“ICL”が秘める未来のヘルスケア変革の可能性

溝口 歴史的な共通項として、日本という国は危機にさらされてから初めて動くところがあるので、本当に立ち行かなくなったときに一気に変わっていくのかもしれないですね。あるいは、その前にテクノロジーの進歩が社会を変えてしまうか。

田村 いやー、そんな社会保障とか医療が回らなくなるギリギリまで待ってないで、それこそ溝口くんが行政の人なんかと組んで国と一緒にプロジェクトを進めてくれたらいいのに。

溝口 やれたらいいんですけどね。そういえば菅総理には前に体操を教えたことがあるんですよ。ちょっと猫背なんで矯正しましょうということで。なんとか菅さんに話を聞いてもらいましょうか(笑)

田村 その体操のつながりをちゃんと活かしてよ(笑)。ところで、今ヘルスケア関連で溝口くんが具体的に注目しているものはある?

溝口 今、僕の目にはICL(眼内コンタクトレンズ)が入っているんですよ。これはレーシックと違って角膜を削らずに、角膜にレンズをインプラントする視力矯正です。もともと僕は視力が0.01ぐらいしかなくてコンタクトレンズを使っていたんですが、ICLを入れてから一気にQOLが上がりましたね。レーシックの手術は不可逆的で何度も行うことができませんが、これは30分程度の手術で何度でも出し入れができますし、もちろんコンタクトレンズのような面倒なメンテナンスも不要です。

田村 へえ、角膜に直接レンズを入れるんだ。

溝口 僕がこのICLにすごく可能性を感じている理由は、将来的にレンズにチップを内蔵してインターネット接続が可能になることなんですよ。そうすると、僕の視界そのものをディスプレイとして使えるようになります。たとえば、こうして話しているときに淳さんの顔の横にプロフィールを表示させるとか。

田村 すごい! 自分の目で見ている視界に情報とかデータを映せるんだ。

溝口 そうなんですよ。だから健康管理のデータもいちいちスマホで確認するような必要もなく、常に自分の視覚に表示させておくこともできます。自分の健康情報のアクセスはすごく手軽になるし、「今日はあと1000歩で1万歩到達です」みたいにゲーミフィケーションみたいな要素を加えていけば、多くの人が自分の健康により注目するようになりますよね。これはヘルスケアを大きく変革するイノベーションになると思います。淳さんの視力はいい方なんですか?

田村 良くないんだよ。最近、収録中にディレクターから出される指示のカンペが見えないことが多くなってきて。結局、向こうの意図がわからなくて自分の好きなように進めちゃってるんだけど(笑)。でも、当たり前だけど目はちゃんと見えてたほうがいいよね。

溝口 視力って目だけの問題じゃないんですよね。目の状態がよくないとストレスが溜まりますし、いろいろと影響が大きいんですよ。肩こりとか姿勢が悪くなったり、疲れやすくて集中力が続かなくなったり、メンタルにも相当な負担が出てきます。僕はもともとトレーナーをやっていて、体と心というのは密接につながっていると実感しているので、そういう意味でもICLはやってよかったと思っていますね。正直にいって、ここ10年ぐらいの間で自分の体に対する投資では圧倒的に一番の成功です。めちゃくちゃROIが高い(笑)

田村 そうかー。やってみたいな。でも、どうせならインターネットに接続できるようになってからの方がいいか。

溝口 インターネット接続はすでに物理的には可能なんですが、まだ熱の問題があるんですよね。さすがに角膜が熱くなって火傷するようなことがあったら嫌じゃないですか(笑)。でも、それも近いうちに技術的に解決されるはずです。

田村 これはどこの国が開発した技術なの?

溝口 ICLを開発したのは日本人の眼科医で白内障や屈折矯正の権威といわれている人です。すでに世界70カ国以上に承認されていて、技術的なレベルも日本の技術が一番高いと思いますよ。ICLにインターネット接続ができるようになったら、もうスマートフォンが必要なくなるかもしれません。自分の視界をディスプレイにして、健康管理だけでなく、あらゆるデータや機能を表示し、その操作ができるようになる未来が来ます。これはAppleに勝てるビジネスになる可能性もあると思いますよ。僕、今日はちょっと奇想天外な話ばかりしてますね(笑)。

田村 すごい! 僕はチップを体に入れるのとかまったく抵抗ないし、スマホでいちいち見るのも面倒だから、自分の視界にデータを表示してくれるんだったらそれが一番いい。そんな未来が来るのが今から楽しみだな。