アバターで着せ替え、デジタルファッションの台頭

イギリスでは2021年3月まで、3度に渡るロックダウンと感染防止対策の規制によって、出勤はもとより外出する機会が大幅に減少した。そのため、コロナ禍のステイホーム時間の増加によりゲームブームが起こった。そんななか、意外なトレンドとして誕生したのが、Z世代など若年層を中心に人気となったデジタルファッションだ。着飾る必要もない自宅での日常生活において、ゲーム上で自分のスタイルや好みを反映させた洋服や季節限定アイテムを購入し、思い思いのファッションを自分のアバターに着せ替えさせて楽しむ人が増えたのだ。

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毎シーズン流行が移り変わり新しいアイテムを製造・販売するアパレル業界にとっては、思いも寄らない競合市場の出現となった。さらに、実在しないデジタルファッションは製造における環境負荷もなく、廃棄物も出ない「究極のエコファッション」とも言える。イギリスのゲーム産業の売上は、厳しい外出規制がかかった2020年に、前年比29.9%増の70億ポンドを記録したという。世界的に見ても、ゲーム市場およびゲーム内で使用するスキン市場は拡大が予測されており、有名ファッションブランドがゲーム向けのデジタルファッションに参入する動きも見られ、今後もその動向に注目したいところだ。

今回はイギリスにおけるアパレル業界の新しいトレンドをご紹介した。現地で暮らしている中でも、日々のニュースやウェブ上の話題はもとより、ファッション通販サイトの各商品ページに代替レザーや再生素材などのアイコンが大きく表示されるようになるなど、イギリスのファッション産業はよりサステナブルな方向へと着実に歩みを進めている印象だ。ファッションは私たちの日常生活に欠かせない要素であるだけに、よりサステナブルで魅力的な発展に期待したい。

この記事は、TNCが主宰する世界70ヵ国100地域に暮らす約600人の日本人女性ネットワーク「ライフスタイル・リサーチャー」からの情報をもとに制作しています。日本と海外の価値を結ぶさまざまな企画・マーケティング分野で活躍しています。