誰でもが宇宙旅行を手軽に体験できるプロジェクトも始動

リアルな宇宙旅行については、既に民間人の旅行者を募集するツアーがいくつか出ている。ただ、冒頭にも触れたように、当初の費用は非常に高額で、一般人が旅行の対象として検討できるようになるのはまだまだ先の話といえる。また、宇宙空間を体験するには、時間をかけてさまざまな訓練を受けるなければならない点も課題である。

しかし、人間が宇宙に旅立つのではなく、VRカメラやロボットを宇宙に送り込めば、より多くの人がそれらを利用して宇宙旅行を体験できそうだ。

米SpaceVRはHTC Viveの支援を受け、360度撮影可能なVRカメラを8台積んだ小型の人工衛星を打ち上げ、9カ月間にわたって90分に1回地球を周回させる計画を発表した(写真6)。この間に、VRコンテンツの素材となる映像を撮影する予定だ。この計画が成功すれば、宇宙から地球を眺める宇宙旅行がヘッドマウントディスプレイによるVRで楽しめるようになる。

(写真6)SpaceVRのVRカメラ衛星「Overview 1」の予想図(SpaceVRのホームページより引用)
(写真6)SpaceVRのVRカメラ衛星「Overview 1」の予想図(SpaceVRのホームページより引用)

日本では、医療・介護用途として身体的な理由から外出が困難な人に在宅勤務や遠隔授業を実現したり、家族や友人との旅行体験を提供する分身ロボットを使って、宇宙旅行を疑似体験してもらおうというプロジェクトがある。

一般社団法人「SORAへのかけはし」は、遠隔操作が可能なオリィ研究所の分身ロボット「OriHime」(写真7)を国際宇宙ステーション(ISS)へ送り込み、ISS内の宇宙飛行士と会話したりISSから地球を眺めたりすることで、病院の外に出られない病児や患者に宇宙旅行を疑似体験してもらう支援を行う。

(写真7)分身ロボット「OriHime」は高さ21.5センチ、重さ587グラムで片手で持てるロボット(オリィ研究所のホームページより引用)
(写真7)分身ロボット「OriHime」は高さ21.5センチ、重さ587グラムで片手で持てるロボット(オリィ研究所のホームページより引用)