寮暮らしの子は100%スマホ決済

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高校、大学などの一般的な学生寮。入り口の荷物は学生たちがショップアプリ「天猫」「淘宝」「閑魚」などで買ったもので、寮の入り口に届く(画像提供:TNC)

学生街で雑貨店を経営するWさんは、「寮暮らしの子は100%スマホ決済を利用している」と話す。「小宝」を使っているのかは不明だというが、親からの仕送りは決済アプリに送られることが一般的だ。学食や購買などでも現金が使われることはないようだ。

上海市内には寮を備えた高校が約200校あり、中学校も全寮制が増えている。大学はほぼすべて全寮制で、上海市内に実家があっても寮に入ることになる。上海の学生寮は一般的に4人部屋だ。相部屋の2段ベッドで現金を管理するリスクを回避する、親の目の届かないところでの無駄遣いを防ぐなど、中・高・大学生の子どもを持つ親からの「小宝」に対する潜在的なニーズは高いといえるだろう。

上海市内の大学の学食に貼られた「騰訊微校」のステッカー。QRコードをスキャンしてチャージする(画像提供:TNC)

じつは、寮暮らしの大学生向け決済アプリは、ひと足早くテンセント傘下の「微信(ウェイシン、英語名:WeChat)」が2014年にリリースした「騰訊微校(トンシュンウェイシャオ)」が既に定着している。学食や購買での支払い、先生から生徒への連絡機能、サークルのメンバー募集、イベント告知、同城機能(学校内で出身地が同じ人が交流できる機能など)が人気で、導入している学校は全国で5000校を超えているという。他にも、2014年リリースの「作業帮(ズオイエバン)」(小・中学生とその親、先生、学校をつなぐ学習アプリ)は、現在のアクティブユーザー数は4億人を超えているという。

「小宝」はリリースされてまだ1年ほど。定着にはもう少し時間がかかりそうだが、先んじて定着した学校と学生をつなぐアプリの範囲にとらわれず、親と子どもの金銭管理、コミュニケーション促進、さらには学校や外部の機関などとの連携といった独自の機能が強化されていけば、決済アプリや電子ウォレットの枠を超えた新しい生活インフラになり得る可能性もあるだろう。

この記事は、TNCが主宰する世界70ヵ国100地域に暮らす約600人の日本人女性ネットワーク「ライフスタイル・リサーチャー®」からの情報をもとに制作しています。日本と海外の価値を結ぶさまざまな企画・マーケティング分野で活躍しています。