高級車における空調のスタンダードへ

パナソニック オートモーティブ システムズ ヨーロッパでJLRの窓口を担当したDavid Daniells氏は、今回のプロジェクトの発端を次のように語る。

「JLRは以前から革新的な空調技術を探していました。2016年に『ナノイーX』が発売されたこともあり、2017年にパナソニック側がJLRの経営陣を東京・有明の拠点に招待したのです。そこで将来的な展望を踏まえ、『ナノイーX』がJLRの車内空気環境のビジョンにどのように貢献できるかを話し合ったのがきっかけです」

パナソニック
オートモーティブ システムズ ヨーロッパ
David Daniells氏

Daniells氏は、新型RANGE ROVERへの搭載を機に「ナノイーX」が車内空間のような密閉された環境で効果があると広く認知されれば、「とてもポジティブな第一歩になる」と期待を寄せる。さらなる認知向上のためにも、JLRと密な連携を図りながらベネフィットを伝えていくことが鍵を握る。

「欧州ではこのプロジェクトを中心に、JLRとパナソニックによるブランディングの相乗効果を活用してマーケティングを進めていきます。認知度が上がれば、ほかの自動車メーカーや異なる業界の企業からも興味を持ってもらえるようになるかもしれません。

その一方で、『ナノイーX』の画期的な技術を用いて、ウイルスや細菌など健康に悪影響を及ぼすリスクを減らし、よりクリーンで持続可能な社会の実現に資することも我々の役目です。これからも“空気の質”の改善に積極的に務めていきたいと思います」(Daniells氏)

先にも触れたように、JLRでは「ナノイーX」を含む次世代空調システムをキーメッセージのひとつとして打ち出している。車内空気の質を高めることは、今回新たな挑戦だった。しかしすべてのチャネルから取り組み内容を明確にロイヤルカスタマーに伝えたことで、受注段階から好評を受けたという。

Burniston氏は「車内の空気環境への関心が高まる中、『ナノイーX』搭載が強みとなってセールスを後押しするのではないかと考えています。利用者の健康と幸福は、JLRがモダン・ラグジュアリーとカテゴライズする上で重要な要素なのです。」と続ける。

今後は新車への展開も視野に入れており、継続的にミーティングを重ねながら有効性テストプログラムを検討しているという。新型RANGE ROVERで世界中のロイヤルカスタマーが「ナノイーX」の効果を体感すれば、高級車における空調のスタンダードになる日は近いだろう。