アクセシビリティ向上に貢献するパーソナルモビリティ

ICT技術を加えたUDソリューションは、施設設備、スタッフ、パーソナルデバイス、モビリティとの連携により、施設スタッフの負担を増やすことなくアクセシビリティの向上に貢献することが可能。それが、パナソニックが考えるトータルでのアクセシビリティ・ソリューションだ。

空港の設備、スタッフ、パーソナルデバイス、モビリティの連携によるトータルICTソリューションによって、高度なアクセシビリティが実現する。

中でも、訪日外国人をはじめ、高齢者、障害者、大きな荷物やベビーカーなどを持って移動される方など、空港を利用するすべての人たちの安全で快適、スムーズな移動をサポートするモビリティ(ロボット電動車いす、歩行アシストスーツなど)は従来の“移動”の観念を根本から変えそうだ。

その一つとして注目されるのが、WHILL株式会社が開発したパーソナルモビリティ。これまでの「車いす」のイメージとは全く異なる“カッコ良さ”と直感的な使いやすさは、車いす利用者の「100m先のコンビニに行くのも諦めてしまう」という声から生まれたという。

WHILL株式会社が開発した「パーソナルモビリティWHILL ModelA」にパナソニックの安全センサーを搭載

「障害などを抱え、車いすを利用されている方は“車いすに乗っている姿を見られたくない”というネガティブな思いがあります。段差や障害物が多く車いすでの移動がしづらいといった物理的な要因だけでなく、他人の視線にさらされることでの精神的な負担が大きいためです。そこで単に機能性を高めた電動車いすではなく、ユーザーの声を反映した“誰もが毎日乗りたくなるような”パーソナルモビリティを作ろうと考えました」。同社共同代表取締役 兼 最高技術責任者の福岡宗明氏はそう話す。

WHILL株式会社
共同代表取締役 兼 最高技術責任者
福岡 宗明氏

パーソナルモビリティWHILLは、スマートで洗練されたデザインと直感的な操作性、スムーズな使い心地を兼ね備えた機器。「いす」から移動ツールとしての「モビリティ」への進化が、障害者のみならず健常者にとっても乗りたくなる機器に。乗ることで楽しい気分になれることが魅力だ。

「パーソナルモビリティを利用して、色々な人が颯爽と街を闊歩する。障害者、健常者といった分け隔てのない世の中が理想です」(福岡氏)

2020年を見据え、特にパラリンピック開催会場へのお客様の移動ビジョンを模索していたパナソニックも、このコンセプトに共感。楽しさとともに、初めて乗った人でも安心・安全な移動を実現するため同社のセンサー技術を提供してWHILLとの共同開発を行い、既存のパーソナルモビリティに障害物や人を感知して自動停止するシステムを加えた。

「空港に着いた方は、そこから電車、バスなどに乗り換え目的地への移動が必ず発生します。そんなシーンにおいて、パーソナルモビリティは有効な移動手段として活躍するはず。空港内の長距離の移動はもちろんのこと、社会インフラとモビリティやデバイスなどのパーソナル機器の連携により、東京への玄関口である空港を拠点とした、駅、街中、スタジアムへの移動をより安全に快適に行えることを目指しています」。パナソニック株式会社 東京オリンピック・パラリンピック推進本部の黒川崇裕氏はそう話す。

パナソニック株式会社
東京オリンピック・パラリンピック推進本部
黒川崇裕氏

パーソナルモビリティのレンタルや、Bluetooth®ビーコンを用いた自動運転、モビリティの自動回収など、ICT技術を活用したUDソリューションの可能性はさらに広がる。

「パラリンピックの会場を満席にしたい」(黒川氏)というように、新しい移動の形が人の動きを変えそうだ。

2020年は一つのターニングポイント。「多くのお客様をお迎えする空港は、様々な人の“困っていること”を解決すべく常に進化していくことが求められている。最新のICT技術を勉強させていただき、課題解決のために活用していきたい」。山下氏はそう話す。