コロナ禍で増えたテークアウトやデリバリー。便利だが、食べたあとに出るゴミを見ると、なんともいえない罪悪感が……。そんなテークアウトの使い捨て容器に対するモヤモヤを解決する新しいサービスが鎌倉で始まり、全国へと広がりを見せている。ゴミの出ないテークアウトを実現する、リユース容器のシェアリングサービス「Megloo(メグルー)」について、創設者・善積真吾さんに話をうかがった。
リユース容器のテークアウトで、2000個のゴミを削減
Meglooは、飲食店のテークアウトから出るゴミを減らすために、2021年10月に生まれたばかりの新しいサービス。善積さんが代表を務める株式会社カマンは、テークアウトにリユース容器を使うシステムを構築し、その容器を加盟する飲食店に提供している。
飲食店を訪れるユーザーは、テークアウトメニューをこのリユース容器で持ち帰る。利用は任意で、費用負担はない。食べ終えたあとは、購入したお店か地域内の加盟店、返却ボックスのいずれかに返却する流れだ。
「Meglooは1店舗だけで利用し、容器を往復させるのはもちろん、同じエリア内で複数の飲食店で加盟して、容器をシェアしながら使うこともできます。現在、実証実験中の鎌倉では11店舗が加盟し、容器はこの加盟店の中でぐるぐると循環する形となっています」(善積さん)
10月のスタート時から、利用はじわじわと増え、2022年6月時点の総利用回数は約2000回。単純に使い捨て容器2000個分をなくせたことになる。
「環境省の発表する3R原単位の算出方法*によれば、1回あたりの容器ごみ25グラムから出るCO2は134グラム。これまでのところ約268キログラムのCO2削減効果があり、手応えを感じています」(善積さん) *3R(リデュース・リユース・リサイクル)の行動による環境負荷削減効果を見える化する目的で環境省が作成
LINEで友だち登録するだけで使える手軽さ
Meglooを利用する場合、ユーザーはお店でQRコードをスマートフォンで読み取る必要がある。ただし、新たに専用アプリをダウンロードする必要はなく、LINEでMeglooを友だち登録するだけなので簡単だ。
「レジ横にあるQRコードを読み取り、容器の個数をLINE上で申請するだけです。返すときは、返却場所のQRコードを読み取ってもらうことで、容器の追跡が可能に。どの場所にいくつ容器があるかを管理でき、容器を1週間以上返却していない人にはLINEからリマインドします」(善積さん)
LINEだけで完結させる仕組みは、前職がエンジニアである善積さんが一人で作った。「複雑なテクノロジーは必要なく、難しいことはしていません。とてもシンプルに管理できます」
