ココファン藤沢SSTでの「エアコンみまもりサービス」の効果とは

ココファン藤沢SSTでは、入居時に「エアコンみまもりサービス」の説明を行い、サービス利用を了承してもらったうえで、最適な温湿度設定を決めているという。カメラを利用した見守りシステムに比べ、センサーを使った見守りはプライバシーに配慮した作りとなっているため、大半の入居者がサービスの利用を希望した。「アンケート調査では医療介護体制がしっかりとしているという評価が高く、70戸がすぐに満室になったのは、我々が地域包括ケアに取り組んでいるのに加えて、「エアコンみまもりサービス」があったことも貢献しているのではないでしょうか」と野口氏は分析する。

また、「エアコンみまもりサービス」が導入されていることで、夜間巡回の負担が軽減したという。

「システムの運用に慣れてからは、残業がほぼなくなりました。現場の最前線のスタッフの残業はゼロで、管理職の職員も月の残業時間が短くなっています」と話す野口氏だが、やはり最も大きな効果はサービスの質の向上だと説明する。「時間に余裕ができることで、これまで以上に入居者のサポートをしっかりと行えるようになったと思います。ケアしている中での気づきも多くなり、申し送りの際の情報量が確実に増えていることを感じますね。」(野口氏)

また、「エアコンみまもりサービス」で取得したデータは、今後の介護や医療にも役立てられるようにしているという。訪問診療を行うクリニックや薬局に睡眠状況や生活状況を週単位で送ることで、医師などが問診票などではわからない体調の変化や初期症状を適切に判断する材料として活用されているという。

「エアコンみまもりサービス」によるメリット

「エアコンみまもりサービス」開発の背景と未来

「エアコンみまもりサービス」は、エアコンの遠隔操作と人の動きを検知するセンサーを使って高齢者を見守ることができるのではないかという考えから開発が始められた。2015年6月にエアコンと電波センサーを使って、パナソニックが運営するサービス付き高齢者向け住宅エイジフリーハウスで実証実験を実施。事務所にいながら一括で温湿度管理ができ、夏場に暖房を入れるといった操作ミスや、センサーで夜間の居室からの出入り等を発見でき、手ごたえを得たと、パナソニック株式会社 ビジネスイノベーション本部の山岡 勝氏は話す。

「介護用の見守りシステムは、見守る現場スタッフの業務をどれだけ理解できているかが重要なポイントとなります」と話す山岡氏。そのために、自分自身が現場に身を置き生の声を聞くようにしたという。たとえば、スタッフが作業に追われてスタッフルームを空けているときにアラートが鳴っているのを見て、どこにいてもアラートを受け取れるナースコール連携の重要性を実感。また、アプリの画面はマウスでスクロールしなくても一目で情報を得られるようにし、クリックだけで完結できるように工夫したという。

スクロールや入力などの操作がなくても扱えるように工夫された画面
パナソニック
ビジネスイノベーション本部
プロジェクト推進室
スマートエージングケアプロジェクト
総括担当/プロジェクトリーダ
山岡 勝氏

「今後は、体調管理に活かせる更なる機能の追加を考えていきたいですね。また、パナソニックには、さまざまなスマート家電があるので、他の家電との連携により住空間全体を変えていけると思っています。例えば、ヒートショックによる死亡者が交通事故の2倍となっているという現状は、住空間の中に温度差を作ってしまっているということです。住宅も手がけている我々が貢献できる分野でもありますので、今後も、先端技術とスマート家電でこれらの課題に取り組み、高齢者の方に安心して頂ける住まいを実現していくことが私の夢です」と最後に山岡氏は話してくれた。