<この記事を要約すると>

  • パナソニック エコテクノロジーセンターは家電リサイクル法がスタートした2001年から累計1450万台の処理を実行
  • 創業者である松下幸之助氏の「もったいないを知り、ありがたいを悟る」との教えが宿り、「商品から商品へ」の資源循環型社会の実現を目指す
  • 工場見学には世界131の国と地域から延べ18万6000名が来訪(2019年3月末まで)

兵庫県加東市にあるパナソニック エコテクノロジーセンター、通称「PETEC」。ここでは「トレジャーハンティング(宝探し)」を合言葉に、資源を先進の技術で回収し、循環型モノづくりを推進している。今回はPETECの河野社長に、家電リサイクルの先進拠点の取り組みについて語ってもらった。

「もったいないを知り、ありがたいを悟る」の精神が宿る

政府が推し進めるSDGs(持続可能な開発目標)や、企業が注視するESG(環境・社会・ガバナンス)投資に顕著なように、ここ数年、地球環境の保全の機運が高まっている。2001年に施行された特定家庭用機器再商品化法(通称「家電リサイクル法」)は、まさに時代に先駆けた法律と言える。

あれから18年が経ち、今やエアコン、テレビ、洗濯機・衣類乾燥機、冷蔵庫・冷凍庫の4品目は然るべき手続きを踏んでリサイクルを申請することが社会常識となった。私たち消費者はこれら家電製品を廃棄するまでは経験するが、その先でどんな処理が行われているかを知っている人は少ないだろう。

今回は、そんな使用済み家電のリサイクル施設の物語である。

パナソニックは家電リサイクル法がスタートした2001年から、兵庫県加東市で「パナソニック エコテクノロジーセンター(Panasonic Eco Technology Center、以下PETEC)」を稼働させた。ここには近畿2府4県(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)から使用済み家電が集められ、2018年度は約94万台の処理を行った。操業以来、延べの処理台数は1450万台に上る。

PETECには毎日、トラック何十台分もの使用済み家電が運ばれてくる

家電リサイクル制度では大きく回収メーカーがA/Bの2グループに分けられており、PETECはパナソニック、東芝、サムスン電子ジャパン、ダイキン工業などのAグループを扱う(Bグループは日立、ソニー、シャープなど)。しかし複数メーカーの使用済み家電が集まるにもかかわらず、PETECはパナソニックが自己資本100%で設立した施設だ。

その根底には、パナソニック創業者である松下幸之助氏の教えが宿る。松下氏は昭和40年代の高度経済成長期真っ只中、すでに汚染による地球環境の破壊を憂いていた。そこから生まれた「もったいないを知り、ありがたいを悟る」との精神は、今も息づいている。だからこそ家電リサイクル法が施行されたのと時を同じくしてPETECが設立されたのだ。

PETECでは「トレジャーハンティング(宝探し)」を合言葉にする。ここで言う宝物とは、回収した使用済み家電の山に眠る“まだまだ使える資源”を指す。これは代表的な例だが、液晶・プラズマ式テレビは鉄46%、銅1%、アルミニウム4%、洗濯機・衣類乾燥機は鉄48%、銅2%、アルミニウム2%、エアコンは鉄30%、銅7%、アルミニウム9%、冷蔵庫・冷凍庫は鉄50%、銅2%、アルミニウム1%といった具合に、その構成にはリサイクル資源がたくさん埋まっている。PETECはそれらを丹念に選別・回収し、再び新しい製品の素材として提供することをミッションとする。
(参考資料:一般財団法人 家電製品協会 「家電リサイクル 年次報告書」平成29年度版(第17期)より)

運ばれてきた使用済み家電は流れ作業で分担しながら効率よく解体