空気の質の向上は、まだまだ開拓の余地がある

次亜塩素酸はプールの除菌、水道水の浄化、食品の洗浄などに利用され、安全・安心であることが証明されている。

「ジアイーノ」は次亜塩素酸を機器の内部で生成し、吹き出す構造を特長とする。パナソニック エコシステムズの井浦嘉和氏は「『ジアイーノ』で利用するのは食塩と水道水。そもそも使っているものが安全ですし、電気分解して生成する成分も安全。有人空間で使用していただくことを前提に設計しておりますので、安心してお使いいただける技術、製品になっています」と語る。

強力な酸化力を有する次亜塩素酸を、安全に取り扱える塩と水から手軽に発生させる「ジアイーノ」の空気浄化技術を基に、より安全に空気中の臭いや菌・ウイルスを酸化して抑制するというコンセプトを効果的に実現しています。家庭でも使えるようにコンパクト化した技術もパナソニックの得意分野と言えるでしょう。「ジアイーノ」の空気浄化技術は特に菌・ウイルスに注意が必要なだけでなく、排泄介助のニオイや生ごみのニオイが出る介護施設では有用な技術と言えます。

パナソニック エコシステムズ
IAQビジネスユニット
ジア戦略PJ 戦略推進担当
主幹
井浦 嘉和 氏

「ジアイーノ」の仕組みを改めて見ていこう。まず、水道水と塩タブレットで作った食塩水を電気分解して次亜塩素酸を生成する。生成した次亜塩素酸水溶液をロール状のフィルターに含浸させて除菌フィルターとし、外部から取り込んだ汚れた室内の空気を除菌・脱臭。吹き出し口からは揮発した次亜塩素酸を放出し、空間で付着している菌・ウイルスを抑制する。言わば「取り込んで吹き出す」一連の流れを循環することで除菌・脱臭作用を行なう。

「次亜塩素酸の成分は酸化作用をもたらします。酸化作用によって菌・ウイルスから電子を奪い、抑制していくのが特徴です。ニオイ成分に関しては次亜塩素酸水溶液に臭気が溶け込んで分解するので、通常の空気清浄機とは体感レベルがまったく異なります。これらの効果が介護施設などでとても喜ばれています」(井浦氏)

空気清浄機と「ジアイーノ」の比較。期待される効果は大きく異なる

3年前の家庭用「ジアイーノ」の発売以降は、ブランド名も急激に浸透した。家庭用としては高額であるにもかかわらず、売れ行きも好調だ。同社でアンケートを取ったところ「購入したお客様の9割以上が他の方におすすめしたいと答えるほど満足していただいている」と井浦氏。回答の中には「空気を洗うという表現がぴったり」「今までいろんな対策が効かなかったが、『ジアイーノ』があるだけで安心感がある」といった声が相次いだ。

業務用についても、発売当初はお試しで数台という注文が多かったそうだが、最近では大口の導入事例が増えたと話す。これまでの医療、介護、教育に加え、オフィスでの需要が伸びている。「人が多く集まる環境ですので、ニオイや衛生管理の部分で導入される企業が多くなってきています。常時稼働する除菌脱臭機が、社員の健康面に配慮した福利厚生の選択肢になっているようです」(井浦氏)。

「ジアイーノ」は家庭用から業務用まで用途に合わせ幅広く展開している

現在、家庭用・業務用あわせて9畳から56畳までの幅広いラインナップをそろえる。2020年4月には水道に直結するタイプの業務用新製品を発売。これはメンテナンスの負荷を軽減したいとの声に応えたもので、井浦氏は「本当に価値として認められるものは何かを見直しながら、次の商品を出していく必要がある」と強調する。

井浦氏が所属するパナソニック エコシステムズ IAQビジネスユニットは、「Indoor Air Quality:室内空気質」の向上、改善を念頭に置く。室内環境は、人が1日に生活している場所の90%を占めると言われており、良質なIAQによってもたらされる効果は、我々が実感する以上に大きい。

「IAQの中でも除菌・脱臭は代表的な訴求ポイント。お客様の生活環境の空気をいかに快適かつ健康的に維持していくかを考えたとき、除菌・脱臭がどのようにあるべきか――それを発展させていくのが我々のミッションです。

空気は見えないものですから、見える化していくことも1つのトライでしょう。さらにAIやIoTといった技術が一般的になる中で、例えば今後は『ジアイーノ』と空調や換気システムが連動することも夢ではありません。“空気の質”の向上は、まだまだ開拓の余地がある分野なのです」(井浦氏)

これからの社会においては特に高齢者を取り巻く空気の質の向上、見える化が科学的根拠に基づいてあらゆるシーンで浸透していくことが肝要です。特にウイルスや菌などを「ジアイーノ」の空気浄化技術で抑制し、「空気の質が良い」ということを利用者が介護施設で実感できる価値を提供できていることはとても重要です。こうした取り組みが今後のビジネスモデルとなり、さらに広い場面で深化・加速していくことを期待しています。


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