比寿駅や五反田駅に相当する規模という。ただ駅ビルと一体のそれらの駅に比べ商業施設は少なく、駅舎を中心に機能充実を図って拠点性を高める従来の路線とは異なる道を行く。

駅とまちの間を実際につなぐのは、約6500㎡の歩行者広場である(図2)。この広場を基点に張り巡らされる歩行者用デッキが新しく建設される5棟のビルとの間を結ぶほか、鉄道用地を挟んで反対側の品川駅東口にある芝浦中央公園との間もつなげる。

(図2)高輪GW駅からまち方向を見たイメージ。駅前には歩行者広場が広がる。右手のビルは4街区北棟、左手のビルは4街区南棟(資料提供:JR東日本)

まちとの一体感は、泉岳寺駅も強める。同駅の地上部約1.3haの区域ではいま、東京都が2024年度の事業完了を目指し、市街地再開発事業を計画中。同駅は再開発ビルを介して、また地下の歩道と地上の広場を介して歩行者用デッキと結ばれる(図3)

(図3)品川開発プロジェクトの整備平面イメージ。高輪GW駅の東側に広がる鉄道用地の上下を越えて東西を結ぶ3本の道路も整備される(資料提供:JR東日本)