未来のモノづくりへの夢が拡がるソリューション

例えば、工場にある多くのロボットには、稼働する部分(実際に作業を行う部分)にサーボモータが内蔵されている。作業効率を高め生産性を上げるためには、当然ロボットを高速で動かすこととなり、ロボットの動きはサーボモータの性能で決まると言っても過言ではない。一般的に出力が大きくなるとモータのサイズ、重量も重くなり、ロボット自体の動作の妨げとなるケースがあった。MINAS A6シリーズのサーボモータは、サイズを同社従来比で30%減。出力をキープしながら小型化、軽量化を図ることでロボットの軽量化と高速動作を実現した。

【動画解説】サーボモータの軽量化により、より滑らかな動きを実現した6軸多関節型ロボット。溶接機や組み立て機としての活用が想定されている。

また、稼動部分に指令を出し制御する役割のサーボアンプは、応答性がポイントとなる。たとえば「基盤にLEDチップを設置する」という作業の場合、時間当たりの実装数を増やすためには実装精度を確保しつつ、高速で位置決めをすることが必要だ。

A6シリーズのサーボアンプは、同社従来比で30%の応答時間の高速化に成功し、1時間当たりの生産性も22,500個から23,700個(同社比)へと向上している。さらに、従来のモータは「稼働させる」ことが目的だったが、A6シリーズはセンサー機能を持っていることも面白い。モータとアンプで作業データを取り込み、管理することが可能になっている。

MINAS A6シリーズのサーボモータとサーボアンプ。モータは業界最小・最軽量、アンプは業界最速応答を実現している。これによって、現場の生産性と速度、精度が向上する。


パナソニック株式会社オートモーティブ&インダスト
リアルシステムズ社
モータBUモノづくり総括
根東秀樹氏

「サーボモータとサーボアンプは、工場の作業の中では根幹にあたる部分に関わっています。そこで、データをモニターすることでモノづくりにおける数値のバラつきを抑える効果があること。また、そのバラつきがどんな要因で起こってくるのかが製造の初期段階でわかるため、設計部門に迅速にフィードバックをして対策を講じることができることも大きなメリットだと考えています」。モータBU モノづくり総括の根東秀樹氏は話す。

スマートファクトリーを実現するためには工場内をネットワークで一元管理することが重要だが、同シリーズでは独自開発のオープンネットワークRTEXを始め2種類の高速同期通信ネットワークを用意しており、コントローラ・サーボアンプ間の通信周期が早いことも特徴。高速で通信できることでモータ部分への指令も速くなり、動作が高速化してもズレが最小に抑えられ加工精度が非常に高くなるというわけだ。

モノづくりの新しい時代を創る

「生産性の向上と精度、速度に関しては業界最高性能を誇っています。さらに、お客さまにとっては装置が稼働してからの問題点も起こってきます。24時間フル稼働や長年利用することを考えたときに、製造ラインをストップせずにタイミングよく整備、または修理することが重要。“製造ラインを止めなければならない”ということが起こらないよう留意しています」と加藤氏。

従来は、PCとサーボアンプを有線接続し設定、調整などをしていた(左)。無線化、マルチデバイス対応によりスマートフォンやタブレット端末などからもアクセスできるようになるため、配線ができない場所、PCを持ち込めない工場内などでも対応ができるようになる。さらに、国をまたいだ遠隔地操作も可能になる。

また、サーボアンプのIoT化対応を行ったこともモノづくりの効率化に貢献している。従来は、サーボアンプをPCに一台ずつ有線接続して調整を行うスタイルだったが、サーボアンプの設置場所によっては配線がしづらく調整ができない、という不具合もあった。また、工場内ではPCが持ち込めないこともあるため、それに代わる調整ツールも必要ということがわかった。

そこで、無線化、スマートフォンやタブレット端末などマルチデバイス対応を可能にすることで、配線をせずに対象機器の切替、調整が可能になり、作業効率がぐんとアップする。サーボアンプのIoT化対応によって、今後は日本から中国など遠隔地の現場でも、リアルタイムにサポートを行うことができるようになる。

【動画解説】遠隔地のスマホやタブレットからサーボアンプのパラメータ設定や状況監視が可能になった。

「MINASシリーズのソリューションは、日本のモノづくりに新しい時代を生み出すと思っています。究極の開発は、“匠の技”と言われるようなその人しかできない技術をMINASシリーズで実現することです。その価値をどこまで再現できるのか。これからの夢ですね」。加藤氏はそう話す。

従来、現場の機器だったFA機器が、ファクトリーオートメーションを実現する切り札となろうとしている。