2011年の民政移管、2015年に行われた総選挙を経て目まぐるしい変化が遂げられているミャンマー。中国、インド、タイなどに隣接し豊富な地下資源に恵まれながらこれまで未開拓だったミャンマーは、民主化を機に世界経済において大きな注目を浴びている。急激な成長が進む一方で、国内はインフラ全般の整備が追いついていないのが現実で、特に電力不足は深刻な問題となっている。今回は、ミャンマーの無電化地域に電気を届けるための支援プロジェクトと、実際に採用された太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライステーション」を紹介しよう。

安定した電気の供給が成長・発展の大きな基盤に

“アジア最後のフロンティア”と称されるミャンマー。2011年の民政移管、昨年行われた総選挙を経て急激なスピードで成長を遂げており、世界経済において注目される存在だ。スマートフォンの急速な普及に見られるように個人消費が拡大し、オフィスビルや商業施設の建設、豊かな資源や労働力を求めて海外資本の工場の進出も目立つ。

その一方で国内では電気、上下水道、ガスなどのインフラ全般の整備が経済成長に追いついていないのが現状。特に電力不足は深刻な問題で、最大都市であるヤンゴンですら1日に何度か断続的に停電が発生することがあるという。ミャンマー全体での電気の普及率はASEAN諸国の中でも最低水準の約30%と言われており、地方では無電化が当然の状況となっている。

昼間は明るい道も電気と電灯が十分に普及していないので、夜になると真っ暗になってしまう

電力を始めとするインフラの迅速な整備は、ミャンマーがこれからさらに成長、発展を遂げていくために不可欠な取り組みと言えるだろう。

今回、CSRの一環としてミャンマーの無電化地域における電力供給の活動支援プロジェクトに賛同して寄付を行ったのが三井物産株式会社だ。

三井物産株式会社では、社員参加による活動「Mitsui Global Volunteer Program マッチングギフト」を行っている。

三井物産株式会社
ミャンマー総代表兼ヤンゴン事務所長
隅(すみ)良太郎氏

これは、同社の全世界で勤務する社員によるボランティア活動への参加人数を1年単位で集計し、世界各国の団体やNPOなどに対し、人数×1000円を会社から寄付する制度。この制度を活用し、ミャンマーなどの貧困地域への生活環境改善支援を推進するタイ王国のMFL財団の活動をサポートした。

「当社は、人と人との関係を構築しながら地域社会や経済の発展、そこに住む方達の生活基盤の充実、向上に貢献していくことを目指しています。私自身、ミャンマーに赴任して1年が過ぎましたが、目まぐるしいほどの変化がある中でそれを支えるべきインフラが圧倒的に不足していることを実感しています。経済的な成長はもちろんですが、現地の住民の方々が安心して生活を送ることができる基盤をサポートしていくことが重要だと考えています」。

ミャンマー総代表兼ヤンゴン事務所長の隅(すみ)良太郎氏は、そう話す。

今回のプロジェクトは、2014年夏にMFL財団がミャンマー・マグウェイ地域でナッツ産品の生産・加工工場の設立を検討していたことをきっかけに、同地の農村が無電化地域であり電源の設置費用がないことを知りスタートしたという。

三井物産株式会社からの寄付は、MFL財団の支援活動に必要な独立電源調達のための太陽光発電設備の設置に活用されることとなった。そこで採用されたのがパナソニックの太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライステーション」である。

無電化地域においては再生可能なエネルギー、独立型であることが重要。その中でも設置が簡単な太陽光発電に照準を絞って検討を進めた結果、「パワーサプライステーション」が採用されたという。設置されたインマジャウン村は、ヤンゴンから北に約800kmの山間地域。無電化のため、生活の安心・安全をはじめ、衛生、医療、教育水準も低い場所だったが、同機の設置により街路灯の設置、集会場での電気の供給により住民がTVを観たり、夜に読経会を行ったりすることが可能になっている。

「ミャンマーだけにとどまらず無電化地域が世界に数多く存在する中で、インフラ支援の一つの形として分散型電源の可能性はさらに高まっていくと思います。無電化地域の発展に寄与するうえで、『パワーサプライステーション』も今後さらに活用のフィールドを広げていってもらいたいですね」と隅氏。

近い将来、世界的に大きなマーケットとなることが予想されるミャンマー。同社では、「大切な地球と、そこに住む人びとの夢溢れる未来作りに貢献します。」という理念に基づいて、ミャンマーの発展に貢献できるビジネスを創造していく考えだ。